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BCGが読む経営の論点2023⑦:学びの在り方の変化に対して、2023年にとるべきアクションとは?(+コストと投資の考え方は何が違うのか?について…)

読書ノート(77日目)
さて、本日もこちらの本からです。

本書は、経営コンサルティング会社の
BCGが重要と考える10のトレンドを紹介。
また、未来を予測できない不確実な中でも
シナリオプランニングの手法で対応できる。
という内容です。

・BCGが重要と考える10の変化トレンド
 ①陸の移動の変化:EV普及による自動車産業の構造変化
 ②物流の変化:物流危機とデジタルサプライチェーン
 ③食の変化:食品・小売企業が主導する食糧システム変革
 ④医療の変化:ヘルスデータと医療システムの進化
 ⑤エネルギーサービスの変化
  カーボンニュートラルとエネルギー安全保障
 ⑥学びの在り方の変化:デジタル時代における企業/個人の学び
 ⑦通信と放送の変化:メディアの融合と分離
 ⑧決済の変化:ブロックチェーン、組み込み型金融、BaaSの進化
 ⑨都市空間の変化
  スマートシティをめぐる新たなプラットフォームエコシステム
 ⑩仮想空間の変化:メタバースを通じた新しい経済圏の台頭

今日はその6つ目である
⑥学びの在り方の変化
 デジタル時代における企業/個人の学び
についてです。

・企業が持続的な成長を実現するための
 「学びの在り方」について

・世界経済フォーラム(WEF)が2020年に
 発表したレポートで、2025年までに世界中で
 半数以上の人がビジネス環境の変化に伴い、
 求められる能力の変化に適応するために
 アップスキル(既存スキルの高度化)ないしは
 リスキル(新たなスキルの獲得)する必要があると予測
・BCGが2019年に実施したグローバルの調査でも
 日本の回答者のうち7割以上が学び直しをしたい
 との意向を持っている
・シンガポールでは、主要産業における
 成長・変革ロードマップを策定している。
 それに基づき、各産業で今後求められるスキルを明示
 政府と民間企業とが連携して策定しており実効性が高い
・必要となるスキルを国民が身につけやすくするため、
 「スキルズフューチャー」と呼ばれるプログラムにて
 補助金などの施策を実施
・2021年には66万人がこのプログラムから
 何らかの支援を受け、24万人が補助金を活用

■日本政府の取組み
・短期的な観点では、
 2026年度までに不足する230万人のデジタル人材を
 育成する目標を掲げ、22年度から3年間で
 4000億円規模の政策パッケージを創設。
 金銭面の支援体制を実施(BCGが支援)
・中長期な観点では、
 小中高生を中心に学びの変革に着手。
 BCGでも経産省「未来の教室」プロジェクトを
 通して支援している。

企業における学びに影響を与える3つの変化
変化①:競争力の源泉
・20世紀から21世紀にかけ、企業の競争力の源泉は
 常に変化してきた。20世紀は製品やサービスの価格や
 品質の高さ、サプライヤーや消費者などへの影響力、
 優秀な人材を惹きつけ維持する力など、
 いかに有意なポジションを築くかが重要だった。
・21世紀に入り、グローバル化の進展によって市場環境の
 変化を迅速に捉え、新たなアプローチを取り入れ
 イノベーションを起こせる適応能力の高さが重要となった。
 それに加え、継続して学び続け、今後必要となる
 新たなスキルを獲得した従業員の割合をどれだけ
 高められるかが勝敗を決める上での肝になっている
変化②:仕事の性質
・デジタル技術はますます浸透し、仕事においても、
 人間とデジタル技術の創造的な融合がより求められる
 求められる役割や仕事の中身も再構成され、
 向こう10年間で10億人の仕事が再構成されるとBCGは試算
変化③:望ましい学び方
・個別最適化され、細分化され、日々の仕事に組み込まれ、
 適切なタイミングで気付きを与えられると学びが深まる
 とされている。デジタル技術活用で従業員1人1人に
 これらを満たした学びを提供が可能な時代になっている

■2023年に取るべきアクション:
 学びを再考する5つのステップとは…
ステップ①:従業員の学びをCEOアジェンダの
      一つとしてとらえ直す
人材育成はコストではなく投資と位置づける。
その示し方として、人材育成の機能をHR機能から切り離し
CLO(Chief Learning Officer)を据えた独立した組織にする。
これはデジタル化を予見した経営者が企業のデータを扱う
機能をIT部門から独立させCDO(Chief Digital Officer)を
置いたのと同様のやり方である

