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人生を変えたいすべての人へ。“クリエイティブの力”で、その先へ行く方法を教えようと思う


世界には魔法があるーーそれを知ることからすべては始まる

「魔法みたいだった...」ーー。

ポカンと口を開けた彼女は、思わずそうこぼした。

THE CREATIVE ACADEMY(以下、TCA)の前回の講義。細田高広(TBWA\HAKUHODO チーフ・クリエイティブ・オフィサー CCO)が登壇し、受講生たちが書いてきた課題のコピー、言葉を目の前で“魔法のように”書き換えてみせた。

多くの人は「魔法なんてない」と思っている。けど、それは違う。

自分の知らない世界の外側には、魔法や奇跡、人智を超えた情熱、人としての圧倒的迫力ーー目の前で目撃し、対峙することでしか信じられない“まこと”がある。

まずは知ることが大事だ。魔法を使える人がいることを知るだけで、人はそこに向けて努力することができる。

TCAは2020年に始動した(開催は年間2回)。次回の10月に始まる新シリーズが、7回目となる。(一般無料体験講座を含めると)1.6万人以上が受講してきた。

TCAが一貫して伝えてきたのは「クリエイティブの力」だ。クリエイティブの力とは、例えば、視点を変える技術のこと。仮に、あなたがライターだとしよう。ライターを「文章を書く仕事」と捉えるか、「人間の思考を社会に届ける仕事」と捉えるかで、仕事の可能性は一気に拡がるだろう。“クリエイティブディレクター”を名乗るぼく自身、「広告を作る仕事」から「企業の課題解決を通じて、社会の課題を解決する仕事」と視点を変えたことによって、自分の可能性を大きく解放できた実感がある。

そう、視点が変われば、人生が変わるんだ。

本気の熱量に“感染”することで生き方が変わる

TCAにはクリエイティブディレクション講座、ビジネスプロデュース講座、それぞれ12人ずつ、広告業界やスタートアップをはじめとした、ビジネスシーンのトップランカーが登場し、毎回濃密なセッションが繰り広げられる。言葉を選ばずに言えば、彼ら、彼女ら先端を行くものたちは皆、狂っている。その本気と熱量を浴び続けることで、脳が変わるんだ。もちろん本を読んで学ぶこともできるだろう。けれど、人間の生き方までは、そう簡単には変わらない。

人が本当に変わるのは「感染」したときだ。今まで目にしたことのなかった魔法(技術)や体感したことのない人間の圧力(熱量)ーー少し込み入った言い方をするなら“非言語の形而上的な存在価値”によって、自分の生き方に変容が迫られる。

ぼくが師匠と仰ぐクリエイターが二人いる。TCAにも登壇したことのある、博報堂ケトルの嶋浩一郎と放送作家の鈴木おさむだ。けれど実は、ぼくは彼らと一緒に仕事をしたことがほとんどない。弟子だとは言いつつも、「三浦、企画はこう考えろ」と仕事を教わったことすらないんだ。

ただただ、そばに居続ける。ただただ、一緒に飲み続ける。ただただ話し込んでいくーーそのうちに、彼らの思考の癖、あるいは生き方そのものが僕の中に染み込んでいったんだ。今ではかなりの精度で二人の物真似ができる。だけど、嶋さんの茶目っ気、おさむさんの圧力だけはいつまでも再現ができない。

TCAの現場には日常では触れることのない“緊張感”がみなぎっている。試しに無料でお試し視聴ができる三浦の講義を観てほしい。こんなに早口で、こんなに大声で、こんなに本気で、異常なテンションでまくし立ててくる奴なんか、普通いないだろう。自分でも異常だと思うよ。

ただ、決めているんだ。自分が内蔵するすべてのカロリーをそこで出し切ることを。デイミアン・チャゼルの映画と同じだ。まずは出会い頭、一発目で相手の脳みそをぶん殴る。もちろん、場は変な空気に包まれる。けれど、このスタンスには「これくらいの熱量で向き合ってこいよ」というぼくの思いが込められている。今回もその覚悟だ。楽しみにしていてほしい。

