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週刊審判ダイジェスト 第7号(2024年6月3日)


今週のプレイ

捕手からの一塁牽制

映像の一塁塁審は捕手からの牽制をパーフェクトな位置で見ています(画像↓)。

選手(一塁手もしくは走者)をボールと自分の間に挟まない位置まで動いています。ここで、

「プレイを止まって見るのが基本ではないのですか?」

という声が聞こえてきそうです。私はタッグプレイ、特に捕手からの一塁牽制に関しては時間に余裕がないため、止まることよりもタッグが見える位置まで動くことを優先すべきだと考えます。

簡単そうに見えますが、

  1. 投手からの牽制に備える

  2. 打球もしくはハーフスイングに備える

  3. 捕手からの牽制に備える

という多くの仕事を順番にこなしつつ、捕手の一瞬の動きを読んでファウル地域一・二塁間延長線上のこの位置に入ります。

意識が早すぎるとフェア・ファウルの打球に対応できなくなったり、内野ゴロの準備に遅れを取ったり、ヒットならフォーメーションに支障をきたしたりするので、絶妙なタイミングで一つずつタスクをこなしていかなければなりません。

ちなみにこの映像の一塁塁審は投手からの牽制では少しでもいい位置をとる意識から、ファウルラインから一歩分離れた位置にスタートポジションをとっています(画像↓)。

一歩分の隙間が確認できます

この位置から投手からの牽制がないとわかると、今度は打球(フェア・ファウル)に備えて↑の画像で開けておいた分をファウルラインに一歩寄ることでラインキープしています(画像↓)。

捕手からの牽制はこの位置からさらに何歩か素早く動いてプレイを見に行っていたということになります。1試合に数回あるかどうかのプレイのために走者一塁の際は毎球ごとにこの動きを欠かさない徹底ぶりから正しい判定へのこだわりが見て取れます。

投手からの牽制

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