Takashi Miyazaki

98年より在イタリア。サッカーの国に暮らして22年。サッカージャーナリスト兼スカウト。…

Takashi Miyazaki

98年より在イタリア。サッカーの国に暮らして22年。サッカージャーナリスト兼スカウト。長きにわたり見続けてきたこの世界の様々を気の向くままに、徒然なるままにしたためていこうと思います。著書に『Defense Master rules the world』『カルチョの休日』等。

最近の記事

ファットリア・ディ・マイアーノ

アグリツーリズム フィレンツェで最も心安らぐ場所 様々な難しさがあり、制作には実に2年以上もの時間を費やしてしまいましたが、昨日ようやく日本語版HPができあがりました。 https://www.fattoriadimaiano.com/ja/ お手隙の際にでもご覧いただければ幸いです。

    • イタリアにいじめが存在しない理由 差別的教師に反抗する子どもたち

      • 外国人労働者との「ご近所付き合い」をイタリアに学ぶ

        • 日本に“インクルーシブ教育”は根づくのか。障害者と共に生きるイタリアの現場から (3)

          失業者は多いが、いじめがほとんどない社会  2015年9月、おしゃれが好きなKanaさんは技術芸術専門高校(服飾専攻)に進学しました。この学校でもN子さん一家にうれしいサプライズがありました。  この学校では毎年学年末に文化イベントを行なっていますが、今年はKanaさんにちなんで日本の文化が取り上げられることになりました。特に服飾専攻の生徒たちは、「kimono」について勉強しようということになりました。  クラスメイトはKanaさんを通じて、視野を広げているのです。

        ファットリア・ディ・マイアーノ

          日本に“インクルーシブ教育”は根づくのか。障害者と共に生きるイタリアの現場から (2)

          人生には勉強よりも大切なものがある  2007年9月、Kanaさんのイタリアでの学校生活が始まりました。  イタリアの教室には、障害児への行政の手厚いサポートが整っていました。  学校ではKanaさん専門の支援教員がつき、授業の理解などを手助けします。学校だけではありません。フィレンツェ市は社会福祉士兼家庭教師に相当するスタッフを週2回(毎回2時間)、自宅に派遣。宿題などをサポートします。これらの支援は無料です。  充実しているのは、制度だけではありません。  イタ

          日本に“インクルーシブ教育”は根づくのか。障害者と共に生きるイタリアの現場から (2)

          日本に“インクルーシブ教育”は根づくのか。障害者と共に生きるイタリアの現場から (1)

          https://wezz-y.com/archives/60852  「カルチョ」と呼ばれるイタリアのサッカーにのめり込み、1998年、フィレンツェに移り住んだ私は、なによりもまずイタリア人の奇妙な生態に面食らいました。中世そのままの佇まいが美しい街角を散歩していると、あちこちで人が犬にしゃべりかけています。  日本でもたまに見かける光景ですが、イタリアではやたらと多く、しかも「会話」の時間が恐ろしく長い。言葉のわからない犬をつかまえ、延々としゃべり続けています。こう書く

          日本に“インクルーシブ教育”は根づくのか。障害者と共に生きるイタリアの現場から (1)

          Il Napoli di Sarri 2016/17

          「いかに分厚く攻めるか」という解から逆算して導き出された戦術    2016-2017年シーズンのセリエAを3位で終えたナポリ。前シーズンのリーグ得点王であるゴンサロ・イグアインを手放しながら、ここまでの好成績を残すことができた要因は、ひとえにマウリツィオ・サッリ監督の手腕にある。 これは前回の記事でも紹介したが、サッリ監督の戦術を一言で表現するなら、「トータル・ゾーン」。それを機能させる上で最も大切なのは、「組織的状況判断」だ。  守備において、相手が保持するボール

          Il Napoli di Sarri 2016/17

          「ポジショナルプレー」と「トータル・ゾーン」

           マウリツィオ・サッリが率いていたナポリ、マルコ・ジャンパオロ率いたエンポリ及びサンプドリアが、この「ポジショナルプレー」と「トータル・ゾーン」を組み合わせた戦術をベースとしていた。 ポジショナルプレー(Giochi di posizione): ・第一の目的は、試合で使えるパスワークの向上・守備力の強化が第一義的な目的ではないため、常に数的優位の状況でトレーニングする ↓・システムを任意で決める・たとえば「4-3-3」vs 「4-4-2」 ↓・旧来の背番号で並べ