ステップ②:人材育成に関する機能を抜本的に見直し、再構築する
人材育成機能を構築するにあたり、以下の5つの役割が必要となる
①全体設計者:ビジネス側からの養成を咀嚼し必要な
 スキルを従業員が効果的に学べるよう学習全体を設計。
 個別最適性をどう担保するか、
 オンライン/オフライン講義やOJTを
 どう組合せるべきかなどを設計する
②教材コンテンツキュレーター:自前で用意するだけでなく
 外部コンテンツも活用し、カスタマイズする
③学習デザイン技術者:学習環境をデザインし、
 日々手軽に使えるスマホアプリなど目的に応じて設計する
④デジタル環境デザイナー:学びでの学習体験を最大化する為、
 学習者のUX・UIをデザインする
⑤データサイエンティスト:従業員の学習データと
 仕事のパフォーマンスデータから、真に有効な
 学習プログラムを明らかにする。
 学習プログラムの効果を最大化し、改善プロセスを
 迅速に回すことへの寄与が求められる

ステップ③:日常の仕事に学びを組み込む仕掛けを構築する
学ぶべき「何か」の知識は常に変化し続けるもの
と考え、持っている知識を「どのように適用するか」に
主眼を置く。例えば従業員は個別最適化され、
消化しやすいよう細分化されたプログラムで学習し、
その後、専用の学習アプリなどを用いてバーチャルコーチ
から重要なポイントを復習する指導を受けたり、
学習内容を仕事の中で適用した経験を上司やチームメンバー
と振り返ることを通じて学びを定着させていく。
従業員の学びの取組みを企業側でも認識し、
証明書の発行や評価・報酬などの形で賞賛することも重要

ステップ④:データやデジタル技術を最大限活用する
AIや機械学習をベースとしたデジタルの
学習プラットフォームが必要。
例えば米国の小売大手クローガーや
英国のメディア大手スカイは、
既に学びの実践へと進化を遂げている。
従業員のスキルレベルを把握する事で、
今後の事業展開に必要となるスキルとのギャップ把握も可能となる

ステップ⑤:従業員の学ぶ意欲を後押しする組織風土の構築
BCGが支援する経産省のAI人材育成事業では、
過去3年間で1800人の受講生を迎え入れるプログラムを実施。
参加者に共通するのは「学びたい」
「自分を高めて企業や社会に貢献したい」という気持ち。
企業としては、こうした従業員の気持ちに応え後押しすべく、
従業員に適切な学びの環境の提供と、
個々の学習を応援する仕組みや組織風土を構築することが重要。
結果として企業の次なる成長エンジンとして
新たな事業機会を切り拓いてくれる

「学び直しによる新たな仕事の獲得」
を意味する言葉としてリスキリング
最近はよく見聞きする方々も
多いのではないでしょうか。

僕自身もその一人で、
今年は特に、データ分析の領域で「学び直し」
(正確にはスキルを高めるという意味の)
「アップスキル」を目指しています。

さて、今回もまた企業側の考え方として
従業員の学びや人材育成は
「コスト」ではなく「投資」として捉える
というキーワードがありました。

ここでふと思ったのは、
こういった事をコストではなく投資だと
考えている場合、どのような共通項が
あるのだろうか?ということです。

何かに必要な支出がコストだと考えれば
人や企業はできるだけ安く済ませたい
と思うものだと思いますが、

もしこれが投資だと考えれば
「損して得取れ」という考え方で
リスクとリターンのバランスを考える
つまり、投資だと考えればこそ
費用対効果(ROI)に関心を
持ち始めるのでは?
というのが
今日のところの僕自身の結論です。

逆に考えると、支出した金額に対して…
結果は変わらないものと考える
=コストと見なして節約志向に

結果は変えられるものと考える
=投資と見なしてROI志向になる

投資だと考える場合は、
掛けた金額や労力に対して
計画以上の結果が出たかに関心を持ち
担当者や実施者は検証を求められる

だから、会社の稟議書や企画書でも
〇〇の結果が見込めるなど、
(多くの場合は業績に連動した)
結果の数値化がされていることが
多いのではないのだろうか…?

と、こんな感じでしょうか。
また明日には違うことを
発想しているかもですけど…笑

それではまた明日ー!😉

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