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「訊くが、きみにとって警察学校とはどんなところだ」

■感想文『教場』/著者・長岡弘樹さん


警察学校を舞台にしたミステリー。生徒同士の確執や、生徒と教官のやりとりが、ミステリーに仕上がっています。本書はなんといっても、風間教官でしょう。警察学校の風間教官とその新入生たちのやりとりが見どころの1つです。緊張感たっぷりで、ハラハラするというか。凄惨な現場や取るに足らない派出所の騒動など、千差万別な事件を経験してきた風間教官は、その経験と同じくらい、警察学校でさまざまな新入生や卒業生を目にしてきたのでしょう。そうした風間教官の、これまでの警察官人生に思いをめぐらせたくなる、魅力的なキャラクターです。また、ミステリーとしての要素も十分なので、事件や騒動の顛末も楽しめます。

しいて読む前の注意点を挙げてると、本書は場面転換が頻繁なので、短編のような印象を持つ人がいるかもしれません。短編が得意ではない、嫌いだ、そうした人へは、立ち読みをすすめさせてください。本の中の舞台は、通して警察学校であり、主人公(というか視点というか目線というか)はその学校の生徒という意味で、一貫してはいます。ただし、本書のなかでの物語や事件は、いくつかあるのでご注意ください。本の閉じかた、物語りの終わりかたは個人的に好きですが、読後感がやや物足りないです。なので、読書の箸休めのような感じの一冊という位置づけで、オススメです。


おまけ

教場

2020年の年明けに木村拓哉さん主演で、フジテレビ開局60周年特別企画として本書をドラマ化するみたいですね。非常に特徴ある風間教官がこのドラマでどう表現されるのかは、ちょっと気になります。その伏線とも思える ↑ のポスターのつくりがまた、期待感をあおります。本書の読者に、

木村さんがどんな風間教官を演じるのか、ちょっと楽しみ。ドラマを見てみようかな

そう思わせるポスターです。あと、まったくの余談ですが、このポスターを見るまで、本書をずっと『きょうば』だと勘違いしていました(笑)。ただしくは『きょうじょう』なのですね。勉強になりました。

最後に一応、フジテレビさんのURLもはっておきます。1/4(土)、1/5(日)の2夜連続放送だそう。あまり予備知識を入れずにドラマをみたほうが楽しめるかと思います。おそらく。というか、それは本書を読むうえでも同じですが、放送時間などを確認したい人は以下をご参考までに。



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