【就活体験記】「やりたいこと」が見つからなくても内定は取れる~総合商社に入るまでの道~
6月に面接を控えている中、これだけ活動ができないと就活生は不安になるだろう。
自分が就活生であれば、絶対焦っているはず。
今回は、就活生にとって少しでも参考になるよう、総合商社から内定をもらった僕の就活について書きたい。
尚、ベンチャーや外資を狙っている方には、あまり参考にならないかもしれないので、ご容赦ください。
※会社の決まりにより、TwitterなどのDMからOB訪問は受けることはできません。ご了承ください。
体育会に入っていれば「”コネ”でどこかに行ける」と本気で思っていた
就活を始めたのは2013年12月。僕の代まで、経団連加盟企業の面接開始は4月だった。
(翌年は8月開始、翌々年から6月開始になった)
もうこの時点で、面接まで4ヵ月。
幸いにも慶應ソッカー部には、「就活キックオフミーティング」と題して、一つ上の先輩方が就活について説明してくれる機会がある。
僕はこのミーティングに”手ぶら”で参加していた。
何故か?
「自分は体育会に入ってるんだし、先輩方みたいにコネ使えば余裕でどこか入れるっしょ。」
本気でこう思っていた。
しかし、先輩たちの話を聞けば聞くほど、焦りが出始めた。
「これはどうやら、"コネ"という概念はなさそうだぞ。。」
「やばい、俺は遅れてる。。。(汗)」
自分の遅れに気が付いたその日、僕は漸く日吉駅の東急へスケジュール帳を買いに行ったのだった。
やったことは3つ。SPIの勉強、自己分析、OB訪問
先輩方のアドバイスを受け、見よう見まねで始めた就職活動。
先ず始めたのはSPI(テストセンター)の勉強。
先輩に勧められ、「青い本」を買った。
(確かこれだった気がする。。)
ソッカー部では何故か、みんなこの本を買って勉強していた記憶がある。
始めたとは言いつつ、「理工学部だから数学は大丈夫」と根拠のない自信を持ち、正直あまり勉強はしていなかった。
加えて、商社で働く先輩からは「英語は絶対にやっておいた方が良い」とアドバイスを受けていたにも関わらず、「何とかなるっしょ。」とこれまた謎の自信があって殆ど勉強しなかった。
結果、勉強はこの本を1周しただけ。他は何も勉強していないのに、何故か変な自信だけはあった。
後々痛い目に合うことになるとも知らずに。。
次に始めたのは自己分析。
先輩からは「とにかく「何故?」を繰り返せ」とアドバイスを受けた為、忠実に実行した。
UFJの説明会でもらったノートに、「自分は何故慶應大学を選んだのか?⇒○○だから⇒何故○○と考えたのか?」といった具合に。
確かに、「何故?」を繰り返すことで、過去の経験を振り返ったり、自分の根底にある考え方を可視化することは出来る。
しかし、何度も「何故?」を繰り返しているうちに「○○ってことにしておけば面接で話しやすいかな?」「○○って回答したら高評価もらえるかな?」などと考えてしまい、次第に面接の模範回答を作るようになっていた。
そしてもう一つ、自己分析が思うように進まないことには大きな理由があった。
それは、「大学時代に頑張った記憶がない」からだ。
試合にも出場できず、役職にも付いていなかった僕には、話すエピソードが殆どなかった。
大学時代に如何に頑張れなかったかは、以下noteを読んでもらいたい。
話す内容がなく焦っていた僕は、OB訪問で先輩OBにアドバイスを求めた。先輩方がどのような話をしていたかが気になったからだ。
ここからはOB訪問の話にも触れる。
1月中旬からは、自己分析とOB訪問を繰り返す日々。
OB訪問も行ける日は毎日行くようにした。
就活が終わる迄に、商社20人強(5大商社に4~5人/社ずつのイメージ)、メガバンク合計10人弱、その他、不動産やメーカー、広告など、合計40~50人前後の先輩OBとお会いさせて頂いた。
話を戻すと、自己分析に行き詰まり、苦し紛れにES(エントリーシート)も書こうとしていた時、三菱商事に勤めるとある先輩にOB訪問をさせてもらった。
そして、その先輩から「別に大学時代のことだけを考えなくてもいいんじゃない?」とアドバイスを受けたことが、大きな分岐点となった。
ここで漸く気が付いた。
「自分が何者かである」ことを説明するためには、大学時代のエピソードだけじゃなくてもいいのだと。
この日を境に、自己分析の範囲を大学時代のことだけでなく、幼少期・小学生・中学生・高校生と広げ、徹底的に「自分とは何者か?」を探しに行った。
すると、中学生時代の経験から、自分がどんな人間なのかがくっきりと見えてきた。
自分の強みができた経緯は以下noteを見て頂くとして、面接が開始する迄には「先ずは何でもやってみる」ことが自分の強みだと明確になっていた。
やりたいことが見つからない
必死に自己分析とOB訪問を繰り返すことで、「自分が何者であるか?」ということは説明できるようになった。
しかし、肝心な「やりたいこと」が全く見つからない。説明会やOB訪問には何度も行ったが、正直どの業種もピンとこない。
商社:う~ん、何やってるかいまいち分からない。
銀行:かたそうで自分には合わないだろうな。
不動産:ビル立てることにはあんまり興味ないしな。
メーカー:商品売ることに興味ないしな。