“クリエイティブの力”で日本の産業を拡張する

なぜThe Breakthrough Company GOが、本業と同等にTCAに注力するのか。

GOは広告、PR、マーケティング、ブランディングの会社であるが、我々がなにより大事にしているのは「クリエイティビティ」だ。GOではクリエイティビティを、「他者の感情やちょっと先の未来を想像し、新しい可能性を創造する力」と定義している。現在の日本社会では、この力こそが求められている。

元来、日本はエネルギー資源に乏しい。人口減少も歯止めが効かない。テクノロジーでもアメリカをはじめとする欧米の後塵を拝している。苦しい状況のなか、我々はどう戦っていくべきなのか。その鍵が、他ならぬ「クリエイティビティの力」なんだ。

たとえば、戦国時代に茶人・千利休が作り出した茶碗は、今ではウン億円の価値として認められている(原価はせいぜい50円くらいのものだろう)。あるいはスタジオジブリが送り出す映画が、『ONE PIECE』をはじめとした漫画/アニメが、世界中の人々に愛され、熱狂されている様子を思い浮かべてほしい。

大きな世界の一部を象徴すること、あるいは人類の歴史を表現すること。新しいナニカを生み出すことは、まだ見えぬナニカを“見立てる力”ともいえる。それこそが日本の強みなんだ。

この図を見てほしい。

日本の産業をマクロで俯瞰してみると、広告市場はたった7兆円であり、日本のGDP全体(980兆円)の1%にも満たない。そんな狭い世界でシェアの奪い合いが行われている。我々がたった50人の小さい船に乗り込んでも、日本に与えられるインパクトはほとんどない。

だから、僕らは広告市場の外側に目を向けている。社会のあらゆる市場にクリエイティビティの力を加えることで、レバレッジを効かせ、日本の産業自体を拡張していく。

たとえば、不動産を考えてみてほしい。何もなかった面白みのない土地に、とある建築家がクリエイティブの力を使って素敵な家を建てたとする。たった一つの建築が地域全体の価値向上の起点になる。どんな業界だろうが同じで、たった一つのイケているプロダクトが、たった一人の覚悟を決めた人間が、会社のあり方、価値のすべてを変えてしまうことがあるんだ。

GOではファミリーマート、ソニーネットワークコミュニケーションズ、KOSE、タカラトミーなどといった日本を代表するような企業のブランディング、クリエイティブ支援を多数請け負っている。だが、同時に、我々は政党や自治体ーー最近では文科省、福岡市、東京大学など、これまでクリエイティブの手が及んでいなかった領域も支援の依頼を受けることが増えた。

ぼくたちGOが目指すのは“クリエイティブの力で社会に変化と挑戦を促していく”ことだ。そのためには、まずは、日本のクリエイターの数を増やさないといけない。もちろん同時に、今いるクリエイターの質も上げていきたい。クリエイティブの力が人の気持ちを動かし、新しいプロダクトやビジネスを社会に生み出していく。この流れを加速させることが、国としての日本の勝ち筋だと信じている。

だからぼくは、クリエイティブの教育事業、TCAに賭けているんだ。

TCAが起こしたい三つの変化

TCAによって起こしたい三つの大きな変化がある。順に説明していこう。

❶トップクリエイターの交流と研磨を促す

まずは世の中で活躍している“トップクリエイターたちの交流と研磨”を促したい。

その背景に、(1) ここ10年ほどの大物クリエイターたちの分散化と、(2) クリエイターの定義の多様化がある。

年々、大手広告代理店からエース級の人材が独立し、社外で活躍する流れが加速している。それにより、従来まで社内で継承されてきたクリエイターたちの”way(≒思考法)”が組織に残りづらくなっている。彼らが死ぬと、技術も消失してしまう。まさに由々しき事態と言っていいだろう。

