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読書32 『手のひらの音符』

『手のひらの音符』藤岡陽子

 競輪場の裏にある団地に、水樹は両親と兄の透と四人暮らしだった。父は、自分の空いた時間に競輪場に立ち寄り、母は食品会社の加工工場でパート勤めをしていた。

 同じ歳の信也とは、信也が同じ団地に越して来た三歳の時からのつきあいである。信也には透と同じ歳の兄、正浩と、三歳下の弟の悠人がいた。父が長く入院しているので、手一杯だった母の代わりに水樹の母が兄弟の世話を引き受けた。

 悠人は少し変わった子どもで、ひとの言うことを全く受けつけないところや強すぎるこだわりを持っていた。ひとりで飛び出しては、正浩、信也と水樹で探しまわることもたびたびあった。

 信也の父が亡くなり、小学校になった悠人へのいじめがあった。兄たちはずっと悠人に寄り添い、水樹も一緒に大きくなった。

 水樹は高校生の時にクラスの一人の女の子を無視するように言わるものの、従わなかった理由で嫌がらせを受けていた。体育祭で、無理矢理その女の子と水樹がリレーの出場を決められてしまう。
 父が家を出て女のひとのところに行ってしまい、母の負担を考えて卒業後は就職つもりでいた水樹だったが・・・。
***
「折れることなく生きてきた自信が満ちている。小さな子供が、長い時間をかけて強い大人になったのだと」

 この言葉で、もう号泣です😭
つらい苦しい場面がたくさんあります。でも、お互いに助けられておとなになった時には、たくさんの経験を無駄にしない、本当にやりたいことを見つけて、それに向かうことができていました。

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