正直、本当にこんな調子だった。
それを裏付けることに、ESは25社近く出している。それ程、業界も企業も絞れていなかったということだ。(ES出した企業とその結果は後述)
従って、必然的に「何をしたいか?」ではなく、「誰と働きたいか?」という軸で企業を見るようになっていた。
(必死になってOB訪問をしていた理由は、これも大きな理由の一つ)
そして一つ付け加えると、2月後半から3月にかけては、OB訪問に行っては「面接の練習をさせてください」と頼み込んでいた。
今思えば、周りがランチをしている中(OB訪問は通常ランチの時間にお邪魔をし、食事をしながらお話することが多い)、お構いなしに大きな声で答えていた為非常に恥ずかしいが、それ程必死だったということだ。
しかし間違いなく言えることは、ここでの経験が場慣れと頭の整理に繋がり、本番では殆ど緊張なく臨めたということだ。
そして3月下旬。
面接開始が差し迫る中、散々OB訪問をさせて頂いた結果、志望先として出した結論は以下の通りになった。
第一志望:丸紅
第二志望:三菱商事
第三志望:住友商事
第四志望:三井不動産
第五志望:三菱UFJ銀行
ご覧の通り、自ずと業界は商社に固まった。
商社に行けば、「多くの部門があり、やってるうちに好きなことが見つかるのではないか」と考えたことも高い志望度に繋がった。
そして何よりも、OB訪問させてもらった先輩方が純粋にカッコよく、「この人たちみたいになりたい」と思えたからだ。本当にそれだけだ。
いよいよ面接が始まる
こんなことをしている内に、あっという間に4月1日を迎えることになった。しかし、この時点で一つ事件が起きていた。
第一志望である丸紅のSPIに通過しなかったのである。ここで殆ど勉強していなかったツケが回ってきた。
丸紅に加え、三井物産と伊藤忠商事もSPIで落ちた。よって4月1日の時点で、商社は半分諦めかけて頭を抱えた。しかし、ある意味吹っ切れた。
「好きなことを喋り倒して、評価してもらえたところに行こう!落とされたらそれは、縁がなかったということだ。」と。結果的には、これが良かったのかもしれない。
ESは25社も出していたことで、4月1日の時点で候補企業は15社弱あったように記憶している(多すぎる。。)。
面接では、自分の強みは「先ずは何でもやってみる」こと、その根源となるエピソードは中学時代の原体験から来ていること、やりたいことが見つからなかったことで「誰と働きたいか」という軸で志望度を決めたことなどなど、全てそのまま話した。
勿論、「やりたいことはない」と伝えたせいか、即効落とされた企業も幾つかある。しかし、ありのままを評価してくれた企業もあった。
その一つが、自分の今勤める「住友商事」だ。
住友商事の面接では、一番変な質問が多かった記憶がある。
例えば、
「自分を漢字一文字で例えたら?」
「アベノミクスに採点をするとしたら何点?その理由は?」
「あなたが社長だったら、あなた自身にいくらの給料を支払う?」
今では懐かしいが、当時は必死に食らい付いて答えていった。
内定は忘れもしない「4月7日」。
①4月1日 ②4月2日 ③4月3日 ④4月5日 と全4回の面接を行った。
住友商事人事部からの内定の電話を切った瞬間に、半分涙目の親父から「おめでとう。」と言われ、硬い握手をしたことが今でも忘れられない。
(大学時代は親父と2人で住んでいたため)
こうして僕の就活は幕を閉じた。
僕の経験から就活生にアドバイスを送るとしたら、以下3点になるだろう。
① 勉強は自信が付くまでしておけ
② 過去の実体験から「自分は何者か」を徹底的に探れ
③ 面接前に何度も話す練習をしろ
就職活動の結果
業界・企業共に絞り切れていなかった僕の成績がどれだけ参考になるか分からないが、ESを出した企業とその結果を記しておく。
このように振り返ると、結構な数ES出した割に落ちた数も多いが、何も後悔はしていない。
【商社】8社
・住友商事:内定
・三菱商事:二次面接落ち
・三井物産:SPI落ち
・伊藤忠商事:SPI落ち
・丸紅:SPI落ち
・豊田通商:SPI落ち
・双日:一次面接落ち
・伊藤忠丸紅鉄鋼:内定(住商と被った為お断り)
【銀行】3行
・三菱UFJ:住商から内定出た為お断り(五次か六次あたり)
・SMBC:リクルーター面談落ち
・みずほ:内定出そうになった為、第一志望でない旨伝えて落ち
【不動産】2社
・三井不動産:二次面接落ち
・三菱地所:一次面接(グループワーク)落ち
【メーカー】6社
・富士フイルム:一次面接と住商面接が重なってお断り
・パナソニック:住商から内定出た為お断り(三次面接)
・三菱電機:二次面接落ち
・日立:ES落ち
・旭化成:ES落ち
・サントリー:ES落ち
【保険】2社
・三井住友海上:二次面接落ち
・東京海上:ES落ち
【航空】2社
・JAL(パイロット):三次面接落ち
・ANA(パイロット):一次面接落ち
・JAL(総合職):二次面接落ち
【テレビ】3社
・日テレ:四次面接落ち
・テレ朝:一次面接落ち
・TBS:ES落ち
今の就活生も残り1〜2ヶ月が山場。
自信を持って後悔ないよう、頑張ってもらいたい!!
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