たとえば、ぼくは師匠である博報堂ケトルの嶋浩一郎から「PR×クリエイティブ」を掛け合わせる思考と手法を継承している。ただ、ぼくも2017年に博報堂を退職したため、社内の下の世代へ受け継ぐことができなかった(ただし、GOにおいて弟子を育成し、その才能がいま花ひらいているのは嬉しいし、誇らしい)。

こうした潮流と同時に、クリエイターの定義そのものも広がっている。たとえば、ホテルプロデューサーの龍崎翔子(水星)や「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」の深井龍之介。突如として現れた新しい天才たちが、クリエイター像の再定義を迫っている。

また、広告クリエイターはもちろん、テレビのトッププロデューサー、売れっ子の漫画編集者ーー各分野のトップランカーが横並びになる構造そのものが、講師の本気を引き出す仕組みになっている。他講師と見比べられる圧倒的なプレッシャーがかかるからこそ、彼らは本気で向き合ってくれる。一流はみんな負けず嫌いだからね。

TCAは分散化しつつ多様化する、クリエイターたちの交流と研磨の起点になりたい。そのためにまずは、TCAに登壇するトップクリエイターたちの講義をアーカイブ化する。クリエイターたちがそれぞれの“way”を学び合い、お互いに高め合っていく。TCAをそんな成長のプラットフォームにしていきたい。

クリエイターは一度独立をすると、学ぶ機会が減る。だから、一度でもTCAで講師を経験した人は全講義が見放題という仕組みになっている。また、定期的な講師同士の交流の機会も作っている。講師にとっても思考と技術を研磨する場にしていきたいんだ。

❷クリエイターを増やす

これまで、TCAを通じて1.6万人以上に講義を届けたことで、確実に変化の手応えを感じている。まず第一に、TCAの卒業生から、電通や博報堂、あるいはCHOCOLATEやGOなど、クリエイティブ業界にキャリアチェンジする人や、広告の賞を取って活躍する人が増えた。クリエイター、それも、活躍するクリエイターを増やすきっかけになっていることは嬉しいし、誇らしい。

世界3大広告賞の一つに数えられる「カンヌライオンズ」。その30歳以下を対象にしたコンペ部門「ヤングカンヌ」日本代表の中に、TCAの卒業生がたくさんいたのには驚いた。TCAが若手クリエイターの飛び立つカタパルト(発射台)になっている。

あるとき、博報堂へ講演に行った際、若手社員から「覚えてますか?」と声をかけられた。申し訳ないが、まったく覚えていない。

「オンラインでTCAの講義を受けていました」

「いやいや、オンラインだったら会ってないから!(笑)」

TCAを始めてからこんなやりとりを何度交わしたかわからない。あるいは、福岡の街を歩いていたときのことだ。

大学生のグループが「三浦さんですよね?僕らオンラインでTCAを受けていて。福岡でトップクリエイターの話を聞ける機会はないので、ありがたいです。就職して東京に行ったら超実践コースも受けたいのでお願いします!」と声をかけてきた。

東京だけでなく地方でも、着実にTCAの火が広がっていることに感動を覚えた。

広告業界の外側にも変化が生じている。

TCAの第一期生、秋本可愛(Blanket)。現在、起業家である彼女は介護業界の若手オピニオンリーダーとして注目される存在だ。介護業界において、自分の思いを伝えながら他者を巻き込み、コトを成す上で、彼女はTCAで身につけたクリエイティブの力を思う存分発揮している。特に嬉しかったのは、今年、GOで手がけた経済産業省の介護を民主化するプロジェクト、OPEN CARE PROJECTで秋本にプロデューサーとして入ってもらい、一緒に仕事をすることができたことだ。一期生の彼女がTCAの講師を務める日もそう遠くないだろう。

