トヨタの未来 生きるか死ぬか(編/日本経済新聞社)

日本一の時価総額を誇るトヨタ自動車、そのトヨタが直面する自動車産業100年に一度の大変革期を、社長の豊田章男さんはどのように立ち向かっているのかに興味があり読ませて頂きました。豊田章男さんは「自動車をつくる会社からモビリティ・カンパニーにモデルチェンジする」と宣言されていました。背景含め理解するために読んだこの本、簡単にMemoしておきます。

■トヨタの危機感とは何か?

豊田章男さんの危機感は当然のこと。ただし37万人の従業員一人一人に同様の危機感を共有し、新たな事業価値に向け舵を大きく切るには重たすぎる。

□歴史
・1922年UKの紡績業が世界No1だったが数年後には失業率3割への衰退
・自動車産業も同様の変革期が目前
□変化する外部環境
・2030年の動力源はエンジン45%(半減)、ハイブリッド40%へ拡大
・異業種の参入;Alphabet(Lv4自動運転200万Km@CY2018)、Uber/Didi(Ride share1000万回/日)、Baidu(アポロ計画)
・市場規模;2018年650兆円→2030年800兆円(内MaaS170兆円)→2050年1500兆円(内MaaS600兆円) ※ほかの情報ソースも含む
・価値の源泉;移動手段→移動サービス
□課題の内部環境
・社員の危機感;安心感により危機意識低下、組合などの抵抗勢力の存在
・R&D費の分散;MaaS等の領域への投資0.4兆円レベル(Alphabetの自動運転用R&D比は1.8兆円レベル)

■どんなアライアンスを組んできているか?

トヨタは直近で多くのアライアンスを組んできたが、決してトヨタが選ぶという立ち位置ではなく、選ばれる立ち位置にいる必要があると考えている。

□カーメーカ同士の提携・出資・子会社化
・子会社=ダイハツ
・出資=日野、スバル、スズキ、マツダ
・提携=いすゞ、BMW
□Electric
・パナソニックとの新会社設立、中国CATL・BYDとの協業
□Autonomous、Sharing
・ASEANグラブ1,000M$出資、Uber500M$出資、Didi600M$出資、ソフトバンクとのモネテクノロジーズ設立(オンデマンド交通)、AIプリファードネットワークス
□Connected
・マイクロソフト、NTT
□車室内空間共同開発
・豊田合成+トヨタ紡織+東海理化+デンソー+アイシン精機
□住宅
・パナソニックとの新会社設立

■起点となった2018年CES

2018年CESで初公開したe-paletteは、トヨタ社内の強い反対意見を押しのけてMaaS向けの多目的EV自動運転車をコンセプトとして登場。

・2020年オリンピックをターゲット(としていた)
・自動運転Lv4
・開発の主体はトヨタ本体ではなくトヨタコネクテッドというMS提携している部門
・小売り、外食、物流、サービサーとの連携を目指す
・自動運転制御ソフトはオープン化でサービサーのソフトで車両制御可能とし、異常発生時に安全機能ガーディアンとしてトヨタのソフトが駆動し始めることも想定
・トヨタリサーチインスティテュートTRIが提供するモビリティサービスプラットフォームMSPFを基本OSとして外部APPをサービスとする狙い
・超高額なAI・半導体・センシング搭載しているが稼働率をあげて回収する

■新たな構想を発表した2020年CES

Woven CityというMaaSのプロトタイプCityの構想を感動的なプレゼンでぶち上げ、2021年には建設開始するという大胆な構想。ここでは、全産業の衣・食・職・住を連携させ、そして実際に人が生活するため人の感情もOn Bordingさせた壮大なLiving Laboratoryとなる。

■書籍

■読書note記録(2020/5~)
・Aug/12/2020
・累計:7冊目

以上

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