長生きはしたいけど、老後が不安なあなたに。幸せに年を重ねるために大切な６つのこと
「年を取る」
この言葉にどんなイメージがありますか？
「仕事ができなくなる」
「身体が弱る」
「楽しめることが減る」
「お迎えが近い感覚に襲われる」
そんなところでしょうか？
実は上記の4つは、古代ローマの
政治家・哲学者キケロー
（BC106-BC43）があげたものです。
2,000年前から私たち人間は、
「老いること」にネガティブな
イメージを抱きがちでした。
しかし、キケローはこう喝破します。
「人は皆、老齢に達することを
望むのだが、それが手に入ると
今度は非難する」
その上で、「衰退」ではなく
「成熟」「完成」としてポジティブな
老齢期を説きました。
そして、現在では科学的な
ポジティブな年の重ね方が
追求されています。
1.幸せに年を重ねるために6つの基準
「年を重ねることの
ポジティブな側面は何か？」
「どうすれば年を重ねても
幸せでいられるか？」
それは単に病気でないことでは
ありません。より発展的で楽しい
ことであるべきです。
このテーマの科学的な追求は
1940年代にシカゴ大学から始まりました。
そして1989年、ウェルビーイング研究の
第一人者キャロル・リフは、
「幸せに年を重ねるために6つの基準」を
発表しました。
1）自己受容
自己に対する肯定的な態度を持ち、
良い点、悪い点を含めた
自己の多面性を認め、
受け入れ、過去の人生を肯定的に感じている。
2）他者との肯定的なつながり
他者との間に温かく、
満足感のある信頼関係を持てること。
他者の幸福に関心を持ち、
強い共感、愛情、
親密さを持つことができ、
人間関係のギブアンドテイク
を理解している。
3）自主性
自己決定権があり、自立している。
特定の方法で考えたり行動したりするような
社会的圧力に抵抗することができ、
自分の中で行動を規制し、個人的な基準で
自分を評価することができる。
4）環境に対する習熟
複雑な外部活動をコントロールし、
周囲の機会を効果的に利用し、
個人のニーズや価値観に
適した環境を選択または
作成することができる。
5）生きがい
人生の目標を持ち、方向性を感じている
現在と過去の人生に
意味があると感じている
人生に目的を与える信念を持っている
6）自己成長
継続的に成長している
という感覚を持っている。
自己が成長し、拡大していると考えている。
新しい経験に対してオープンであり、
自分の可能性を実現している
という感覚を持っている。
時間の経過とともに、
自己と行動に改善が見られる。
以上です。
いずれも若いうちから
大切にしたいことばかりですね。
とはいえ、すべて気をつけるのは大変です。
まずは何からすべきでしょうか？
2.「いたわる」側がもっと幸せ
この点、参考になる調査があります。
先述のキャロル・リフは
171名の中高年に「自分達の幸せの指針」に
ついてインタビューをしました。
すると、1つの共通点が見つかりました。
それが「他者志向であること」です。
幸せを感じている人は、自分から
他者に思いやりを示したり、家族や友人と
良好な関係を保つために
自ら動いていたのです。
年を重ねるほど、労られる側に
回りたくなるものです。
しかし、幸せを感じるには
積極的に与える側に回った方が
よさそうです。
3. 他者に愛を示した分だけ、自分を愛せる
いかがでしたか？
高齢者のメンタルヘルス研究の
先駆者であるバーレン・ジェームズらは
次のように述べています。
「他人に愛を示すこと」の大切さは
誰もが知っています。
でも、多くの方が躊躇します。
その理由は「自分は与えるほどの
ものがない」という恐れです。
そして、この恐れは年を重ねるごとに
増えていきます。
お金や時間といった資源も
行動できる範囲も目に見えて
減っていくからです。
でも、それは真実でしょうか？
その代償として、むしろ増えて
いるものはないでしょうか？
たとえば、経験や見識などです。
それを分かち合ってみては
いかがでしょうか？
すると、他者に愛を示すことができ
同時に自分への愛も一段と深まります。
それが、幸せな年の重ね方に
つながっていきますよ。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
「自分には価値はない」
「自分には何も与えるものはない」
年齢を問わず、
多くの方が思っていることです。
もちろんそれは思い込みです。
ただし、自分でこの思い込みを
解くことは難しいことです。
そこでお役たてるのが、
カウンセラーの存在です。
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参考文献（P.22)
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