TCAにはインフラや電機メーカーなど、他業界の企業も参加している。社内の旧態依然とした空気や体質を変え、自社で新しいイノベーションを生み出していく活性剤にTCAを位置づけている。一歩づつではあるが、TCAは着実に日本の産業全体にクリエイティブの力を実装しているんだ。

❸そしてクリエイターと仕事したい人を増やす

TCAを通じてクリエイターを増やしていきたい。それと同時に、クリエイターの考え方に触れ、クリエイターと一緒に世の中に新しい価値を作りたいと思う人も増やしたいんだ。

TCAの講義数は半年間で全12コマで、受講コースは3種類ある。ズラリと並ぶ日本最高のクリエイター陣の講義を(1) 生で聴くことができる「超実践コース」、(2) 過去の講義がすべて視聴可能なサブスク型オンラインコース「TCA UNLIMITED」(日本のトップクリエイター110人が本気でしゃべる講義が観れる場所はどこを探しても、ここにしかない)、そして(3) 一般無料体験講座。

もちろんクリエイター志望の受講者にとっては他では得られない刺激がある。一方、クリエイターに仕事を発注する企業の側に目線を移すと、TCAは日本のトップクリエイターの“究極のカタログ”とも言えるだろう。

たとえば、大手飲料メーカーの宣伝部長に新しく任命された人が来期、どのクリエイターに仕事を依頼するか迷っていたとする。もちろん広告・クリエイティブの専門誌『ブレーン』を読んでもいいし、大手の代理店の営業局長に相談したっていい。けれど、一番はTCAを覗いてみるべきだ。なぜなら、日本トップのクリエイターたちの作品と思想、あるいは人間性、そして本気が分かるから。
逆もまた然り、受講生たちも本気で向き合えば、仕事の可能性が生まれるということだ。課題が評価されたことで、有名なクリエイターである講師から受講生に指名で仕事が入ったこともある。

冒頭でも触れたように、TCAが始動してから4年間で、すでに1.6万人がトップクリエイターの講義を受けてきた。TCAを起点にクリエイターを増やし、クリエイターと仕事をしたい人も増やしていく。結果的に、日本のクリエイティブビジネスそのものを活性化していきたい。

修羅場をくぐることで、一生の仲間になる

「一生の仲間は?」と聞かれて、あなたは誰を思い浮かべるだろう。

ぼくにとって博報堂の同期たちは、なんだかんだ言って“一生の仲間”だ。初めて出会ってから17年が経ち、未だに仕事を共にしている。そんな奴らには共通項がある。それは、一緒に“修羅場をくぐった経験”だ。

けれどこのご時世、昔に比べて社会人が修羅場をくぐる機会は減っている。長時間労働は禁じられ、徹夜もできない。コンプライアンスがあるから、やんちゃな上司もいない。だけれど、TCAには“擬似修羅場”がある。怖がらなくていいよ。

TCAには集った受講生同士で取り組む、コンペ形式のグループ課題がある。添削・採点は実際のクライアントや、ぼくをはじめとしたGOのメンバーが行う。ちなみに、各チームには必ずGOのクリエイティブディレクターやビジネスプロデューサーがメンターとしてアサインされる。飲みに行ったり、転職相談に乗ってもらったり、GOのメンバーとも深い関係性が築かれる。

たとえば先日、リクルートのゼクシィからあるお題が出された。

受講生が提出したアウトプットから本気度が感じられなかった。企画の質が低いというよりは、本気で取り組んでいたらそういう考えには至らないだろうと思うアウトプットがあった。ぼくはブチギれてしまった。

「本気で事業に取り組んでいる方々に、これを提案するということが失礼になるということは考えなかったのか?」

本気だからこそ怒るのは当たり前のこと。大人になってから本気を問われ、叱られ、悔しい思いをする、そんな経験は意外にできないものだ。

優勝したら感動して泣くし、負けたら泣くほど悔しがる。コンペで2位だったある受講生は、「2位が納得できない。悔しい」と言って、グループのメンバーで会社を作った。受講生同士が本気でぶつかり、修羅場をくぐるから、終わった後は“一生の仲間”になっている。

