福島、中距離バスに揺られて。
気が付けば、1月が風のように過ぎ去って、2月を迎えていた。
相変わらず、日本全国津々浦々、駆けまわる日々を送っている。
先々週まで鳥取、その次は盛岡、その次は千葉と埼玉、そして福島。月末には沖縄。そんな感じ。
こころがずっと落ち着かないような、忙しなく、ふわふわとした不思議な日々だ。
先日、福島で中距離バスに乗った。
いわきから福島駅周辺へ。二時間ほどのバスの旅。
発車前に、名産品のほっき貝のお弁当を買った。
バスの乗り場が分からずうろうろしていたら、バスの運転手さんが声を掛けてくれてほっとした。
車内に人はまばらで、みんな思い思いの席に座ってくつろいでいる。
バスは定刻通りいわき駅を出発し、のんびりと進む。
車窓にはよく晴れた真っ青な空と、山々が、田畑が、映っては通り過ぎ、映っては通り過ぎて。
お弁当を少しずつ食べる。
貝の出汁のよく沁みたご飯が最高に美味しい。
乗り物の中で、移動中に食べるご飯は、なんだか特別感があってすきだ。
お弁当を食べ終わって、両耳にイヤホンをつける。
流れてきたのは、くるりのハイウェイ。
そしてロックンロール、BABY I LOVE YOU、春風。
くるりの音楽は、どうしてこんなにも旅にぴったりと寄り添ってくれるんだろう。
バスの中はぽかぽかと暖かくて、
立春が近いな、もうすぐ春なのだな、とうとうとしながらぼんやりと思う。
うまく言えないけれど、とても満ち足りた幸福な二時間で、
やっぱりわたしは移動が好きなんだな、としみじみ思いながらバスを降りた。
いつまでこの仕事を続けるか分からないけれど。
行けるうちに、行けるときに。
自分の足を動かして、まだ行ったことのない場所を、はじめての景色を、たくさん自分の目に焼き付けておきたい。
マイペースに頑張りたい、2月。
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