デジタル民主主義推進のため、安野たかひろ陣営が都知事選で開発したソースコード等を公開しました
2024年7月7日に行われた東京都知事選挙において、私、安野貴博の陣営では3つのプログラムを開発していました。こういった資産をデジタル公共財としてオープンにしていくことがデジタル民主主義の発展に望ましいと考え、出馬表明会見にて当初から宣言していた通り、これらをGitHubにて公開いたします。
公開するのは1)有権者からの質問に24時間回答し続けるAI安野、2)GitHubでマニフェストの磨きこみの議論を行うためのリポジトリ、3)掲示板にポスターを貼るためのポスターマップシステムの3点です。また、4)AI Objectives Instituteが開発しているTalk to the Cityと呼ばれるブロードリスニングツールの活用ノウハウもまとめております。
政治家の皆様方におかれましては、今後近いうちに行われるであろう衆院選や、地方自治体の選挙などにおいて、是非このような取り組みを参考にしていただければと考えております。また、こういった取り組みは選挙のみならず行政や地方自治体などでも有用になると考えており、政治家以外の方の活用も歓迎です。
1)有権者からの質問に24時間回答し続けるAIあんの
AIあんのは、安野たかひろの政策を学習したAI応答システムが、本人のアバターと声色によって、Youtube Liveと電話という2つの経路で、みなさまのご意見やご質問に回答するシステムです。選挙期間中に合計8,600回の質問に回答し、候補者と有権者の間でより細やかなコミュニケーションを生むことができていました。公開したコードを元に、独自の内容を解説するAIアバターの制作が可能です。
GitHubリポジトリ
https://github.com/takahiroanno2024/anno-ai-avatar
デモ動画
解説動画
解説記事
AIによるマニフェストへの質疑応答システム「AIあんの」の裏側を公開します!
AIあんのにおける返答生成技術について(詳細編)
2)GitHubで議論を行うためのマニフェスト用リポジトリ
政策・マニフェストを公開し、AIによる自動モデレーション機能を活用しながら、変更提案をオープンに募る「オープンソース政策開発」を実現するためのリポジトリです。また、変更提案を取り込むことを決定すると、即座に自動でウェブサイトにも変更が反映されるようになっています。マニフェストのバージョンアップを選挙期間中に85回実施できたのは、この仕組みによるものでした。本リポジトリのテンプレートを参照しながら、ユーザー自身のマニフェストを改善させるためのフォーラムを構築することが可能です。
https://github.com/takahiroanno2024/policy-repository/
解説動画
解説記事
マニフェストの高速なアップデートを支える政策オープンソースプロジェクト(GitHub)の概要
選挙でGitHubを使うことに意味はあったのか?――GitHubを用いた政策リポジトリの公開について振り返る
スケールする組織を支えるドキュメンテーションの技術を”GitLab Handbook”から学ぶ
3)掲示板にポスターを貼るためのポスターマップシステム
選挙ポスターマップとは、選挙の際にポスターを貼るべき看板の位置を登録し、自陣営のポスター貼付け状況を管理できるシステムです。選挙掲示板の位置情報にポスターの貼り付け状態を視覚的に重ね合わせたデジタル地図で貼り付け状態をリアルタイムに把握できます。都知事選において政党組織もなく、代行業者も使わなかった安野陣営が14000枚のポスターを貼り切ることができたのは、こういったシステムによってボランティアの皆様方のサポートを頂くことができたからだと考えております。
GitHubリンク
https://github.com/takahiroanno2024/poster-map/
今後配信予定の動画
解説記事
4)ブロードリスニングツール Talk to the cityの活用ノウハウ
Talk to the CityはアメリカのNPO法人AI Objectives Instituteが提供しているオープンソースソフトウェアです。大規模言語モデルを使ってテキストデータを分析することで、集団的な議論と意思決定を改善するためのツールです。安野陣営ではX、YouTubeに集まったコメントを本ソフトウェアで解析し、クラスターに整理することで議論の全体像を掴む、ということをしていました。ただし、このソフトウェアは暗黙に英語を前提としている節があり、今回日本で実行された日本語データを解析するにあたって、少し手を入れた部分があります。こちらについても下記の西尾さんのnoteにて公開しております。
東京都知事選2024におけるTalk to the Cityの活用ノウハウ
ここがすごいよTTTC
西尾さんと安野による解説動画
参考:Talk to the City公式サイト (AI Objectives Institute)
公開にあたって
これらのツールはまだまだ発展途上ではあるものの、選挙戦においてはいずれも有用なツールでした。安野陣営で独占するのではなく、ソースコードを公開することで、有権者と政治家の双方向のコミュニケーションの実現を助けられるのではないかと考えています。是非、今後選挙に立候補する方々においては、我々の作ったソースコードを用いて自身の選挙戦に役立てていただければと思います。
都知事選後、政治家がAIを使いながら有権者との双方向のコミュニケーションを強化することは急速に当たり前になりつつあるように感じます。国民民主党代表、玉木雄一郎氏は「AIゆういちろう」を7月に、立憲民主党の泉健太氏も「泉健太AI」を9月にそれぞれリリースしています。
また、今回の都知事選で安野が掲げていた『デジタル民主主義』についても、9/28にアップロードされたAbema Primeの動画によると、石破茂新総裁は「やるべき」だと語っています。
また、維新の会の藤田幹事長も「民意をAIを使って収集・精査し、新しいアイデアを集約していく取り組みは新しい民主主義のあり方として可能性はある」と語っています。
今回ご紹介したTalk to the cityやマニフェスト用リポジトリのような仕組みは、上記のような構想に対し貢献可能だと考えています。
また、国民民主党の森ようすけさんは安野陣営と同様に100ページを超えるスライドの政策パッケージを公開しています。ご本人もXで投稿されているように、こちらは都知事選での安野陣営の取組に共感いただいたことがきっかけのようです。
安野のマニフェストデックのデザイン・データは安野たかひろマニフェストからの引用と表記いただければ自由に使っていただいて構いません。こういった流れも是非加速できればと考えております。
ポスターマップのようなソフトウェアがあれば、政治的基盤がない私のような候補であっても、より得票が可能になります。政治の世界の外にいた新しい人材が入ってくることは、二世三世比率の高い政治業界の新陳代謝が促進されることに繋がり、有意義だと考えています。
一人ひとりの候補者や、一つ一つの自治体がこういった仕組みの改善を志向し、実験し、実践してゆくことにより、民主主義システムもアップデートされてゆくと考えています。引き続き、私自身もデジタル民主主義のために出来ることを考えていきたいと思います。
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