オンラインコースの受講生でもSlackのグループで活発にコミュニケーションを取るし、リアルの懇親会も開催される。コミュニティが熱狂する仕組みを意識的に作っているんだ。あえて一番ダサい言葉を使うなら、ここには青春がある。

TCAを受講し、GOに入社したメンバーも少なくない。その一人である小比類巻洋太に当時を振り返ってもらった。


元々、ゼネコンでファーストキャリアを歩んでいました。2年前、TCAの一般無料体験講座を観たことをきっかけに、広告やPRの技術を使うことで世の中にポジティブな変化が起こせることを学んだんです。キャリアチェンジの可能性も含めて、超実践コースを受講することを決めました。

実際の講座では、毎回ヘビーな課題に取り組まなくてはなりません。ただ、本気で向き合えばその分だけ、講師の方も本気で打ち返してくれる。半年間みっちりコミットしたことで、未だに当時授かった教えが仕事にも直接生きています。

共にTCAを受けていた仲間たちとの関係は財産になっていますね。今では逆に自分がTCAのスタッフとして、当時の自分のような人を増やしていけるかに挑戦しています。

10月から始まるTCAの新シリーズから要注目の講師を紹介

TCAはアイデアの考え方、生み出し方、表現する力を学べる「クリエイティブディレクション講座」とアイデアの実現力、ひいてはビジネスを作る力を学べる「ビジネスプロデュース講座」の2コースに分かれている。

前者は広告業界やコンテンツ業界、後者はどちらかといえばスタートアップの経営者、新規事業担当者、マーケティング部門の人に向いている。もちろん、どちらで学ぶことも可能だ。

もちろん全講師が業界トップランカーなのだが、今回はそれぞれの講座から、個人的に推したいプレイヤーを各コースから3名づつピックアップして紹介しよう。

【クリエイティブディレクション講座】

深井 龍之介(株式会社COTEN 代表取締役CEO)

ラップの世界には、大衆から愛されるアーティストを指す「People’s Artist」(今の音楽界でいえば、YOASOBIあたりが該当するだろうか)に加え、アーティスト自身がアーティストを敬愛し、リスペクトする「Player’s Player」という表現がある。音楽であれスポーツであれ、現場のプレイヤー自身が「やっぱり、あいつヤベェ」と認める存在のことだ。

「コテンラジオ」で多くのリスナーから愛される深井龍之介は、まさにクリエイティブビジネスの“Player’s Player”だ。講師陣たちがいま一番話を聞きたい相手を聞くと、口を揃えて彼の名前が出てくる。

実は2022年、深井が運営する「コテンラジオ」は日本の広告クリエイティブ業界では国内最大級のアワードである「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」で、総務大臣賞/ACCグランプリを受賞している。

深井の何が素晴らしいのか。「コテンラジオ」が生まれるプロセスを考えれば明確だ。膨大に広がる歴史のデータベースを参照し、今の社会において多くの人が必要とするエッセンスを抽出し、並べ直し、面白く伝える異常なキュレーション/編集力。凄まじいだろ。

令和5年の日本人が今立ち返って学ぶべきスパルタの歴史、障がいの歴史、などなどピンポイントで歴史を引っ張り出し、ナラティブに編集し、めっちゃ面白いコンテンツに仕上げててくる。それを支える学び方から講義で話してくれるのではないか。

また、誰よりも歴史を深く学んでいる彼はしばしば「メタ認知が大事である」と説く。本人曰く「普段しない話をしようと思う」と、本気で向き合ってくれているので、正直すごいものが聞けるんじゃないかと今からワクワクしている。本気を出した深井龍之介は速すぎて見えないかもしれないが。

徳野 佑樹(TOKU Art Director)


