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むしろ印象を悪くした、ビジネス利用でnote連続更新を突然やめた事業者

ビジネス利用で、noteを毎日連続更新をしていた事業者が、ある日突然、本当にぱったりと更新をやめてしまいました。
HPを見ても、なんの情報更新をしなくなったのですが、パブリックリレーションズ的にはよろしくない行動。むしろ印象を悪くしてしまう行為です。

これを執筆していた会社の代表は、note上でビジネスのつながりが得られるから、と毎日更新することのメリットを語っていたのですが、突然の更新ストップは「なにかあったのかな?」と、毎日の更新を楽しむ読者を心配させてしまいます。また、ビジネスを想定している以上、読者のほとんどは「潜在顧客」とみなさなければならず、やめる以上はクローズの記事を作ったほうがいいのは確かです。次の展開を語るのはビジネスマナーとして適当ではないかと。

毎日の更新に対して反応が悪い、ということに対してどうするか

私も毎日更新してみて思うのですが、苦労に対してレスポンスがいいとはとても思えないのがnoteの環境です。1つ1つの記事がツイッターと同じようにタイムラインに流れていってしまい、過去の記事はほとんど読まれないですし、ハッシュタグ検索でレアなものだと過去のものも目にするかな?、というようなもの。ツイッターの140字の1つぶやきと、1000文字以上の記事1つがほぼ同じ価値ですわ。毎日更新していてビジネスにつながっているかというと、ひとつも引き合いにつながっていませんし。

また、エモい記事のほとんどが初心者マニュアル的なもので、共感で動く層(M3層あたり?)のレベルにフィットした記事でないと、動きが出ないな、というのもnoteを観察していて思うこと。ただ、このレベルの記事執筆は有料レベルであり、著作権の関係からすると、ここで発表するのはリスクで損だな、と思う(ということで、わたしの記事執筆は下書きレベルで「スキ」を押させないコンセプト)。

この事業者は、独自ルートで追跡調査をしたのですが、事業方針ががらっと変わったのがわかりました。FBなどで更新停止後2回くら新しい記事をアップしているのですが、周辺情報を含めると、noteを更新してビジネスパートナーを得る、というものとはまったく違う次元でビジネスが始まったようです。別の見方をすれば、noteでビジネスパートナーを得る、というのは、かなり難しい、という彼の結論を、読者たちはたたきつけられた格好になります。noteはビジネスにつながってない、ということです。

目に見えない層に気配りをするのがパブリックリレーションズの基本。その目を持つ人と組むか組まないかで違う差の典型例

しかし、それでもコミュニケーションとしては「ここは卒業」という記事があってしかるべきでした。どんなに読んでなくても読んでいる人はいたわけです。記事のすべてはなんだかんだでウエブ上に登録されていて、ピンポイントでニーズがマッチした人からの検索が期待できるわけです。更新停止をするならば、過去記事一切を削除しないと、と思います。

どんなにかっこいいことを書いても、たくさんシェアされても、終わりが来る時があり、そのときにどういうことができるか、というのは非常に重要。パブリックリレーションズが一方通行でなく双方向、一発屋でなく継続した評価の連続であるゆえんが、こういうところで如実に出てきますね。その思想を持つ人をパートナーに持っていれば、この人はクローズの記事を書くようすすめられただろうし、書いていたと思います。こういうときPR担は、相当脅します(笑)。

パブリックリレーションズは、ステークホルダーを相手にするというのはウソですよ

ステークホルダーを相手にするのは、CSRのケースくらいで、そのほとんどはすでに現業部門(ライン部門)が直接向き合っています。パブリックリレーションズの目的はAwareness獲得とWin-Win状態の醸成ですから、つきつめるとステークホルダー候補に向けてアプローチするものなのです。

たとえば、投資家向け資料を作るのは、新しく株を買ってもらうためのアプローチです。

noteの無反応層は、このステークホルダー候補にあたるので、PR担がいれば、これをどう利用するか、ということを戦略化できると思います。

わたしがパブリックリレーションズ担当者だったら、、、

◆正直ベースに「成果を得られなかった」と発表しながらの脱退調
読者に率直に毎日更新した感想をぶつけるスタイルです。実態を公表することで読者に残念さを伝える「思いの共有」をもちかける効果があります。「この人はだめだったんだなあ」という反応にしないように文章チェックはしますね。PR戦術は「これがだめならあれを取る」ということが基本なので、このケースでは「興味があったらFBにいいねしてください」と、興味がある層を明確にあぶりだす(=FBいいねは、ちゃんと記録していくと名簿を作れる)手をうちながら、まったく反応がない人たちにはそれなりに足跡を残す、という案を出します。

◆きれいごとを並べて「卒業宣言」
正直ベースとはうってかわって、きれいごとで固めて終わらせる作戦です。いちばん無難ですが、いちばん次の成果を取れない残念な手法。終わらせるのではなく、別の何かにつなげることが見いだせれば、とは思うものの、「卒業宣言」ほど「一度切る」効果は思いのほか大きいので、これはあまりとるべき方策ではない、というのがプロ目線です。

◆更新ペースをのばしながら、ゆるやかにフェードアウト
更新を2日に1回、4日に1回、10日に1回と伸ばしていき、伸ばしていきながらまとめ記事を出すなど総括をしていきます。わかりやすいのが「来月いっぱいでこのお店閉店します宣言」。「これは行っておかなければ」と、最後の荒稼ぎを最大化する情報発信で、終了日を宣言してそれに向かって更新、とかももりあがるかもしれません。
レスポンスを呼び込む記事構成をしてもいいですが、それに対してレスポンスしなければいけないので、よほど時間に余裕がある人でないと、おすすめできない作戦ですが、できればこの作戦が一番あらゆるステークホルダー候補に効くものだと思います。

というようなことを私なら提案してます。

◆ ◆ ◆

pr401.comについて。

PR401は、近代パブリックリレーションズの基礎知識の解説をその知識のないまま仕事をはじめてしまっている広報担当者向けに作ったウエブページ。コミュニケーションを経営に沿って構築するストラテジックコミュニケーションなど、経営者層にも読んでもらいたいトピック満載のページです。

とくに、日本国内の広報担当者がまったくといっていいほど話すことができないパブリックリレーションズの定義解説をしたページです。体系化された本国アメリカではまずこれを学び、諸学に広げていくので、報道対応からたたきあげる日本の従来型とは比較にならない知識と経験を学生のうちに積むことができます。国内担当者もこれに負けない実務実現をするためには、まず定義をしっかり自分のものにしてほしい。そういう背景からどこの自称専門家よりも詳細の解説を作ってみました。

パブリックリレーションズとは(定義解説)全米PR協会が定めた最新のパブリックリレーションズの定義(PRの定義、広報の定義)を解説します。企業は情報発信を担う人材をpr401.com

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