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アンブシュアについて(口の外編)(本編)

前回の続きです。
お待たせしました、そもそもの音の質を上げたくてネットの海を泳いでいる皆さん、お待たせしました。

こちらの内容は、音質で周りとの差をつけるためのヒントにはなると思います。

とりあえず、まず大前提としての考え方からですが、音の質を"上げる"、というのは語弊があります。

『音がなんか窮屈と思うから』や、
吹奏楽部の方ならば、『今の音が「周りに交わらない」「音がキツい」と言われたから』という理由で、アンブシュアに悩んでいる方がいると思いますが、その音も、窮屈なのを表現したいときや、周りに交わらずに目立たなければならないときの音は、その今の音を狙って出せるようにした延長線上にあります。このことは忘れないでください。
大事なのは、窮屈な音も豊かな音も、曲に沿ったコントロールができることです。


そして、詰まるところ、「音の質を上げたい」というのは、つまり「豊かな音が出したい」と思っているのだと思います。

ということで、今から書くアンブシュアの考察は、『豊かで響きのあるアンブシュアの私なりの考察』であって、絶対に、いわゆる『いい音』という意味ではありません。このことも忘れないでください。


では本筋です。


あなたが、ドラえもんの声を真似する、となれば、喉、すなわち声帯をどのような状態にするでしょうか?
旧ドラえもんでも新ドラえもんでも、考えることはおそらく一緒です。

だいぶ絞りますよね?狭くしますよね?のど。

ぼぐ、ドラ"え"も"ん"~  ですよね?

この声(音)は、ドラえもんとしては正解ですが、あまり豊かではありませんよね。


次に、題名のない音楽界やクラシックTV等でも時々流れますが、
合唱を歌う時の声を真似して、あなたが出している、とイメージしてください。
合唱の時の歌声って、すごく響いていてきれいで包み込まれるような声ですよね。


厳密な、合唱を歌う時の状態の正解を私も知りませんが、少なくとも、喉は窮屈にはならないはずです。広げにいっているのか、完全脱力のフリーなのかは置いておいて、狭めてはいないはずです。


これらのことを、私たちにとっての喉や声帯の話から、サックスにとっての『喉や声帯』、つまり『マウスピースやリード』に置き換えると、

豊かな音というのは、『マウスピースとリードの間(喉)を窮屈にせず、どれだけリード(声帯)を自由に振動させるか』にかかってくるというわけです。


イメージと入手のためのヒントまで話せたので、具体的な策に入ります。



まず一つ目のポイントは、

サックスの音を出す際、この、

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マウスピースとリードのかなり狭い隙間(喉)に息を通して、リード(声帯)を振動させているということです!!!!!

このただでさえ狭い隙間が、もしさらに狭くなれば、音が窮屈になるのは想像できると思います。

なので、まずリードを押さえつけないようにして、
①下唇はリードに添えるだけ
です。

桜木花道も左手は添えるだけでしたよね。
シュートするとき左手に力が入っていたら、シュートの方向がぶれてしまいますからね。
自分をフォローするわけではありませんが、当たらずも遠からずな例えではないでしょうか?すみませんスルーしてください。
元ネタが気になる方は「スラムダンク 左手」で検索すればすぐに出てきます。



話を戻します。

先ほどの①の、添える位置、いわゆる下唇の咥える深さですが、
その下唇の位置が先端に近ければ近いほど(咥えるのが浅いほど)、リードの振動できる面積が小さくなりますよね?ということは、窮屈になって音が響かなくなるのは当然で、

響かそうと思ったら、リードの振動できる面積を増やす、そのためには、

②下唇を添える位置は、かなりリガチャー側

という流れに、当然なってきます。咥える深さの限度はありますが。

下唇に関してはそのくらいです。


次に、上の唇、もしくは言い換えた方がよいならば、上の歯の位置ですが、これはどこでも構いません、人によります。好みもありますし、骨格や、前歯の長さなどの個人差もありますので、限度はあれど、気に入った場所で大丈夫だと思ってます。

ただ、守るポイントはありまして、下唇は添えるだけの力しかかけてないのと、マウスピース自体は少々しっかり力が加わっても、簡単に曲がりはしないので、

③上の歯と上唇の筋肉はがっちり使って、口を固定する

のは大事になってきます。
口の上半分はがっちり使って、がっちりキープっす。

ラストは、

④横に嚙む力をイメージして、口全体を締める

です。

一度、「青(あお)」と声を出してみてください。

”あ”を発声するのときの円形に近い口から、
”お”になるときに、横幅が狭まって縦長の口になると思いますが、そのときの口の横方向の動きのイメージです。

これをイメージできてないと、キープする力をかけるときに、噛むような力ばかりが働いてしまい、結果リードを窮屈にさせてしまうので、何気に一番大事な要素だと思います。


まとめです。

①下唇はリードに添えるだけ
②下唇を添える位置は、かなりリガチャー側
③上の歯と上唇の筋肉はがっちり使って、口を固定する(位置は自由)
④横に嚙む力をイメージして、口全体を締める


豊かな音を探しておられる方は、この4つを一度試してみて下さい。
最初は、②が一番影響して、暴れてコントロールが効かず、良くないという印象を持つかもしれませんが、リードがフリーな状態になっているならば、それは慣れていないだけで、確実にその先に豊かな音は存在しますので、そのまま、キープできるように馴染むまでロングトーンや音階などの基礎を継続するのをお勧めします。

なんせ、②のちょうどいい位置を定めるのが一番時間がかかります。
響きの量と、コントロールを天秤にかけた時の、下唇のちょうどいい位置の研究は、音楽を探究するならば永遠に続きます。


ちなみに、アンブシュアの研究の際、昔は、『あごを伸ばせ』『あごをしゃくらせ』とよく言われましたが、これは本当に意味があるのでしょうか?

あごにグッと力が入っていて、あごが梅干し状になっているなら、力を抜いてリラックスしてというのはありますが(ジャズなら梅干し状のアンブシュアも普通にありますし)、あえて伸ばしたりしゃくらしせたりするために力を入れるのは、なんだか本末転倒な気がします。

おそらくこの話の目的は、
『あごを伸ばす→下唇が下に動く→リードを必要以上に抑えるのを防ぐ』
につながるからであろう、と思いますので、
初めからリードには添えるだけの意識で、しっかりリラックスできていれば、不要なアドバイスかな、と思います。


話の筋を戻して、
繰り返すだけになるかもしれませんが、

①下唇はリードに添えるだけ
②下唇を添える位置は、かなりリガチャー側
③上の歯と上唇の筋肉はがっちり使って、口を固定する(位置は自由)
④横に嚙む力をイメージして、口全体を締める

、一度お試しください。

ちなみに舌は完全な脱力です。


これで以上なので、今回のオチ。


旧ドラえもん、と発言しましたが、私は平成生まれです。

印象に残っているドラ映画は、のび太の日本誕生、ロボット学校七不思議、怪盗ドラパン謎の挑戦状です。

平成生まれです。

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