室内サイクリングの進化:Moz-RollerからGT-Roller Q1.1へ
Moz-Rollerの物語
「カラッカラッカラッ」と、不快な音が部屋に響き渡った。その音は、私にとって4年前のあの時と同じだった。あの時、私はMinouraのMoz-Rollerという3万円のローラーを入手し、忙しい日々の合間を縫って自宅でバイクトレーニングを行っていた。毎週3日、1時間ほどのライドを続けることで、私のペダリング技術は確実に向上していった。最初の頃はバランスを崩して何度か落車したが、今ではそんな心配もない。
しかし、ローラーの音が急に大きくなり始めた。調べてみると、ローラーのドラムは別売りで手に入ることがわかった。早速交換して快適なトレーニングを再開したが、それから1年半が経ち、また同じ音がしてきた。3本のドラムのうち、すでに1本は交換済み。残りの2本ももうすぐダメになるかもしれない。もしかしたら、新しいローラーを手に入れる時期が来たのかもしれない。この6年間、ローラーは信頼できる相棒だった。しかし、その寿命も尽きつつあるようだ。新しいローラーと出会うことは、私に新たな挑戦をもたらしてくれるかもしれない。
快適なライディング環境を作る
バイクにはパワーメーターとケーデンスセンサーを取り付け、バーチャルサイクリングのZwiftも活用してきた。TrainerRoadも4年間続けている。平日はローラーに乗り続けるつもりなので、少し高価なものに更新するのも悪くない。ローラー台は玄関に置き、譜面台にiPadを載せてTrainerRoadを表示させる。床にパソコンを置き、そちらにはZwiftを表示させる。最初は家庭用の扇風機で間に合っていたが、夏の暑さに耐えきれず、業務用の45cm扇風機を購入した。それでも梅雨明けから秋までは滝汗が出るのでマットは欠かせない。
固定ローラー vs. 3本ローラー
室内で使うローラーには、固定ローラーと非固定の3本ローラーがある。固定ローラーの中には、Zwiftなどのバーチャルライドの坂を再現するスマートローラーもある。確かに魅力的だが、価格は15万円ほど。毎回後輪を外さなければならないのも面倒そう、固定しているので実走とは感覚が少し違い、フレームにもダメージがありそう。しかし、世の中の主流はスマートローラー、決断がつかなかった。数日考えたが、最終的に、バーチャルで速くなることが目的ではなく、実走で速くなるためのローラーが自分の優先順位となり、3本ローラーに決めた。
3本ローラーには、1万円から10万円以上するものまで様々ある。Moz-Rollerは手頃な価格で満足していたが、さらに良いものを長く使いたいと思い、より頑丈で乗り心地が良さそうなものを探していた。競輪選手が使うようなドラムが太くて頑丈なモデルもあったが、玄関で使うため、折りたためることが重要だ。
そんな中、日本製のGrowtachのGT-Roller Q1.1が目に留まった。その商品ページにはこう書かれていた。
ローラー台はつまらない。なぜなら外で実際に走るのと全然違うから。
部屋に永遠に続く道があったら、室内だって楽しくサイクリング出来るのに……。
そんなサイクリストの想いを受けて、グロータックは永遠に続く道を作りました。
GT-Roller Q 1.1は、まるで実走のようなフィーリング。
ダンシングだって、DHポジションだって、永遠に登り続けることだって出来てしまいます。
「永遠に続く道」とは、まさにロマンを感じる。GT-Roller Q1.1は、3本ローラーではなく4本ローラーで、価格は10万円近い。注文してからわずか3日で届いた。
4本ローラーの静寂と安定性
初めて乗ったとき、その静寂性に驚いた。3本ローラーはドラムの回転音がそこそこ響いていたが、この4本ローラーはほとんど音がしない。ドラムの精度が極めて高いのだろう。走行音はチェーンの音とタイヤの摩擦音だけ。前に2本のドラムがあり、その間に前輪を置くことで、3本ローラーとは段違いの安定性を実現している。書いてあるとおり、ダンシングもDHポジションも全く問題ない。あまりにも安定しているので長時間乗っていて寝落ちした事も何度かある。設置の手間は前のローラーと同じで、玄関を片付け、マットを敷き、その上にローラーを広げ、自転車を乗せるだけ。安定性が高いため、以前のローラーよりも重いが、畳んだサイズは非常に薄く、邪魔にもならない。
この4本ローラーを使い始めてから2年が経つが、ほとんど劣化は感じられない。全て金属製で、塗装が一部剥げかけているものの、ドラムの回転はスムーズでサビもない。
次に考えるアップグレード
GT-Roller 1.1はオプションを加える事でスマートローラー化したり、前の部分を上げて坂道を再現できる。気が向いたらこれらのアップグレードを試そう。
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