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「叱りすぎ」が生む弊害4選!叱るにしてもその先を考えて、適切に叱ろう

子育てや教育の中で、頻度や程度は人それぞれでも、「叱る」と無縁の人はいないのではないでしょうか。

以前の叱り方の記事はこちら

公立小学校においても「まずい叱り方」の場面はあると思いますし、そういうことに無自覚な人ほど、「叱る依存」から抜け出せずに「叱る指導」を積み重ねてしまうのではないでしょうか。
(あくまで一般論で、私の職場が叱る依存の教師だらけというわけではありませんので笑)

今回は、「叱りすぎの弊害」について考えてみたいと思います。


叱りすぎると拗ねて悪循環になる

叱られて気分がいい子はいません。
叱られているとき、子どもは強いフラストレーションを感じ、拗ねたり聞き分けが悪くなったりします。
子どもは何でも素直に言うことを聞くとは限りませんが、特にこうしたタイミングはかわいくない子になりがちです。

その態度を見てさらにイライラして叱ってしまう・・・という、子どもも大人も悪循環に陥ってしまいます。

例 「いい加減に片づけなさいよ!」
  「(ため息)・・・ハイハイ」
  「何その態度!」
  「うるせーな、やればいいんだろやれば」

叱りすぎると失敗を隠し、ウソをつくようになる

厳しく叱りすぎると、「叱られた理由や原因について考える」ことが薄れてしまいます。
「なぜそうしなければならないか」よりも「いかに叱られないか」で行動するようになり、失敗を隠し、ウソをつくようになります。

叱りすぎることが、結果的にごまかして取り繕う、自分の非を認めず、人のせいにする・・・といった行動を誘発していきます。

例 「宿題やったの?」
  「(本当はやってないけどやっていないって言ったら怒られるから)やったよ」

叱られる恐怖心がなくなったとき、ルールを守れなくなる

「叱られるのが怖いからやらない」のは、本当にルールを身につけたのとは違います。
ある程度成長し、親や教師に恐怖心を感じなくなった時に効力を失い、自分の行動がコントロールできなくなってしまいます。

例 4月から叱りすぎた教師の底がある程度見えてきて、2学期になってクラスが荒れだす
  子どものころは言うことを聞いていても、大人になってから家庭内暴力を振るう

日常的にストレスを受け続けると、脳の海馬が委縮する

海馬は記憶をつかさどる、子どもの成長にとって非常に大切な部分です。
その海馬が委縮し、機能が高まっていかないということは、子どもの学力にも影響があるということです。

また、体罰や無視、ネグレクト、度が過ぎる夫婦喧嘩、突然の離婚、家族との死別など、子どもにとって大きな心の傷となるような出来事は、海馬だけでなく「帯状回」という情動をつかさどる領域も委縮させるそうです。

つまり、叱りすぎで子どもがストレスを受け続けることは、記憶力や学力、感情制御に大きな悪影響を及ぼすということになります。



「叱りすぎ」の弊害から考える、「まずい叱り方」

「叱りすぎ」の弊害をまとめてきました。
こうして振り返ってみると、そうした弊害を招いてしまうような「まずい叱り方」は、

  • 回数が多すぎる

  • 怒りの感情が前面に出てしまう

  • 表面的で、子どもの学びにつながっていない

にあると私は考えます。

だからこそ、プロセスに目を向けて子どものやろうとしたことに共感したり、好ましくない行動の理由とその改善策について一緒に考えたりする必要があるのだと思います。

私はできるだけ感情的に𠮟りつけることはしないようにしていますが、叱る行為そのものを悪とし、叱ることを放棄することがいいとは思いません。
時に叱ることはあっても、子どもが心理的に追い込まれたり、大人との関係性に修復不可能なヒビが入ったりするようなことは避け、適切に叱れるようにしていく必要があると思っています。
そのために「叱りすぎの弊害」に目を向けることは必要なことなのではないでしょうか。

叱りすぎ」に陥らず、子どもも大人もHAPPYになろう

ここまで「叱りすぎ」の弊害についてまとめてきました。
みなさんの身の回りにも「叱りすぎ」な人、いませんか?
そして、その人が幸せそうに見えますか?

「叱る」が効力をもつには、「僕のためを思って叱ってくれている」と子ども側が認識している必要があります。
つまりは、子どもとの良好な関係性が前提ということです。

「あなたのためを思って言っている」というのは大人側からの見方であり、受け取る子ども側がそう感じるかどうかは別の話です。
何より、「あなたのためを思って言っている」と発する言葉ほど、大人の都合が優先になっているものです。
叱りすぎな状態で子ども側が前向きに「僕のためを思って叱ってくれている」と感じることはまずないでしょう。

多少子どもを叱ることはあれど、その子どもと良好な関係性を築くためには、私たち大人は叱ってばかりではいけませんね。
一緒に遊んだり、笑い合ったり、ほめたり、成長に驚いたり、喜んだり・・・
という日々の営みの中に、ちょっとだけ「叱る」があるから効力があるのだと感じました。

私の小さな具体アクション
子どもとの信頼関係を築くための日々の積み重ねを絶えず行う
適切な叱り方を学び、叱るにしても関係性が壊れないように十分に配慮する
日々ご機嫌でいる


今回参考にした本


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