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ゴジラ怪獣ここが好き 昭和メカゴジラ編 その2

ゴジラ怪獣の好きなところを書いていくシリーズ。
前回に続き、今回も昭和メカゴジラの紹介。
劇中での暴れっぷりをお話します。
よろしければご一読ください。

偽ゴジラ現る

様々なお話があるヒーロー物で、やはり定番の展開といえばヒーローとその偽物との対決です。
古くは時代劇の水戸黄門でも、妙に小物臭い偽黄門様が出てくる話は定番ですよね。
いい思いをしている偽物が悪者退治を頼まれて、困っているところに本物がやってくるアレです。

ウルトラマンでも、妙に目の吊り上がった偽ウルトラマンが現れて街を破壊したりする話があります。
ビジュアルからしてどう見ても別人なんですが、なぜか登場人物は誰一人気づきません。
「ウルトラマン…何故…」と迫真の表情で驚くばかりです。
あんたたちは普段目元の角度だけでウルトラマンを認識しているのか、と言いたくなりますが、まあお約束というやつですね。

ゴジラ映画においても、この偽物登場展開エピソードがあります。
それが、前回紹介したメカゴジラが登場する「ゴジラ対メカゴジラ」です。
今回も映画のストーリーに触れつつ、メカゴジラの魅力を書かせていただきます。

この映画では、序盤でゴジラがいきなり登場します。
しかし、どうもこのゴジラ様子がおかしい。
鳴き声がいつもと違いますし、吐く熱線の色も違う。
というか、見た目がそもそもちょっと変です。

偽ゴジラ 予告切り抜き

ゴジラ(東宝特撮)チャンネル「ゴジラ対メカゴジラ 予告編」より
https://www.youtube.com/watch?v=8sb7e0iKqWI&list=RDCMUC5XRZP9kwJ5g0rYqPpBaPrA&index=14

似てない加減がちょうどいい塩梅の彼。
このゴジラ、メカゴジラが化けている偽物なんですね。

そこに、颯爽と登場するアンギラス
劇中でいち早く偽ゴジラの正体に気づく有能ぶりです。
考えてみれば、知人を騙る偽物が目の前にいたら結構怖いと思うのですが、果敢に戦いを挑みます。
ですがこの偽ゴジラ、偽物といえど結構強い。
当時子供の味方キャラだったゴジラにはない、残虐なファイトでアンギラスを蹂躙します。

機械の怪獣らしい無機質な動きで、冷酷にアンギラスの顎を裂き打ちのめす偽ゴジラ。
仲間の怪獣に手をかけたことで、人間たちも偽ゴジラに不信感を抱きます。
まあ、ゴジラシリーズ二作目では、本物のほうのゴジラにもっとむごいやり方できっちりとどめを刺されているんですけど。
この世界の人たちは、「ゴジラの逆襲」を観てない層ばかりなんでしょう。

まだまだ暴れる偽ゴジラは石油コンビナートに出現。
そこに、ついに本物のゴジラが現れます。
水戸黄門でもウルトラマンでも、最高に盛り上がる偽物対本物の対決です。
ゴジラもそのあたりを意識したのか、なぜかわざわざ製氷工場の下から建物を壊して登場。
バッチリ登場演出をかけつつ、二体のゴジラがスクリーンに映る熱いシーンが始まります。

しかし、本当に心が高ぶるシーンはここから。
戦闘のなかで表皮が剥がれる偽ゴジラ。
剥がれた皮膚の下からは、銀色の金属がチラリと見えています。
次の瞬間、青い光に包まれた偽ゴジラは、一気に偽ゴジラの変装を解き、本来の姿を現します。
軽快な音楽をバックに、露わになった姿を足元からパンアップしていくこのシーン、顔がしっかり映るまでタメが効いていて最高です。
ついに真打登場!といった趣がありますね。

ところで、たとえば水戸黄門だったら、正体がバレた偽物は一気に弱くなるものです。
ですが、メカゴジラの場合は全く逆で、正体バレしてからのほうが圧倒的に強くなります。
正体を現した偽黄門様が助さん格さんを一撃で倒してしまうようなもので、わざわざ変装しなくてもそのまま出てくればいいのにと思うくらいです。
メカゴジラの光線とゴジラの熱線、同時に発射されたビームは空中でぶつかり、さながら鍔迫り合いの様相。
ついに爆発が起こりゴジラは転倒、メカゴジラもまたコントロール装置の故障により一旦基地に帰投します。
初戦は痛み分けのかたちとなり、決着は持ち越しとなりました。

メカゴジラ無双

次にメカゴジラが暴れだすのは映画も終盤、舞台を沖縄に移しての最終決戦です。
まずは前哨戦とばかりに、沖縄の守り神・キングシーサーと対決。
キングシーサーはビーム攻撃を目で反射できる能力が特徴の怪獣で、封印から目覚めてすぐにメカゴジラと戦闘に。
しかし、わりと早めに反射できないミサイル攻撃に切り替えられてしまい、見せ場は数分で終了。
同じ映画でデビューした同期の見せ場をきっちり潰していくあたり、さすが徹底的に悪役といった感じですね。

そこに、遅れてゴジラも現れるのですが、ここからしばらくはメカゴジラの独壇場です。
全身から放たれる嵐のようなミサイル、粉塵を切り裂くビーム攻撃。
そんな派手なシーンの合間に、子気味よく挟まれるミサイルを発射する手やビームを発射する顔のアップ。
観ていると、まるでクラブで音楽にノッてトランス状態になっているような、妙な高揚感があるシーンです。
まあ、僕はクラブには怖くて行ったことがないんですけど。

ですが、ゴジラもただやられているわけではありません。
メカゴジラとの再戦にむけて、嵐の夜に雷を浴び続けるという少年漫画的修行を敢行したゴジラ。
その結果、身体に電力を宿した生ける電磁石となったゴジラは、ぐっと力をこめるだけでメカゴジラを引き寄せられるようになりました。
「生き物が雷を浴びたくらいで磁石にはならないだろ!」とか、「磁力を意識的に操っているのはおかしい!」と思うでしょうが、ゴジラだからいいのです。
この先のシリーズで溶岩の中を泳いだり、過去改編で存在を消されそうになっても復活するのに比べたら、これくらいどうということはありません。

ゴジラに捕らえられたメカゴジラは首をねじ切られ、爆発四散。
沖縄の海に破片を散らし敗北しました。

以上が、「ゴジラ対メカゴジラ」におけるメカゴジラの活躍でした。
徹底した悪役ぶりと圧倒的な火力という、キャラ付けも兵器としての性能も極端に振り切れた魅力的な怪獣です。
当時もやっぱり人気がすごかったようで、すぐさま続編「メカゴジラの逆襲」が作られました。
次回の記事では、復活した昭和メカゴジラ、「メカゴジラ2」について書いていきます。


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