初めて出来た彼女に振られて富士山に登ったら登山にハマった話①

当時私は鹿児島から東京の会社に就職し、社会人2年目を迎えてました。

要領の良い人は社会人2年目になる頃には、仕事もある程度覚えてそれなりの戦力になって活躍しだす頃でしょうか。
しかし私は点でダメでした。

物覚えも悪ければ、要領も悪い、技術的な事も不器用で上手くいかない。
会社で担当する案件では大きなミスから小さなミスまで毎回のように繰り返し、
社外の人も居る飲み会では飲み過ぎて、会社に損失を与えるレベルの大失態を起こしました。

私には遠距離恋愛をしている彼女がいました。
学生時代、学校を卒業する前に出来た人生初めての彼女でした。
私は東京のテレビ関係の会社に入り、
彼女は福岡の通信系の大企業に入りました。

私はテレビ関係の仕事だったので不規則な生活で、
休みがいつになるかもかなり不安定でした。
彼女は暦通りの仕事だったので、
基本的に会う時は彼女が東京に会いに来てくれるという形でした。

しかし、飛行機でわざわざ東京まで来てくれるのに私は休みが1日しか取れずに、
3連休で東京に来て、
1日は私の部屋の掃除をして、
1日は1人で東京観光をして、
最終日にやっと私とデートをして飛行機で帰る
というような形ばかりでした。

こんな理不尽な関係性にも関わらず、文句は一切言わなかった彼女に
当時仕事で何もかも上手くいかない私は、わざわざ来てくれた彼女に対して不機嫌になったり、軽く当たったりと最低な事を繰り返していました。

その結果、振られました。

今考えると当然の事なのですが、
当時の私は、自分は何て不幸な人間なんだと思っていました。
仕事も恋愛も何もかも上手くいかない。
このまま自分は何一つ上手くいかない人生を歩むんだ。
本気でそう思っていました。
相当病んでますね…笑

そもそも、仕事で色々やらかしまくって
悪い評判だらけで社内を歩きたくないような状況だったので、その時点で病んでたのですが
彼女に振られたのがダメ押しでした。

何か変えないとヤバイ
そう思った私は、休みを取るのがめちゃくちゃ難しいと社内でも言われていた、かなり頭のイかれた上司に何とか頼み込んで2連休を取りました。

私には好きな番組がありました。
仕事が忙しく、寝る時間もままならないような日々でしたが、毎日15分だけ
必ず録画して見る番組がありました。
グレートトラバースという番組です。

この番組は田中陽希さんというプロアドベンチャーレーサーが日本百名山を交通機関を一切使わずに、陸は自分の足のみ、海はカヤックという完全に人力だけで一筆書き道破するという挑戦を追った番組です。
(この番組の素晴らしさはいつか記事で描きたいなと思っています。)

この番組の中で、田中陽希さんが富士山に登る回がありました。
富士山はいつか必ず登りたいとは思っていましたが、ちょうど自分の尊敬する田中陽希さんが登ってる姿を見たのもあり
何か自分が変わるきっかけになれば良いなと
なんとか取った2連休で富士山に登る事を決意しました。

グレートトラバースを見ていたので、登山に興味はありましたが
実際に人生で登山をした経験は数える程度で、装備もなにも持って居なかったので、
とりあえずザックとトレッキングポールとゴアテックスの靴だけ早急に買い揃えました。

そして、慣れない登山ザックを背負い新宿発のバスに乗り込むのでした。

②に続く