2023年にTBWA/HAKUHODOから独立したばかりの徳野佑樹は、佐藤可士和以来の博報堂が生んだ天才アートディレクターと言われている。実際、彼がどれほど博報堂を背負っていたのかを説明しよう。

彼が弱冠35歳頃にデザインの責任者を担当していたのは日産、マクドナルド、集英社、ユニクロと超ビッグクライアントがずらりと並ぶ。それだけならまだいい。

現在の博報堂のロゴは、徳野が37歳のときに制作したものだ。ちなみにTBWA/HAKUHODOのロゴも、GOのロゴも彼が作っている。つまり、企業がその精神性のすべてを託したいと思えるものを作ってきた人間なんだ。

なぜそんなことが可能なのか。数々の成果の裏には、その企業が社会においてどういう存在であるべきかについての圧倒的に高い視座と、1mm単位でベストな意匠を探求する圧倒的な職人としての粘り強さ・センスがある。これ、両方持っている人はなかなかいないのだ。高いレベルでこの二つを両立させているのが徳野だ。

ここでは、折に触れて、彼がつぶやく漢気ある名言の一つを置いておこう。

「カッコよくしすぎちゃダメなんでしたっけ?」

篠原 一朗(株式会社水鈴社 代表取締役 / 編集者)


篠原一朗は文芸界の川村元気と言われている。幻冬舎では新人時代から村上龍を担当し、『新13歳のハローワーク』や『半島を出よ』などを世に送り出した。実績を挙げればキリがないが、YOASOBI×直木賞作家プロジェクト『はじめての』を手がけたり、SEKAI NO OWARIのSaoriさんに小説を書かせたり。コンテンツビジネスにおいて、文芸に芸能界とカルチャーを組み合わせることで、日本一純文学を売っている編集者と言っても過言ではない。芸能人やアーティストから分厚い信頼を得ている。

40歳の若さで2度も本屋大賞を獲っている編集者が他にいるだろうか。文芸という衰退しつつあるジャンルで、縦横無尽に活躍する篠原の講義で聞きたいのは、ずばり、越境して世間を巻き込む発想と方法論だ。

「YOASOBIとのコラボ」と字面だけ見れば、たしかに売れそうだろう。ただし、コラボを実現させるのは容易じゃない。まず、文芸×YOASOBIのコラボを発想すること自体が斬新だ。さらにいえば、思いついたとしても、どうやって実現に漕ぎ着けるのか。

篠原が手がけてきた作品の裏には、実現までにどんな“パッション”と“ネゴシエーション”があったのだろうか。

【ビジネスプロデュース講座】

岡井 大輝(株式会社Luup 代表取締役社長兼CEO)

東京の街を歩いていると、いつからか、電動キックボードLUUP(ループ)で移動する人の姿を見かけるのが日常になった。この3年間を振り返ると、Luupの岡井大輝の他に、これほど街の景色を変えた人物がいるだろうか。

日本でまだ誰もみたことのない街の景色を塗り替えた、彼の“構想力”と“交渉力”は唯一無二だ。大きなコトを成すための、岡井のずば抜けたシナリオ作りと実行力の講義は必聴だろう。

山田 久人(BABEL LABEL 代表取締役社長/プロデューサー)

山田久人は、Netflix作品『新聞記者』などを手がけた日本の若手トップランクの映画監督・藤井道人とタッグを組み、映画界におけるGOのような会社「BABEL LABEL」を作った。新しい映画を制作するたびに、制作費を集め、売れなかったらコケる。旧来の映画づくりの体制では、一生本当にいい作品は作れない、という問題意識を持っていたのだ。

安定したファイナンスを確保し、強固なビジネスモデルを作るべく2022年にサイバーエージェントグループに参画。山田はクリエイティブを守るためにファイナンスを実施した。

