日本人が山登りしたくなる理由は富士山にあった
「日本のシンボルといえば?」
この質問をしたら東京タワーやスカイツリー、京都の寺社など日本のシンボルが色々ある中で、
「富士山」
と答える方はたくさんいると思います。私もその1人です。2016年に8月11日は山の日という祝日に定められました。そういったこともあって日本=富士山という印象が定着しつつあるような気がします。
富士山は世界遺産です。2013年に登録されました
。日本を代表する山ではありますが意外なことに登録されたのは割と最近なんですよ!
世界遺産は文化遺産と自然遺産に分けられます。
【文化遺産】
歴史上、芸術上又は学術上顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群または遺跡。
【自然遺産】
生成物又はそれらの群から成る自然物であって、鑑賞上又は学術上顕著な普遍的価値を有するもの。
↑※「顕著な普遍的価値」とは、人類にとって現在だけでなく、将来的にも共通した重要性を持つ価値を意味する。
さて、ここで問題!
富士山は自然遺産と文化遺産どちらに分類されるでしょうか!
チッチッチッチッチ!o(・x・)/
正解は...!文化遺産です!
そう、富士山は自然遺産ではないのです!
私もつい最近まで、てっきり自然が認められて登録されたのかと思っていました。
なぜ文化遺産で登録されたのか。理由は日本の歴史にありました。
そしてそこには、山に登りたくなる日本人のルーツもありました。
「山に登るとご利益がありそう」は日本人独特の感覚だった
神秘的な山として認知されていた富士山は、古くから富士山に向かって祈りを捧げる、「遥拝」の対象とされてきました。
富士山は火山であるため、噴火を繰り返していたんですが、噴火するたび人々は「富士山怒ってるんじゃないか?」と考えはじめます。火口に神様がいると思っていたのです。その火口の神様を「浅間大神」としてまつり、噴火を鎮めるために、富士山そのものを神様のように扱い、(神聖視をして)祈りを捧げるようになりました。
...今思うとめっちゃ強引じゃん!!(笑)
でも、「富士山には神様いるんだよきっと!だから皆で噴火を鎮めるためにも祈ろうよ!!」みたいななんかポジティブな考え方、私は好きです。(笑)
祈るだけじゃ始まらない、行動しよう
これまでは富士山を見て祈っていただけだったのですが、火山活動が休止期に入った11世紀(平安時代)には実際に富士山に登って祈りを捧げる、「登拝」が行われるようになりました。
そこから段々と行動に移していくようになりました。
「神様がそこ(富士山)にいるのなら、行くしかねえ!!!」
と思うようになるわけです。
ん〜なんとも素晴らしい行動力。見習いたいくらい。ちなみに私はインドア派なので、家にこもって祈りを捧げるタイプかな!(笑)
そして中国から伝来した宗教観などと合わさった、「修行」が各地に広まっていき、次第に富士山に修行者が来るようになりました。
そして16〜17世紀(安土桃山〜江戸時代)には、富士五湖や白糸の滝などで「水垢離(みずごり)」(修行のシーンでよく見る、滝に打たれるアレ)が行われるようになり、祈る人だけでなく、苦行を行なうことで精神を高めたりと変化していきました。
修行といえば滝ってイメージがなんとなくありますよね〜!この頃からあったんですね〜!
噴火が鎮まるようにと祈っていたのが、最終的には長寿祈願や無病息災祈願に変わっていき、そうした信仰者を「富士講」と呼ぶようになりました。
庶民の間でも爆発的に流行したそうです。
今でいうと富士講が当時バズった!(笑)
現在においても願掛けで登山する方、いると思います!山には凄くご利益がありそうだし、山麓には必ずと言っていいほど神社がありますし!
山は神聖な場所とされていたんですね〜!山登りするルーツは富士山にあった!
世界的に評価されてきた富士山
富士山が世界遺産に登録されたのは、こういった歴史だけではありません。
もうひとつ、芸術性の部分で評価されました。
今から約1200年前、「万葉集」にて富士山を題材にした歌が詠まれました。
そして古典作品「竹取物語」や「伊勢物語」、俳句や近代は夏目漱石や太宰治の文学作品にも取り入れられたりと、時代を超えて富士山は文学の題材となりました。
富士山は絵画にも影響を及ぼしました。平安時代から取り入れられるようになり、それから葛飾北斎の「冨嶽三十六景」や歌川広重の「東海道五拾三次」など、様々な場所から見た富士山が浮世絵に描かれています。
浮世絵が世界に輸出されるようになると、富士山が描かれた絵は世界に衝撃を与えました。その影響っぷりはゴッホやモネなどの西洋芸術作品も影響をうけるくらいだったそう。
富士山は今でも世界中から人気があり、「名山」として地位を確立しています。
富士山は私たちが生まれるずっと前から芸術面でも日本のシンボルとして居続けてきたんですね〜!
小学生の時、授業で富士山が世界一高い山ではないと知った時、なんか悲しい気持ちになったのを覚えています。
高ければいいわけじゃないけれど、当時なぜか富士山を誇らしく思っていた私は、富士山が1番じゃないなんて...!と衝撃を受けました(笑)
そんな特に何か飛び抜けて凄い山というわけではないんだけれど、こうやって名山と呼ばれるほど愛されているのは凄いことだなと思います。
富士山が見えるとなんか嬉しい!(笑)
最近は全然見てないなあ。
昔住んでいた地域では、近くに土手があって、晴れていたら富士山が見えたので「今日はみえるかな〜!」と毎日のように探していました。
そいえば中学校の音楽室からも、朝練の時に見ていたな〜!(吹奏楽部でした。)
東海道新幹線に乗った時も、ついつい見ちゃいますもん、富士山。(笑)
世界遺産は他にも
富士山だけが世界遺産というわけではなく、麓の神社(富士山本宮浅間大社を総本山とする浅間神社群)や湖(河口湖や山中湖)、登山道など25の構成資産が世界遺産に登録されています。
これは一昨年、構成資産の1つでもある、忍野八海に行った時の写真。
写真では伝えきれないけれど、とにかく感動するほど湧水が透き通っていた!夏に行ったんですが、水が冷たくて気持ちよかったな〜!
正直、湧水で感動するとは思わなかったから衝撃でした!!(笑)そして海外の観光客が多い印象でした!やはり富士山、海外で大人気なんですね〜!
さて、今回は「富士山と旅する世界遺産」の記事でした!
山岳信仰が今でも続いており、今でも世界中から愛される富士山。
歴史を知るとちょっと富士山の見え方が変わってくるような気がします!
次はどんな記事を書こうかな!
感想もお待ちしてます!
まだまだ夜は寒い!あったかくして過ごしましょうね!
参考資料
http://www.kyouikuisan.jp/worldheritage/bunruihttp://www.fujisan223.com/reason/arts/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?