見出し画像

第9話: ついにスーダン脱出!思い出と荷物を詰め込んでいざ日本へ「アフリカから帰ってきたニート夫と娘の成長期」

妊娠から5か月半、安定期を迎えた僕たちはついにスーダンを発ち日本に帰国することとなった。

実のところ、「アフリカ」という環境の大変さに加え、この頃のスーダン(あれから数か月が過ぎた今もだけども)は情勢が安定しておらず、というよりも荒れに荒れており毎週のように政府に対する抗議運動が行われていた。軍部との衝突、ネットの遮断、道路の封鎖など色々大変なことだらけだったのだが、このあたりの話はまた機会があれば書かせてもらおう。

なんせスーダンでの駐在を始めた2018年後半からのことを含めるとずっーと情勢は安定しておらず波乱の3年半で、書きたいこと、皆さんに伝えたいことが山ほどあるのだ。それを書き始めると自分の娘の成長を記録する暇がなくなってしまう。なのでこの話は一旦置いておいて、帰国時のことでも書こうかしら。

上記のことがあり、各航空便が運航を中断する中、エチオピア航空は耐えて運航を続けてくれていた。普段ならスーダン~日本(関西)の航空便は10万円前後で買えるのだが、この時はどのサイトを見ても25万円を超えていた。

日本の代理店を通じてようやく通常時の金額でチケットを手に入れた僕たちは抗議活動の合間を縫って、スーダンで過ごした思い出と荷物をスーツケースに突っ込んで飛行機に乗り込んだ。まずはスーダンからエチオピアに移動するのだが、この頃のエチオピアでも武力衝突が起こっており情勢が不安定だった。飛行機に乗る直前、現地大使館から「どういった経路で日本へ帰るんですか?まさかエチオピアは通らないですよね。」といった旨の電話を受け取った。

「本当にごめんなさい。でもこれしか便がないんです。帰ります。」

今回は仕方ないですよね~と許し?をもらい、無事帰国できることとなり一安心した。

スーダン→エチオピア→韓国→関西空港の長旅で、今回は韓国で一泊することとなっていた。COVID-19の影響で空港のレストランはほとんど閉まっており楽しみにしていた韓国料理屋さんにも行くことができなかった。フードコートのお店が一店かろうじて開いていたのでそこでジャージャー麵を食べる。久しぶりの本場のアジア料理。やっぱりめちゃくちゃうまい。

長年の海外生活で大抵の料理は代用品を駆使して作れるようになった。天津飯に親子丼、茶わん蒸しはもちろんのこと、ちょっと手間をかけて餃子、ラーメン、うどんなんかもせっせとこしらえては、職場の同僚や妻と久しぶりのアジア感を楽しんでいた。しかし、日本に帰ってきて実感した。

僕たちが美味しい美味しいといって食べていたラーメンやうどんは、ゴムだ。輪ゴムをむしゃむしゃとして楽しんでいた。それくらい日本に帰ってきてから食べるご飯は美味しい。スーダンでレストランを開こうかな?なんて言っていた自分が恥ずかしい。危うく、世界初の輪ゴム屋
レストランを開く羽目になるところだった。

話は韓国の空港に戻って、フードコートでたらふく料理を楽しんだ後、セブンイレブンに立ち寄った。ちなみに関東ではセブン、関西ではセブイレと呼ぶのだが、僕のおばあちゃんはセブンイレというブンだけを仲間外れにする奇抜な愛称で呼んでいる。

韓国のりや辛ラーメン、キンパのおにぎりなど、満腹中枢を狂わせる食べ物たちが誘惑していた。久しぶりのコンビニを舐めるように堪能し、レジに向かう。

僕たちが何気ない会話をしていると、店員さんがなんと日本語で話しかけてきた。話を聞くとアニメで独学で勉強をしたそうだ。日本のアニメは本当にすごい。世界中で放送され、数知れない日本ファンを創造し続けている。そんなことを噛みしめながらお会計を済ますと、その店員さんが去り際に僕に向かってこんなことを言ってきた。

「日本語お上手ですね!」

ありがとう。でも僕ネイティブなんよ。
まさか韓国人に日本語を褒められるとは思わなかったが悪い気はしない。いつか韓国語を勉強して韓国人に「韓国語お上手ですね」と言ってやるんだ。

カンコクゴオジョウズセヨ~


第9話は以上となります。今日も読んでくださりありがとうございます!
皆様からの「スキ」を励みに頑張ります。ご応援のほどよろしくお願いします♪
ご感想・質問などがございましたら是非コメントにお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?