          「ポジショナルプレー」と「トータル・ゾーン」

          マウリツィオ・サッリ

          マウリツィオ・サッリ(Maurizio Sarri – Empoli監督) (取材日=2015年1月14日 @エンポリ) di takashi miyazaki − ここ数年の欧州カップ戦では確かに結果が残せていない。したがってセリエAの凋落は著しいと言われ続けている。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。少なくとも、とりわけ地方クラブと育成の現場を見続けている一人としては、そうした厳しい評価のすべてを肯定できずにいます。というよりもむしろ・・・ マウリツィ

          マウリツィオ・サッリ

          フィレンツェから熊本へ

          KUMAMOTO SIAMO CON VOI (2016年6月執筆)  たしかに、暴動や抗争も他の危ない行為も絶えない彼らなので致し方ない面もあるとはいえ、その過激さゆえに普段は一般の人々から忌避される「ウルトラー(=Ultrà:スタジアムのゴール裏に結集するティフォージ軍団)」は、屈強な体に刺青をガッツり彫り込んだ彼らの風貌は間違いなく超のつくド迫力なのだが、実のところはといえば、直に話をしてみるとこれがもうほんとうに心の優しい男たちなのである。  複数の派閥からなるフ

          フィレンツェから熊本へ

          アルバニアの少年

           2016年6月13日、史上最弱とまで言われていたイタリア代表がユーロ(欧州選手権)で優勝候補の一角と目されていた強豪ベルギーにまさかの勝利を収めると、その興奮冷めやらぬ翌朝なのでみんなボールを無性に蹴りたかったんだろう。いつも息子が友達と遊んでいる自宅近くのダゼーリオという名の広場へ散歩に行くと、やはり想像した通り、いつもより遥かに多い数のイタリアの子供達がいて、他にもブラジル人やモロッコ人、それにアルバニアやルーマニアの少年たちもたくさん集っていた。  そして、この日の

          アルバニアの少年

          W杯4強入りを本気で目指すのなら -3

          3)https://www.youtube.com/watch?v=UIm2EvTSlRw 神戸の守備(22番・西は、J1出場約300試合。19番・初瀬について、ここでは敢えて触れない)

          W杯4強入りを本気で目指すのなら -3

          W杯4強入りを本気で目指すのなら -2

          2019 J League この失点の要因はどこにあるか。 2)https://www.youtube.com/watch?v=Ph8JbTI-3cg 松本山雅の守備(松本の3番・田中は、J1出場約400試合超)

          W杯4強入りを本気で目指すのなら -2

          W杯4強入りを本気で目指すのなら -1

          2019 J League この失点の要因はどこにあるか。 1)https://www.youtube.com/watch?v=AVVcVxKZZfM 浦和の守備。(浦和の22番・阿部は、J1出場560試合以上。 これはフランコ・バレージのそれをも超える数字)

          W杯4強入りを本気で目指すのなら -1

          使い捨て(2)

          宮崎 様 大変お世話になります。○○○○社の○○です。この度は、弊誌取材にご協力頂けるとのこと、本当にありがとうございます。早くて日曜か月曜には現地へ行きたいとも考えておりますが、まずは、日本での下取材にもご協力頂けますと大変有難く存じます。ご検討頂けますと幸いです。取り急ぎ、○○○○氏の動画2本お送りします。お手数ですが、それぞれデータが重いので、DLして頂けますと幸いです。(原文ママ)(2018年1月30日 金曜日)  金曜日に連絡してきて日曜か月曜にはイタリアへ来たい

          使い捨て(2)

          部活改革案(1)

          1年生:練習「火・木」、「土(戦術確認・調整のみ)」、試合「日」 2年生:練習「水・金」、「土(戦術確認・調整のみ)」、試合「日」 3年生:練習「月・水・金」、試合「土」    上の例では2年生と3年生チームが重なる日もあるけど、各々ハーフコートでも十分に質の高い練習ができるので問題なし。  使えるグラウンドは一面しかない、でもどうしてもフルコートでの練習が必要だというのなら、(2年生15:30〜17:00、3年生17:00〜18:30というように)時間をズラせばいい

          部活改革案(1)