PENTAX SP レストア 1 ジャンク品購入
フィルムカメラやオールドレンズのレストアに挑戦しようと思いますが、第1回目はウンチクだけで終わりそうです。
昨今はデジカメやスマホに押されフィルムカメラを使う人がめっきり減りました。
写真フィルムも高くなり1本3千円とか平気でしますので現像代やプリント代を含めますと何本か撮影するお金で安いコンデジが買えてしまうくらいです。
しかしフィルムでなければ味わえない写真の良さがあるようで、今も昔のフィルムカメラを使っている方は結構おられます。
あと骨董品やインテリアとして購入する方もおられますので、中古フィルムカメラは今でもヤフオクなどで活発に取引されています。
私の思い出のカメラ
私が若いころはフィルムカメラしかありませんでしたので当然そんな呼び方はしていませんでした。
高校時代は当時大人気のCanon AE-1を祖母に買ってもらって写真部の暗室でモノクロ写真の現像やプリントを楽しみました。
フィルム感度を示すISO(当時はASA)はせいぜい400で、一度フィルムを詰めると原則24枚か36枚撮り終わるまで交換はできませんでした。
現代のように途中でフィルム感度を変えたりカラーからモノクロにしたりとかは絶対に無理でしたし、
もちろん撮った画像を背面の液晶モニターでリアルタイムに確認することはできず、プリントするまでちゃんと写っているか分からず不安でしたが、それはそれで楽しみでもありました。
今はデジタルですのでISOを100~10000で都度変えたり 、撮影枚数はほぼ無制限でランニングコストは僅かな電気代だけです。
あの頃と比べれば格段に便利になり私はもうフィルムには戻れません。
戻れませんが、やっぱりあの頃の一眼レフは小さく軽くカッコ良かったです。
特に日本製一眼レフが世界中で大人気となった1960年代の製品が私には魅力的に映りますね。
昔はカメラと言えばライカ
この世代より前はドイツ製のローライの二眼レフやライカの小型カメラが人気で、特にライカM型は世界中のジャーナリストやプロの写真家が愛用する事実上のスタンダード機でした。
一眼レフが主流になるまでは日本工学(現ニコン)やキャノンがライカを真似た製品を作っていましたが、ライカの真似の域は出ていなかったように思います。
日本製カメラの台頭
1960年代に入ってライカが日本メーカーに主役を奪われた理由はいくつかあると思います。
一つは日本製の価格が圧倒的に安かったことでしょうが、それだけではありません。
一眼レフ方式を採用したことで、ファインダーで見た像と実際に写る像とのずれ(パララックス)やピントのずれが小さくなり扱いやすくなったこと、
それに露出計(被写体の明るさを測る機械)がカメラに内蔵されたことでファインダーを覗きながら明るさの調整ができるようになったことが大きいと思います。
後にライカM型で露出計内臓の改良型が出されていますのでそこはクリアですが、使いやすさで言えば間違いなく一眼レフ方式に軍配が上がると思います。
仮にライカが一眼レフ方式を採用しようとしたとすると、レンズもそれに合わせて再設計することになりますので、M型用と一眼レフ用の二本立てのレンズラインナップが必要になります。
そんなことは規模の小さな会社では実質不可能で、当時のライツ社はさぞ悔しがったことでしょう。
ライカM型は今でも一部の写真家やカメラ愛好家の支持を得ていますが、趨勢は日本製一眼レフへと一気に傾きました。
その先駆けとなったのが1964年発売の ASAHI PANTAX SPOTMATIC(旭光学)です。
旭光学は現在はリコーに吸収され PENTAX のブランド名だけが残っています。
この PENTAX というブランド名は一眼レフの中核部品であるペンタプリズムに由来するものと思われ、カメラ業界の当時の勢いを感じます。
一眼レフカメラのてっぺんにある三角形の屋根のような部分に収まっているのがペンタプリズムで、レンズの像がミラーとこのプリズムで上下左右反転することでファインダーで正立像を見ることができるのです。
ペンタプリズムは元々ドイツの発明なんですけど、目敏く商品化する日本人の力は凄いですね。
ちなみに現代のミラーレスカメラの一部には一眼レフカメラに似た形状のものがありますがそれらの屋根の部分にはプリズムの代わりに電子ファインダーやその他の部品が入っています。
私のフィルムカメラのレストア計画
さて、ようやく本題のレストアです。
最初の実験台に選んだのは私が最も美しいと感じるオールド一眼レフ、ASAHI PENTAX SPOTMATIC です。
早速ヤフオクでジャンク品を購入しました。
ボディは1400円、レンズは2700円でした。
それにしても昔のフィルム一眼レフは小さくて手になじみます。
やはりこのくらいの大きさが一番いいですね。
後々の事を考えジャンク品の中でも程度の良いものを選びました。
ピカピカにするだけでは面白くない
ボディの塗装は劣化し無数の剥げや擦り傷がありますが、これはこれでカッコいいですのでこの味を残したいものです。
そこで塗装を一部落としてから再塗装し、細かいサンドペーパーで磨いて再び真鍮の地金を出して光らせるということをしてみたいと思います。
シャッターは全速OK、ミラー稼働、バッテリーの蓋が固着(現状では露出計の通電確認不可)遮光のためのモルトはボロボロ、という状態でした。
ファインダーやミラーは奇麗でしたので埃や汚れを取り除けばピカピカになりそうです。
もちろんモルトも交換します。
和製オールドレンズの代表格
Super Taumar 55mm F1.8
このレンズは今でも根強い人気のあるオールドレンズです。
単層コーティングのため逆光耐性が低いのですが、それが今も人気の理由でもあります。
この画像はNikon Zf に付けて撮った近所の風景です。
逆光ではもれなく盛大にゴーストが発生します。
近年はコーティング技術が発達しこのようなゴースト(一般には悪いものとされてます)が発生するレンズは珍しくなりましたが、ゴーストを写真の引き立て役としてうまく使うこともできます。
ですのでNokton Classic 40mm F1.4 SC や SMC Pentax FA 50mm F1,4 Classic のようにわざと逆光耐性を落としてゴーストやフレアを楽しむためのレンズが発売されているくらいです。
しかし高いお金を出さなくてもこのオールドレンズでゴーストを楽しむことができます。
状態は上々
レンズは絞りリングのペイント剥げや小傷がある程度で、クモリ、カビはほぼ無くホコリが少し目立つ程度、2700円にしてはかなり状態は良く、このまま使用しても全く問題ないレベルです。
この型のレンズはアトムレンズと呼ばれていて経年変化で黄変しているものがあるらしいのですが、この個体には黄変らしきものは見られませんでした。
グリスが古くなっている所為か絞りリングを回すと摺動音がしますのでヘリコイドの部分を分解、洗浄してグリスを塗り直しついでにペイント剥げの補修とレンズのクリーニングを行おうと思います。
こういった作業は実用本位で考えれば全く必要なく、あくまで私のこだわりの部分です。
ボディのモルト交換とレンズの清掃が終わった段階で、一度フィルムを詰めて試写したいと思います。
できれば収益化したいです
オールドレンズ沼、オールドカメラ沼は深いですので、たとえカメラやレンズの単価は安くてもこんなことを繰り返しているとお金がかかります。
できることならピカピカにしたものをヤフオクなどで売ることで収支をとんとんかプラスにしたいところ。
どうなるかわかりませんが、よろしければ今後の展開にご注目ください。
おしまい
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