実験『研究開発職とスタートアップ転職の親和性検証』


「研究開発からスタートアップへの転職って、相性いいんじゃないかな?」
という思いつき...…いや、仮説についてお話をします。

いま企業や大学の研究開発職として働く中で、
自身のキャリアや市場価値について悩んでいる方がきっといるはず。

そんな誰かに、選択肢をひとつ増やせたらいいなと思いかいてみました。


研究開発職から始めるキャリアの難しさ


研究開発職のキャリアって難しいですよね。

● 専門性がめちゃくちゃ狭い/深いから、つぶしが効かない
● 成果が出るまで時間がかかるから、実績が少ない
● 自分にどんな力がついたか、体感しずらい

仕事柄どうしても、極度にニッチで汎用性のない知見をもとめられます。
そのため今の会社 or 同業他社でのキャリアパスを選ぶことがほとんど。
転職しようか迷い、結局思いとどまった方も多いのではないでしょうか。

Googleで「研究開発 転職」と入力すると、候補の2番目に「難しい」の文字が...…


もちろん今の研究/職場が楽しく満足している方もいらっしゃるでしょう。
素晴らしいことです。どんどんエンジョイしてください!
(むしろそういう人が多数派であってほしいなぁ...…)


研究開発は自らの好奇心や創造性を社会にぶつけることができる仕事です。
僕も先日まで研究開発をやっていたので、その楽しさは分かるつもりです。
論文や特許をめぐるバチバチの戦いを繰り広げる方々には頭が下がります。

この仕事の尊さを否定するつもりは1ミリもありません。
(単位つけろよ、ってツッコミはなしでお願いします)


でももし、下記のようなモヤモヤを抱えているのであれば。

● 一つの分野/組織に特化した人間になっている気がする
● 今いる場所以外で活躍する姿を想像できない
● 市場価値があがっている気がしない

スタートアップへの転職という選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。
案外、相性はいいのかもしれませんよ!


Introduction「研究開発職とスタートアップ転職の親和性について」


スタートアップと一括りに言っても業界・職種は色々ですし、
「スタートアップの研究開発職」という仕事ももちろんあります。

が、今回はあくまで「スタートアップの環境/風土」という体でいきます。
研究開発職とスタートアップの風土には共通点があるよ、というお話です。

ニッチな専門性だけを切りとってみると、
研究開発の経験やスキルには汎用性がないように感じてしまいます。

でも俯瞰して抽象度を上げてみると、
日々の仕事の中でちゃんとビジネスで役立つ能力が培われています。
外の世界にふれる機会があんまりないため自覚しづらいだけのこと。

僕が思うに、研究開発職×スタートアップは以下の3点で相性がよいです。

仮説検証力 ・ 習得力 ・ フィードバック耐性


- 仮説検証力

仮説検証はビジネスにおいて超大事な能力です。
どの企業でも重要なのですが、スタートアップでは特に重視されます。(※1)

仮説検証のフレームは色々あり、例えば下記のように分解できます。(※2)
「問いを設定 → 仮説構築 → 検証計画 → 実行 → 分析 → 仮説修正」


...…これって、研究の進め方そのものじゃないですか?

● 問いを設定: どうすれば〇〇を実現できるか、なぜ△△が起こるのか
● 仮説構築 : いくつか有り得そうなメカニズムを挙げる
● 検証計画 : 何をどんな順番で実験するか、計測はどうするか決める
● 実行   : 実験する
● 分析   : 実験結果から何がいえるのかを振り返る、まとめる
● 仮説修正 : 考えたメカニズムの正誤を判定、新しい仮説の構築

これまで研究開発ライフで培ってきた物事の考え方は
ビジネスのやり方にも当てはめることができるってわけです。

答えのみえない課題に対して、誰もやったことのない仮説検証をくり返す。
不確実性の高い環境に身を投じ、一筋の可能性をたぐりよせ、実現する。

これは研究でも、スタートアップでも、共通する姿勢です。


- 習得力

研究開発ガチ勢の皆様はしょっちゅう論文や特許を読んでいますよね?

