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3Dプリンターを1ヶ月位経った感想

年末になると、恒例の【今年買った中で良かった物選手権】がブロガー達の間で繰り広げられております。私の場合、間違いなく3Dプリンターがそれに当てはまります。購入したのは11月21日でしたので、まだ一ヶ月程度しか使用していませんが、おそらく今年購入した何よりも素晴らしい物だと実感しています。

ということで今回は、1ヶ月間ほど3Dプリンター生活をしてみた感想を書いておこうと思います。

尚、最初に導入した際はこんな事を書いていたので参考にして下さい。


導入言い訳編

既に前回の記事で書いていますが、私の場合はカメラやレンズといった機材を自作することが多く、それで作品を作ったり遊んでたりします。

カメラ用品は光学と密接に関係しているため、非常に高精細な作り込みがなされています。今まで私は、木やアルミの板や箱を曲げたり加工したりして作成していたのですが、如何せん工具もなければ性格も雑なことがあり、とてもじゃないですが精度よく作ることはできませんでした。

精度よく作るにはCADと思っていたのですが、私は設計について殆ど経験がありません(10年程前、大学の授業で2D Auto CADをちょっと習ってはいましたが)。
そしてせっかく作ったCADデータも、私の雑な手加工では図面として意味をなしません。業者に任せようにも、設計が失敗していたら…トライ・アンド・エラーの数が膨大になりそうで、金がいくらあっても足りそうにありません。だからといって覚えても使わないだろうし…というループに入ってしまい、なかなか勉強する機会もないまま生きてきた次第です。

↑今も使っている木製カメラは本当なら真鍮で作りたかった。彫刻刀等を使って削った思い出の品…。


ということで最初は金属加工をする前準備として、3Dプリンターでモックを作れば失敗を防げるのではないか、と考えていました。家庭用3Dプリンターは精度は微妙、プラスチックしか造形できないですが、モックレベルなら十分に使えるだろうと。そして実際にモノづくりをしながらであれば、CADを覚える勉強も捗るだろうと考えたのです。

そんなこんなで色々調べていると、現在の3Dプリンターは非常に高精度な造形が可能であり、かつ安価になっていました。そしてよく考えると、私のようなホビーユースでは、金属で作るよりもプラスチックで最終型を作り上げたほうが色々安価に済むことに気づいたのです。これは購入するしかない。ということで、3DプリンターとFusion360を導入したのでした。


QIDI X-Smartについて

私が購入した3DプリンターはQIDI社のX-Smartと呼ばれる機種です。

購入したきっかけは、10万円以下でABS/PLAの材質が両方使えて、ステージが大きくて、かつ筐体に覆われていること。そしてAmazonをはじめ評価が高いことが理由でした。

あとはこちらのnoteも非常に参考になりました。

特にこちらでX-Smartについて書かれていますが、特にLANでデータ転送が出来るのはマジで便利です。パソコンからデータを転送する時に、わざわざUSB等で持っていく必要がないのは簡単。他の項目も概ね同意できるものばかりなので、是非読んでみて下さい。


作った物

まずは、ここ一ヶ月で作り上げたものたちを先に紹介します。

①100均レンズ

詳細は↑のリンクへ。


②ブローニーポジフィルム用ケース

ブローニーフィルムを直接展示できるようにするためのケースです。ポジフィルムは直接見たほうが綺麗なので、こういうフィルムケースがあると嬉しいなと思って作成しました。


③35mmポジフィルムライト

ブローニーケースの応用ですがこちらは柱状にして中にライトを入れることでインテリアみたいに出来ないかチャレンジしてみた物。問題は35mmのポジフィルムを殆ど使ったことがないということですな。ブローニーのケースもそうだけど、展示物として使えないか色々模索中です。


④チェキレンズマウントアダプター

FUJINON 60mm f/12.7。通称チェキレンズ。これをSONY Eマウントに着用できるようにしたのがコレ。使い所はたぶんないけど、ネタには有りだと思います。誰か買って下さいw


⑤ターレット式マウントアダプター

つい先日作ったもの。今まで様々なマウントアダプターを作ってきましたが、こういうのが出来るのが3Dプリンターとモデリングソフト(3D CADといっていいのかな?)のおかげだと思っています。現在色々改良中。


