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「うれしーと」の設定は、走るコインロッカー?


 JR西日本の 「うれしーと」の設定が広がっていく様相である。
このシートの設定には限りなく初期投資コストがゼロであること。
また、座席を購入というより空間を買うという発想。
このことから大きな荷物を持つ人向けのニーズが大きいと感じる。


■「うれしーと」とは?


うれしート連結の直通快速。


 2023年10月に大和路線・おおさか東線の
朝ラッシュに始まったサービス。

一番後ろの車両で車掌が近い部分のドアと
ドアの間を区切り始まった。

当初は、朝ラッシュの区間快速は始発駅から
天王寺まで、以降はサービス提供終了。
なお、そのまま座っていていい。

おおさか東線は全区間の直通快速で始まった。

この一番後ろの区画というのがミソで、
車掌さんが指定券の保持客の確認がすぐにでき
保持していない人を
すぐに無料区画へ案内できるのもいいところだ。

 特徴としては、一般部分と指定席部分を
暖簾で区切っているだけ。

ただ、通路を含め一番後ろの出入り口部分も
立ち客は入れない。

 なお、座席は改造などもしていなくて
簡単に設置・撤収ができる。

■2024年10月からサービス拡大


 今回、大幅にサービスが拡大される
ことになった。

 それは、JR奈良線、広島地区の山陽本線、
JR神戸線快速に拡大される。

 前2つは、観光路線でもある。

 広島地区では、ほぼ宮島への観光客向けの
快速にも設定される。

 もちろん、3つとも通勤ラッシュの
方向の設定はある。

■値段設定


 普通の指定席の扱いである。
通常期は520円である。

ただ、ほとんどのお客さんは
JR西日本のインターネット予約サービスē5489で
チケットレスで予約をとっていると考えられる。

そうすると、常に300円で
予約を取ることができる。

 この値段設定が絶妙で、
安い(小さい)コインロッカーくらいの価格。

大きな荷物(キャリーケースを持っているなど)
があるとき、立客の多い通勤電車を
避けられるというのは大きな意味を持つ。

■JR西日本の一部指定席の快速列車


新快速Aシート


 この「うれしーと」は一部指定席の
快速列車ということができる。

他にも、一部指定席の列車があるので
紹介する。

また、「うれしーと」との違いを
見ていきたい。

・JR京都・神戸・琵琶湖線の新快速Aシート。
・瀬戸大橋線の「マリンライナー」


このふたつ。

 かつては、関空快速にもあった。

現存する、Aシートやマリンライナーの
指定席は、自由席より座席のグレードが
一段上。

これは、過去「関空快速」での失敗や
他社の失敗(JR東海の快速「みえ」)の
ように座席のグレードが自由席と
同じなら指定席は閑古鳥が鳴いていた。

この教訓により座席のグレードを
特急普通車並みの一部指定席に
踏み切ったようである。

ただ、特急普通車並みの指定席を
導入するのは初期コストがかかる。
例えば、特急並みの速度で走る新快速、
全列車に導入するのは膨大な費用が掛かる。

今回の「うれしーと」は暖簾だけだから
限りなく0コストに近い。

なお、同じ時期に「マリンライナー」の
指定席料金を上げるようである。
ē5489での指定料金は210円だ。
これを値上げする。

この指定席は、大人気で需要が
大きいのが原因かと。
わたしも、マリンライナーの指定席には
よくお世話になった。

■「うれしーと」の本来のねらいは?


 この企画の本来の趣旨は、
「通勤ラッシュに座って快適に」といういわゆる
関西圏で設定されていた通勤特急と
同じ趣旨だったと思う。

また、できるだけコストを掛けずに
提供することも狙いだったと思う。

もし、失敗してもダメージは小さいから。

それと、始発列車の設定のない途中駅からの
着席サービスという意味合いもあったように思う。

それを言うと、始発駅からの人は労せず
同じレベルのシートが無課金でありつけるのは
不平等のような気もするが・・

 もちろん、そのネライは当たったのは
言うまでもないが、大きな荷物を持つ旅行者にこそ
使い勝手がいいサービスだと思われた。

これは、奈良方面からのおおさか東線の直通快速が
殆どの人が新大阪で降りていき、

かなりの方が
キャリーケースを押しコンコースへ上がっていった。
これって新幹線利用?だよね。

■さらなる展開は?


 観光路線や、新幹線の駅などに直結する
路線などかなと思う。

例えば、新快速もAシートを展開していない
全列車にどうか。

他にも阪和線、関空快速も。
なお、こちらは関西空港行きは、
連結順を逆にしないと設定できないが‥

なお「はるか」との棲み分けだけど、
現状9両編成でもかなり座席が埋まっているので
更なる需要はあると思う。

なお、朝ラッシュ時の関西空港発直通快速は
混雑がひどすぎて設定は困難と考える。

■まとめ


 ・2024年10月に「うれしーと」サービスが大幅拡大
 ・大型荷物のときには重宝
 ・300円という小型コインロッカー並みの手軽さ。

■感想


 これ、もしかして新快速のAシートは
この「うれしーと」にしとけばよかったと
思っているのではないかと‥

新快速のAシート確かに、平日ラッシュ時や
土休日には座席は埋まることは多い。

 だけど、コストがかかり過ぎていて、
初期投資コスト(車両新造や改造費)や
人件費(中間車両なのでもう一人車掌が必要)
が嵩む。

だから、このまま人知れず放置し、
1日6往復のままで、もしかすると
「うれしーと」がメジャーになる日が来るかも?

 個人的にはなりますが、このサービスが
拡大したら使ってみたいのが、
輪行(自転車を分解して専用袋に入れて電車に乗る)
する際にあまり迷惑せず乗れるので利用してみたい。



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