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Agile Japan 2020の5つのキーワード

私は今年初参加でした。セッションはどれも濃密で、聞いてノート取ってるだけなのにヘトヘトです。2日間で17セッションかな。まず実行委員と登壇者の皆様お疲れさまでした。楽しかったです。今回色々な事例のセッションがありましたが、全体を通して感じた5つのキーワードを上げてみました。

・DX over コロナ
・プロダクト思考
・価値
・共創と内製化
・愛

DX over コロナ

新型コロナウイルスの登場で我々の働き方はNew Normalへと移行しつつありますが、今の状況はDXは実現可能かどうかの試金石であり、日本企業も必要になれば変われるというポジティブな結果を残しました。逆に、今の状況でも従来型の働き方に囚われていたら、次に何があったら変われるのか、2025年の崖が見えてきている中で真剣に考えるべきフェーズに来ていると思っています。

今回は基調講演で経済産業省の和泉さんが国のDX推進について語ってくださいました。DXの現状が共有される中で日本のIT産業の成長率が著しく悪いというショッキングな情報もある中、DXに成功した事例もいくつか共有されました。国が緊急事態宣言を発令すると各企業が呼応したように、各企業のトップがDXを社内に向けて発令し行動を起こしていくことが求められているのではないかとも思いました。それが日本のDXのあり方かもしれません。企業リーダーの資質が問われるタイミングに感じます。

プロダクト思考

プロジェクトからプロダクトへの思考のシフトの流れを感じました。プロダクトを小さく作ってそれを成長させていく。本当に管理すべきはユーザーから直接見えるプロダクトであり、プロジェクトをいかにうまく管理してもそれはユーザーの満足度には大きく影響しないというところです。

注意すべきは、「プロジェクトマネジメントの考え方がもう不要」と言っているわけではない点です。結局は、会社でやる事業である以上、予算や人の管理などは発生するのでそこはプロジェクトマネジメントの知識を活かすべきです。プロダクトマネジメントもプロジェクトマネジメントもそれぞれ両利きできる人材は今後重宝されていくことでしょう。

価値

そして、プロダクト思考で重要視されるのは「価値」です。プロダクトそのものの価値ではなく、プロダクトを通してユーザーが得られる価値こそが、ユーザーが対価を払うものという考え方です。まさしく昨日のプロダクトマネジメントでまとめたビルドトラップの話ですよね。

また、エンジニアの価値についても2日目の基調講演でも触れられていました。経営やビジネスに対して価値のあるエンジニアとは何なのでしょうか。最近は経営やビジネスに占めるITの比重が重くなったり直結したりしてきています。今までエンジニアは特殊人材で、ビジネスとは分断されていましたがこれからはそこも統合されていくでしょう。そんな中で、エンジニアがやっていくべきことは、自分ができることの価値を示していくことです。プロダクトと同じで、「色々できるからそれに対する対価をください」と自分の機能を売りにするのではなく、「こういった価値をこれだけ生んだのでそれに対する対価をください」というマインドが必要になってくるでしょう。

共創と内製化

過去のイベント参加したことないので今までどうか知らないのですが、ITベンダーとユーザー企業が共同で事例の発表をしているセッションが多くて印象的でした。特にESMさんとASYさんは非常に楽しそうに発表をされていて、共創・協働の理想的な姿だなと見ていて感じました。

全体的にユーザー企業による内製化は進んでいると思います。自分たちだけでアジャイル開発を自走できるようにする動きは如実に見て取れました。そんな中で私の様なSIerのエンジニアはどういった役割を果たしていくべきなのか悩むこともあります。その答えの1つが共創です。ユーザー企業はやはり業務のプロフェッショナルであり、業務遂行のためにリソースを割かざるを得ない側面はあると思います。であれば私たちSIerはそれに寄り添う形で自分たちのアジャイルやDevSecOpsといった技術やスキルを提供し、また、自社員とユーザー企業の社員でともに成長していくのが理想的な姿に見えました。

あとは愛です。私は世界が愛で回れば平和になると考えているラブ&ピース脳なんですが、最近アジャイルにも愛が求められていると感じています。共創もお互いに尊敬(愛)がなければうまくいきません。プロダクト思考も結局その先にいるユーザーをいかに想えるかなのです。そしてユーザーがプロダクトを愛せば正しいフィードバックが帰ってくる。あ、愛って一方通行のままじゃぁダメなんだな、ってのも一つの気づきでした。

Agile Japan閉会後に懇親会がありまして、スポンサー枠で時間を頂けた時にサービスの紹介以外に「次回は登壇できるような事例を作りたい」と意気揚々と述べました。そんな事例が作れるかは愛にかかってると思います。

最後は初代Agile Japan実行委員長であり日本のアジャイルマスターである平鍋さんにも届き、リツイートして頂けた渾身のツイートで締めさせていただきます。



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