潮風の吹く、心地良い街。
仕事柄、出張が本当に多い。
四月からほぼ毎週、主に北関東の市町村を訪ね歩く生活を送っているのだけど、
その中でも茨城県、特に日立市とひたちなか市はなんだか私にとって特別な街だ。
勝田駅からひたち海浜公園に向かってまっすぐ車を走らせていると、突然目の前に広がる真っ青な海と空。
日立駅のエスカレーターを降りるとすぐに目に飛び込んでくる青。
優しく頬を撫でて通り過ぎてゆく、海からの風。
落ち着いた雰囲気の、素敵なカフェもたくさん。
気さくなご夫婦の営まれている、居酒屋にもお邪魔した。
お仕事でご一緒する方々も皆さんとにかく柔和であたたかく、居心地がよい。
海が見えるバス停に座って、背中に背負った重いリュックを下ろし、ふうとひと息、大きな深呼吸をする。
空は高く、海は青い。
目を瞑ると、どこか遠く鳥の声。
日差しはそれなりに強いが、夕暮れの風はさらりとして涼しく心地よい。
駅構内に置かれたピアノから、通りすがりの高校生たちの奏でる音色が風に乗って聴こえてきた。
海の近くにある街は、空気感がなんだか自分の肌に合っているような気がする。
そして不思議なことに、そういう街にいるときに限って、嬉しい知らせや思いがけない幸運が舞い込んできたりするものだ。
夏が終わる前に、きっとまた近いうち。
あの海と空に会いに行く。