⑥電池ケース

こっからはカメラ用品とは直接関係ない物。1つ目は電池ケース。別に電池ケースぐらいどこでも売ってるでしょ?と思う方もいらっしゃると思いますが、例えばこの電池は3.7Vの電池でして、一般的な電池ではないのです。これを収納できるケースを作りました。


⑦自転車用ライトを付ける治具

自転車用のライトは、専門の物ではなく一般的なLEDライトを使用していましたが、固定できないため今までは針金で無理矢理つけておりました。それをはめ込むことができるような治具を作成。スッキリ。というか元が酷い。


他にも仕事用品を色々作りましたが、公開できないのが残念…。


使いだしてからの感想

大きく3つ。

①思った以上に精度良くできる=現物合わせが簡単

精度良くできるのは既に知っていたところだったのですが、思った以上に精度が出ます。もっとヘボいと思ってました。

そして精度が出る、という事は再現性が高い状態で何度も作ることができるということです。私は今まで現物合わせで色々な物を作ってきたこともあり、ズレに対して何ミリ移動するとか、追加で穴を開けようとか、そんなことを繰り返してモノづくりをしてきました。それが3Dプリンターだと、CADを少しイジればすぐに修正可能です。神か。

とはいえやはりプロセス条件の選定が大変です。特にフィラメント温度、プレート温度、外気温度、そして形状。精度良く作るための設計も大事ですね。このあたりは経験だと思うので、失敗しつつ勉強していきます。

↑こんな感じで、必要に応じて少しずつ形状を変えていくのも容易。


②自分が居ない間にモノづくりができる

今まで手作業だと休みの日に気合を入れてドリルで穴あけ等の加工をしていましたが、これが寝ている間や仕事の間にこなしてくれます。つまり休みを有効活用できます。今までモノづくりしているせいで、肝心の写真が撮れない現象がありましたが、それに対してのソリューションとなっております。

あと金属加工は時間がかかる上に、ミスをすると再び金属板を購入しないといけないのでその時間もかかります。そういった様々な無駄がなくなりました。

逆にその分CAD作成に時間がかかるのですが、会社帰宅後の1時間程度の時間を有効活用できるようになっており、今までより生産性は増しています。

ただしやはり五月蝿いし、特にABS出力時は悪臭が酷いです。私の部屋は、ついに台所を一部潰すことで局所排気をとることにしました(笑)

↑キッチンの下。銀色のダクトが換気扇につないであります


③3D CADは思った以上に簡単

これは私の使ってる用途だけでいえば簡単ということなのかもしれませんがw 簡単なモノづくりだと、○や□を書いて、それをカーソルで引っ張ったら完成できます。殆ど難しい作業抜きに作成できるので、たぶんCADに触れたことがない人でも簡単にモデリング(設計)が可能です。

↑触りだして一ヶ月の成果。殆ど◯を書いて加工していることが分かります


おわりに

一人一台あると便利!!といえる物ではな決してないのですが、モノづくりをしている人にとっては神がかって便利なアイテムだと実感しております。

私の場合機材作成ですが、例えば創作系の写真で小道具を作ったり…色々応用ができる道具ですので、写真を撮る際に「あ〜こんな道具があれば良いのにな〜。メーカーさん作ってくれないかな〜。」みたいに妄想する私みたいな人間にとっては非常にオススメです。

まだまだ使い始めですが、今度は半年後等、ある程度時間が経った後のレビューみたいなのを出せれば良いな。私が知る限り、今のところ写真界隈で3Dプリンター持っているのは巨匠からあげさんぐらいだと思っておりまして(最後に背中を押して頂き感謝しております)、もっと写真という分野で自作した何かを作っていく文化が出来ればいいなと思っています。以前も書きましたが、写真は機材がないと撮れませんし、せっかくなら機材にこだわって写真を撮る人も増えてくれると嬉しいなぁと思っております。

そんな人が一人でも増えたらいいなぁという願いも込めて。今日もまた、新しいアイデアを形にするためにモノづくりを頑張ります。

そんなところで。



自作で機材作ったり、展示物のギミック作るとお金かかるんです…。ストレスで甘いもの食べまくるから…。そんなわけで、俺に少しでも甘いもの食べてもらいたいって人はよろしくお願いします!