水面に浮かぶ琵琶湖の美術館
昨日から仕事で滋賀に来ている。琵琶湖をのぞむ温泉街だ。滋賀といえば、やっぱり琵琶湖で、どうしても水の印象が強い。そんな滋賀にぴったりだと感じたのがこの佐川美術館だった。
琵琶湖のすぐ近く、1998年に佐川急便創立40周年を記念して開館した美術館で、日本画家・平山郁夫などの日本美術をメーンに扱う。美術館の敷地のほとんどが水庭になっていて、まさに水に浮かぶ美術館。
しかも、この美術館には巨大な地下展示室がある。こうして水の中に潜っていく感覚が面白い、とてもいい建築だと思う。ネットで検索をすると「佐川美術館 安藤忠雄」という予測変換が出てくるが、ここは竹中工務店による設計。たしかに安藤忠雄の地中博物館みたいだけれど。
地下に潜ったら潜ったで、上に流れる水面を通して日光が差し込むなんとも幻想的な空間がある。この空間を抜けた奥に展示室があって、そこはそこで真っ暗。目を凝らさないと展示が見えないくらいの光量なのだが、もしかしたらその暗さに目を慣らすための休憩室的な役割があるのかもしれない。
この空間は時間や日光の具合によって見え方が本当に異なる。椅子が置いてあるので、美術作品はないけれど、ここに座ってずっとながめていられる。もしかしたらこの建物と日光自体が作品なのかもしれない。