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中学校で学ぶ確率(公立高校入試問題から)

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中学校で学ぶ確率の問題を、公立高校入試問題から、コレでもかというくらいにスモールステップに分けて0から説明をしています。特に確率を「教えにくい」と思っていた10年前の自分に向けて…
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2022年1月の記事一覧

番外編)高校で習うことを高校入試で出しちゃうことについて

番外編)高校で習うことを高校入試で出しちゃうことについて

 学習指導要領では「簡単な場合について確率を求めること」とされ、その解説で「樹形図や二次元の表などを利用して,起こり得る全ての場合を簡単に求めることができる程度の事象を取り上げる」とされている。

 中学校と高校の境目となる「簡単な確率」とは,さいころ3つが大中小であらかじめ区別されていることではない。さいころ3つでは「起こりうるすべての場合」216通りが図表で列挙できない、というところにある。ま

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【番外編】さいころ3個の問題を解くために必要なこと

【番外編】さいころ3個の問題を解くために必要なこと

  さいころ3つの問題は,中学校範囲ではない,と言った。

 とは言ったものの、実際に私立高校の入試問題で学習指導要領を超える問題は出てくる。出るからには,受験生は対応せねばならない。
 何が必要になるのだろうか。中でも頻出の「さいころ3個」を例に、具体的に問題を解きながら考えてみる。

これまでのように「起こりうるすべての場合を列挙してカウント(分母)」→「条件に合う場合をカウント(分子)」とは

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【番外編】3つ取り出す問題に必要なこと

【番外編】3つ取り出す問題に必要なこと

(よくない点) 偶然は3つ起こるので、表は書けない。樹形図も1ページにはおさまらなそうだ。「公式の出番」になるヤツである。

(1) 分母は「1~9の9個の中から3個、順に取り出す」ので$${_9 P_3 =9・8・7}$$。
 分子について。abcが奇数なので、aもbもcもすべて奇数。だから、求める場合の数は「1・3・5・7・9の5個の中から3個、順に取り出す」場合の数ということになり、$${_

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番外編 |すべての場合の羅列書き出し~辞書式配列と二次元表と樹形図と

番外編 |すべての場合の羅列書き出し~辞書式配列と二次元表と樹形図と

X型
【例題1】 100円,50円の2種類の硬貨が2枚ずつある。これらの硬貨を用いてちょうど支払える金額は何通りあるか。

 お気づきだろうか、軸が2つあるときはこれまで皆さんがやってきたやり方で解ける。つまり、100円硬貨を「0枚」「1枚」「2枚」の3通りの中から出すAさんと、50円硬貨を「0枚」「1枚」「2枚」の3通りの中から出すBさんとに分担すると、あら不思議,やはり表に書けてしまう。

 

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