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書籍「アスリートxブランド」を読んで

スポーツマーケティングを志す方、アスリートと接するマーケターには是非、読んで欲しい一冊です。出来るだけ多くの皆さんに手に取っていただき、私も含めてこの書籍に共感された皆さんと共に、これからの日本のスポーツ界を盛り上げていきたいと思います。

この書籍には「アスリート」「シーン」という言葉が何度も登場します。

「アスリート」はもちろんスポーツ選手です。そして、
「シーン」は、プレーヤーや仕掛け人、スタッフたちが中心となり、文化や価値観を醸成、発展させていく場 と定義されています。(書籍から抜粋)

私の話になりますが、2008年10月〜2016年9月までの8年間、本社ブランド部門で、オリンピック・パラリンピックの「シーン」にまつわる仕事をしてきました。
また、当時の私の仕事で「アスリート」と直接、一緒にコンテンツやストーリーをつくる機会はほとんどありませんでした。

2016年11月からは米国に出向し、北米ブランド戦略に携わっています。
「シーン」に携わっていた時からスポーツマーケティングには「アスリート」が欠かせないと思っていましたし、特に米国に来てから色んな方と話をする中で確信に変わってきました。

2018年中頃からミレニアル世代(30代以下)へのブランド戦略を検討することになり、「アスリート」と共に行うブランディングについての有用性を考え始めた時に、著者の長田新子さんと出会いました。

長田さんの著書を読み終えて、そんな頃の話を思い出しましたので、あとがきから述べさせていただきますので、お付き合いいただければと思います。

あとがき - 著者との出会い

長田さんとの出会いのキッカケは、あとがきの冒頭 ”2018年8月からの宣伝会議 のAdiverTimes(アドタイ)で連載を開始させていただき、当初から書籍化を一緒に目指そう・・・”の、連載の最初の記事(8/30掲載)にあります。

9月8日、この記事を読んで強い共感を覚えた私は「非常に共感するコラム。一度、筆者の長田さんと話してみたいと思った。」とFacebookに投稿。

私の投稿をみた塚田さん(書籍の第二部対談に登場)から「長田さんは知り合いだから紹介しますよ」とメッセージを頂き、私の日本出張に合わせて、11月1日に渋谷の蕎麦屋で長田さんを初めてお会いさせて頂いた。

私が長田さんと話をしたいとFacebookに投稿してからたった2ヶ月「人」を大事にする、行動力のある長田さんとの出会い、引き合わせてくれた塚田さんに、今も続く「繋がり」に感謝します。

長田さんと話をしたいと思った理由は元レッドブルCMOとしてイベントを核としたマーケティングアスリートと熱量の高いコミュニティをつくられた長田さんの記事に共感して、長年考えていた「自分の仮説」がうまくいくのか?修正点はあるのか?などを長田さんと話をすることで確認したかったのだと思います。

特に、アスリートとの付き合い方については、「試合の結果に左右されない長期視点」と言う話をしていただき、現在、私が推進しているオフ・ザ・フィールド(競技以外)でのアスリートのパッションにフォーカスしたソーシャルグッドキャンペーンの青写真を企画化することに背中を押してくれたことは間違いありません。

1章、6章 - 社会的な意義

第1章にブランドのビジョンと、最終章となる第6章に社会的な意義のことが述べられていますので、この長期視点の考えがアスリートとブランドが一緒に歩むことに最重要だとわかります。

「レッドブル 翼をさずける」とブランドスローガンは、挑戦するアスリートやアーティストをサポートすること。「挑戦」のキーワードは、発展途上のアスリートやスポーツをサポートすることに繋がっている。

長田さんにお会いする前から、レッドブルのイベントには興味があり、大阪勤務時は、大阪城で行われたRed Bull X-Fighters 大阪大会で翼をさずけられたレーサーがバイクと共に飛ぶ姿を観戦。

大阪城 x モータースポーツイベントのインパクトが凄まじい。

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そして、東京勤務時代には、千葉で行われたRed Bull Air Raceではまさしくパイロットのフライトを観戦した。

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長期視点で未来を見据えるということは、コミュニティへの貢献、社会への貢献をすることに繋がっていく。

レッドブルで新しい文化をつくった長田さんが次に手がける渋谷未来デザインでの渋谷区の街づくりについて触れられているので、是非、読んで欲しい。

2章、3章 - アスリート

なぜ、アスリートと組むのか?から始まる2つの章は、アスリートとの向き合い方について語られている。

冒頭に、アスリートとブランドとの親和性、共通のゴール設定、長期視点で歩むことが大切と書かれている。これは、アスリートは高みを目指してチャレンジしている。優勝することがあれば、勝てない時もある。そして、アスリートには怪我をする時もあるということ。

試合の結果に一喜一憂せずに進むためには、ブランド側のマーケターが熱意を持って、ブランドと共にする親和性のあるアスリートを探す必要がある。

先ほども申し上げたが、約2年前に長田さんにの記事を拝見してお会いして、仮説を企画として前に進めるために後押ししてもらった内容がしっかり記載されている私にとってこの本の大事な章であることは間違いない。

また、第3章には、レッドブルでの経験について、たくさん書かれているので是非、読んで欲しい。いかにストーリーを生み出すのか?が学べるはずだ。

4章、5章 - イベント

皆さんも、レッドブルと言えば、多くの独自イベント主催するイメージがあると思うが、この2つの章はイベントについて書かれている。

アスリートや「シーン」との連動。シーンにあるイベントを支えるブランドになるということ。

例えば、テントや冷蔵庫など機能を持ったツールへのブランディングによる単なるロゴ露出ではないイベントとの一体感の演出から始まり、オリジナリティのある非日常空間を作り出す事例が紹介されている。

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(代理店ではなく)ブランド側(のマーケター)がイベントをリードする環境づくり、そして、空間づくりストーリーをつくりだすことで、ブランドの独自性を作り出すことができる。

対談、まとめ - 人

第2部には、4名との対談を選ばれ、そして、まとめでも語られるキーワードは「人」だろう。

いや、ここまでの章も、ブランド側のマーケターの熱意、ブランド側がイベントをリードする環境づくり、と担当する人の心構えの重要性が書かれてきた。

「熱量」をもつ自分と巻き込みたい人 
「相手のメリット」を考え、相乗効果を生みだし、次につなげる
「社会的な意義」のある長期視点での活動とストーリー

アスリートと企業、ブランドの関わり方について学ぶ素晴らしい書籍なので、スポーツマーケティング、ビジネスを志す次世代マーケターには是非、手にとって貰えたらと思います。


あと、長田さんのマインドから後押しを受けた私の今の米国でのブランド活動もご覧いただければと思います。

スポーツが大好きな次世代のために



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