最先端の技術情報や他社の動向を探しだし、
パッと見ではとっつきづらい難しい内容を読み解き、
ときには参考にして自分の実験に取り入れ糧に変える日々。

シレッとこなしてますが、それ、中々できないことです。
新しい情報を学びつづける習慣は、まちがいなく強みです。


さて。
ここでスタートアップの風土について考えてみましょう。


スタートアップは変化が早く新しい物事をどんどん取り入れます。
変化のたびに新しい知識の素早い吸収と活用が求められます。
過去に自分がやっていたことを捨てる場面もでてくるでしょう。

不確実でだれもやったことが無いのだから、
学び続けてベストな方法を模索するのは当然のこと。

スタートアップは「学び直し ⇔ 最先端に追いつく」の反復横跳びです。


ここでふり返ってみれば。
みなさまは研究生活を経て、反復横跳びに耐える力を磨きました。
理解しにくい情報でもねばり強く読み解き、自らの血肉にする
そして 上長や教授に論拠を詰められても 妥協せずに考え抜く

この未知の事象を学び続け習得する力が、2つ目の親和性です。


- フィードバック耐性

3つめの親和性は、フィードバック耐性による成長力への期待です。

スタートアップは試行錯誤の日々、うまくいかない事態はつきものです。
そんな環境で素早い成長を遂げるために、フィードバックは超重要です。

もちろん企業カラーによりますが、大きな組織よりも、
物事の伝え方・コミュニケーションは割とストレートです。多分。


フィードバックをうまく活かすためには、慣れ/耐性が必要だと思います。

率直な評価を聞いて、受け入れ、自分の良くない点を認め、行動を変える。
簡単そうに見えて意外とできないものです。


しかし研究開発職の方は日常で自然と、
フィードバック耐性を鍛えられた人が多いのではないでしょうか?

● 褒めベタな人が多め
● 論理の穴を見逃さず指摘する文化
● 実験結果が予想とちがうなんて日常茶飯事
● 「素人質問ですが~」という前口上から始まる公開処刑

考察の甘さ / 発生した事象 をちゃんと受け入れ、改善してきましたよね。

きっとスタートアップの環境でも鍛えられた耐性を発揮し、
フィードバック→改善を爆速でつみ上げて素早く成長できるはずです。


Method「研究開発職からスタートアップに転職してみた」


では仮説があってるか検証するにはどうしたらいいか。
簡単ですね、やってみればいいわけです。Let's 実験!

というわけで。
僕自身のお話をさせてください。


- Material「実験サンプル(=僕)のこと」

僕はついこの間まで、食品メーカーで研究開発に従事していました。
新卒で入社し、マルっと5年間、ずっと研究開発。

良い会社でした。
影響範囲の大きな仕事を任せていただき、
チャレンジングなことを発案/実行できる環境で、
働き方は柔軟で事業の将来性も期待されている会社です。


ところがどっこい。なんやかんや思うところがあって転職を決めました。
(転職動機は今回の重要点じゃないし、書くには余白が足りないので割愛)


転職先はキャディというスタートアップです。
製造業の調達領域に切りこみ、革命をおこそうとしている企業。
知れば知るほどに、事業も働くヒトもおもしろく、ロマン溢れる会社です。

(自社を推したいところだが今回重要点じゃないし、書くには余白..以下略)


世の中おもしろい会社が多いです。
何をおもしろいと思うか・どうありたいかは、人により様々です。

せっかくの人生、ぜひ自分の楽しめる環境を色々と探し回ってください!


- Method「ただいま身をもって実験中」

入社してから約2ヶ月。
まだまだ実験は始まったばっかりです。結論を出すには時期尚早。
だから本記事には、Result も Conclusion も書いていません。

今現在、また追々、半年とか1年後にふり返って書いてみようと思います。

強者たちが雁首をそろえるITスタートアップで、
食品製造業の研究開発というキャリアの人間がどんな足跡をのこすのか

後に続くヒトが現れるような、カッコイイ背中を目指して実験を続けます!


Discussion「n=1です」


サンプル少ない。n=1で語るんじゃねーよ。それってあなたの感想ですよね
はい、そのとおりです💦 このままでは僕の空想の粋を出ない。

だからこそ、こうやって自分の考えを発信し、
サンプr...…共感する仲間を探してみようと試みている次第です。


本記事をきっかけにスタートアップ転職に興味を持つ人が少しでも増え、
悩める研究開発者のポテンシャルを解放する一助となることを願います。


Acknowledgments「謝辞 & 相談うぇるかむ」


ここまでの長文を読んでいただきありがとうございました!
最後に、このnoteを読んで ↓ のような想いが湧いてきた方へ。

  • 大企業から異業種・異職種のベンチャーに転職した人間と話してみたい

  • 職場では転職の話をしにくいし、誰かほかの人に相談したい

  • 転職までにどんな準備をしておくといいのか


もしよろしければ、お話しましょう!🙌
↓のリンクから気楽にオンラインでご相談いただけます。


References「参考にした資料たち」

(※1) スタートアップで仮説検証が重視される理由について


(※2) 仮説検証についての参考資料

(※ 余談)
ここまでスタートアップへの転職を提案してきたのですが、
コンサルや 新規事業開発 への転身でも近しい親和性はある気がします。
ただ僕の体験から語れることが無いので、書きにくいんですよね。。。
「そんな選択肢もあるかもな」と頭の片隅においていただければ。


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