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使い捨て(2)

宮崎 様 大変お世話になります。○○○○社の○○です。この度は、弊誌取材にご協力頂けるとのこと、本当にありがとうございます。早くて日曜か月曜には現地へ行きたいとも考えておりますが、まずは、日本での下取材にもご協力頂けますと大変有難く存じます。ご検討頂けますと幸いです。取り急ぎ、○○○○氏の動画2本お送りします。お手数ですが、それぞれデータが重いので、DLして頂けますと幸いです。(原文ママ)(2018年1月30日 金曜日)


 金曜日に連絡してきて日曜か月曜にはイタリアへ来たいと言う。よって必然的に大急ぎで準備を整えなければならない。

宮崎さま 大変お世話になっております。動画ご確認頂きありがとうございます。編集長と相談し、やはり今週入れはあまりにも無謀だということで納得してとらいましたので、来週号以降に掲載号を取り急ぎ見送り、来週後半以降、渡伊の進行で進めて行くことになりました。大変お騒がせしまして、申し訳ございません。ひとまずご安心頂けたらと存じます。またこちらの火曜日夜頃にもう少し見通しが立つと思いますので、ご相談させて頂きながら進めさせてもらえたらと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。(原文ママ)○○ 拝(2018年12月1日 土曜日)

宮崎さま 大変お世話になっております。先ほどはお電話ありがとうございました。最後の方電波が悪くなってしまって大変失礼いたしました。現地に伺った場合に、○○・○○先生には是非とも取材したいところですので、12月6日頃〜20日頃までのご予定を、ご確認頂けましたら大変有難く存じます。お手数おかけしますが、よろしくお願い致します。(原文ママ)(2018年12月3日 月曜日)

株)○○○○ ○○○○編集部 ○○○○さま お世話になっております。
まずはどのように動くべきなのかを考えながら、この度の取材および取材協力に関する条件をご提示いただきたく存じております。単に通訳としての仕事だけでなく、事前のリサーチや取材そのものを担う場合、必要なスキルも費やす時間も変わってきますので、その辺りを事前に詰めておきたいと思うところです。ご多忙の折、大変恐れ入りますが、ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。宮崎拝2018年12月4日


 というメールのやり取りがあり、だが結局のところ上記取材は曖昧なままキャンセルとなった。したがって、過去の経験則から私は「この度の取材および取材協力に関する条件の提示」を求めている。しかしその依頼に対する担当編集者の回答は遂になかった。

 そして、2年を経たところで「2万円」が振り込まれていたことを知る。だから私は担当編集者にこう尋ねた。

 「その対価(取材協力謝礼)が「2万円」とのことですが、この額って一体どうやって弾き出されたのでしょう。その算出に至ったプロセスをお尋ねしたく存じます。」


 対する担当編集者の回答は、

「その方の作業内容や所要時間等を上司に報告し、慣例に従い規定の金額を算出して振込をさせて頂くことはままございますので、今回だけ例外的な処理をしたものではございません。」

 算出に至ったプロセスを訪ねているのだが、それに関する説明は一切ない。なぜ詳らかにできないのだろう。


 だから続けてこう尋ねた。
 「失礼を承知の上で申し上げれば、『慣例に従い規定の金額を算出」の「規定」がまったくもって不明であり、「算出に至ったプロセスを」をお尋ねしたのはまさにその「規定」なるものの中身を問うためなのですから、これが具体的に書かれていないのは残念でなりません。その上で敢えて付言しますと、この度の2万円にしてもプロの仕事に対する報酬として余りにも安価であるのは間違いありません。学生のバイト以下なんですから。』

 そしてこうも尋ねた。
 『「作業内容や所要時間等を上司に報告し、慣例に従い規定の金額を算出」と◯◯さんは書いておられる。したがって、◯◯さんが上司に報告された所用時間及びその時給の額を明確に示してください。また、作業項目毎の単価も明示してください。各数字なくして「算出」できるはずはないからです。」


 すると、ここから10日間に渡るいわゆるガン無視が始まる。
 そしてようやく帰ってきた回答がこれである。

「宮崎 様メール頂戴いたしました、取材協力謝礼のお支払いに関しましては、内部で大まかな規定はございますものの、媒体や取材内容、所要時間・期間等によって、個別に判断するものとなりますので、外部に公表するような一律の規定とはなっておりません。以上をもちまして回答とさせて頂きます。◯◯拝」


 要するに、テキトーにどんぶり勘定決めたんですね、ということ。「作業内容や所要時間等を上司に報告」とあるが、どれだけの時間と労力を現地イタリアで私が費やしたのか東京にいる編集者は知る由もないからだ。
 

 大砲を何発ももっているらしい編集部といえどもまぁ、所詮はこんなものである。■


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