本来、クリエイティブにもファイナンスの視点は欠かせない。しかし、実際この二つの視点を持ちながらモノづくりを実現しているのは山田に加え、前述の篠原、そして川村元気くらいではないか。クリエイティブの作り手でありながら、お金の稼ぎ手でもある。数億円規模で会社を売却するディールをまとめ、それによって安定した制作ができるクリエイティブ環境を構築した山田の経験談と思想を聞けるのは超貴重だろう。

松田 崇弥(ヘラルボニー 代表取締役社長)

Luup・岡井大輝と同じ文脈で語るべきはヘラルボニー・松田崇弥だ。福祉施設に在籍する知的障害のある作家とアートライセンス契約を行い、視点を切り替えながら、障がい者の作品を価値あるものと社会に認めさせたのはものすごい力だ。岡井と松田は共に30代にして世の中の常識を変えた経験を持っている。思想を現実に変えたプロセスを詳しく聞ける機会はそうそうない。
クリエイティブの力が視点を変える力だとしたら、ビジネスプロデュースとは景色を変える力と言える。これまでにないビジネス、これまでにない価値観、ルールを作った松田さんの話、クリエイティブの力が多様化している今だからこそ、絶対に聞いておきたい話だ。松田さん、静かに見えるけど相当熱い男ですよ。

いつか人生を変えたいなら、いまこの瞬間がそのときだ

あらためてGOでやりたいこと、最終的に目指す先ーー。

そんなことを最近、深夜のオフィスでGOの共同創業者である福本龍馬と話し込んでいた。

福本は「三浦は何をしたいんだ」と聞く。

最終的に行き着くのは、あの日と変わらない。
博報堂で無力で無謀な若手として一日27時間働いていた20代の頃と変わらない、「広告をつくりたい」という純粋な気持ちだ。
映画でも小説でもない。ぼくは広告を作ることにこだわりたいんだ。

だって、こんなに面白い仕事が他にあるだろうか。企業の課題を解決すると同時に、社会の課題だって解決できる。ついでに自分の表現もできるし、自分のリスペクトするアーティスト、タレント、クリエイター、研究者、政治家とも協働することができる。つまり、広告クリエイティブという一つの仕事のなかには、ビジネス・社会課題の解決・自己表現がすべて内包されている。

そんな思いを6年間毎日顔を合わせる福本に吐露すると、ただ一言、「お前ってピュアだよな」と返ってきた。うるせぇよ(笑)。

かつてに比べ、広告業界の元気がなくなりつつある今だからこそ、まずは素朴にその仕事の楽しさ、素晴らしさを伝えたい。正直そんな思いもあるよ。
繰り返しになるが、僕はGOとTCAを通じて、今いるクリエイターの質を上げながら、クリエイターの数も増やしていきたい。だから、市場の千倍の給料を一人で得る天才にはなれなくていい。だが、市場のクリエイター全員の給料を10倍にする“革命家”になりたいと本気で思っている。

ここまで読んでくれてありがとう。あなたが、少しでも迷っているなら、人生を変えにTCAへ来てほしい。

学生であろうが、会社員であろうが、アスリートであろうが、専業主婦でも、今の立場なんて関係ない。どんな仕事をしていたとしても、視点を変える力さえ身につければ現実を変えることができる。人生が変わるきっかけを掴める。

「なんか気になる」とか「いつか受けよう」と思っているなら、今すぐTCAに申し込んだ方がいいよ。なぜなら、受講しない意思決定をしたことで、その後、受講した人が活躍した姿を見る度に、嫉妬することになるからだ。他者の活躍に対してネガティブな思いを抱くのは辛いぜ。あるいは何かで失敗したとき、「特別な訓練を受けていないから」と自分に言い訳することになる。

「いつか、いつか...」と思っているうちに、差は無限に広がっていく。

あなたが、いつか人生を変えたいと思っているなら、この文章を読んでいる今この瞬間が、そのいつかなんだよ。

THE CREATIVE ACADEMYの門戸は、あなたのために開いている。
行こう、その先へーー。

(編集協力:長谷川リョー)


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