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出世を目的にしない

記念すべき100記事目です!読んでいただきありがとうございます。記念すべき100記事目は最近読んだ昭和史のムック本の巻末の和田秀樹さんのインタビュー記事がとても印象深かったので写経のように。和田さんって受験勉強の本書いてるイメージしかなかったけどやっぱりわかりやすいですね。

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引用です。引用なんですが、ちょっと引用読みにくいので引用扱いにはしません。そして長いです(笑)

三島由紀夫についてはどうお考えですか?
三島由紀夫っていう人は基本的には理想主義者。日本には日本の美があるという信念を持っていた人だから、つまり日本なるものがアメリカに遅れたダメな国だという思い込みに反して日本の美しさや美学のようなものを追求していったのでしょう。

死んだことで何を残したのか。
日本では死が美学だということを体現したのではないでしょうか。死をもって抗議するというのは日本の在り方だったんだけど、ある時から日本人が死ぬのをものすごく恐れるようになったわけです。それまでは忠臣蔵のように死が美だったわけですよ。白虎隊にしても何にしても。その死の美学があったのに、かっこ悪く生き延びるというのが敗戦時の軍の幹部連中がやったこと。

明治の軍人と昭和の軍人は何が違ったのか。
明らかに違いますよね。戦いで功績を残した人がエライという時代から、ある学校を出ている人間がえらいという価値観に変わったわけです。
 明治時代は幕末にかけての戦争経験者も多く、戦場がいかなるものかを知っていました。もちろん死も覚悟していました。
 しかし日本が豊かになっていく中である時点から偉くなることが至高であると思うようになった。肩書に価値を見出したわけです。エリート校を出ていないと将校になれないシステムが、功績より肩書の流れを加速したと思います。
 戦後のその流れが引き継がれ、北里柴三郎のように教授になってからも功績を残す人はあまりいなくなります。大学で比較しても、日本の一番ダメな点は“教授になって何をするのか”という目的がないのです。アメリカでは教授になることは研究のスタートラインなわけですよ。教授職になることでグラント(研究助成金、研究のための寄付金)が集めやすくなり、研究ができる環境が整うということですね。でも日本の場合は教授がアガリのポストになっているんですね。

軍人の本分が戦いから出世欲に変わってしまったと
これは他業種にも言えることで、教授になりたいとか総理大臣になりたいとか、肩書きが欲しくてやってるわけですよ。その肩書を得ることで自分の理想を追求したいとはまったく思っていないわけです。
 日本の悲しいところは、えらくなるというのが目的になってしまって、何がやりたいかというのは目的じゃないわけですね。
 三島由紀夫はああいう形で死んだけど、やりたいことをやって死んだんだと思いますね。地位や肩書き、たとえばノーベル賞作家になりたいということよりも、自分のやりたいことを優先したところが日本人に美しいと思われるんでしょうか。


なぜやりたいことを言わなくなったのでしょうか。
言わなくなったのではなくて、ないんですよ。やりたいことが。
 目標が大臣になることや首相になることだから、得意な分野じゃなくても大臣のポストが回ってきたら引き受けるわけじゃないですか。やりたいことが見つからないのは極めて日本的で、えらい地位だから政治家を目指す。だから世襲政治家が6割もいるんですよ。やりたいことがあるかどうかよりも、社会的地位が大事なんだから。
 教育問題でいうと、日本の教育で悪いのは、勉強を強いる受験競争が悪いのではなくて、理想を教えないことと、受験競争で勝ってからも勉強を続けなければいけないという当たり前の事実を教えないことです。
 そして多くの人が名門といわれる大学を出てからろくに勉強しないので、一回賢くなった人は馬鹿にならないと誰もが思っています。東大卒とか東大教授という肩書が年を取ってからも通用してしまう。日本人というのはどうも肩書だとか、ある地位で形になったらそこから先はもう大丈夫だと安心してしまうんですね。本当に大切なのはそこから先なのに。



出世は目的ではなく手段。自分で仕事起こせるレベルでやりたいことがあるならスタートアップで起業したらいい。それが大企業でしかできなそうなことなら、必要に応じて必要な地位を目指したらいいと思うんですよね。都会にいれば特に仕事にあぶれることもないし、年収なんか多少変わっても生活に変化はないし、多少増やしたいなら投資でもやったらいい。「俺は社長になる」ってなんやねんと。社長になって何がしたいかが大事。「世の中をこうしたい」があるならやっぱり社長が一番やりやすい。

 個人的には最近経営クラスと仲良くなって、自分は子育て楽しみながらこんなことやったら面白いと思うんですよーって誰か共感してくれる人けしかけたらいいんじゃないかなって。まあ自分がやるのが一番自分の思い通りにできるんですけどね。なんでこんな謎に出世を目指すのか歴史的背景からわかるとてもよい記事だと思いました。





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