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メカプラント・アイカ

アルバムアストロライフ@サイバーパーク(2018年)4曲目に収録されている6分弱の曲。ピアノやディストーション・ギター、機械音や自然音による、やや長めのインストです。

タイトルの英表記は「Mechaplant Aica」。少々奇抜な「Mechaplant」という造語の「plant」には、「植物・工場」といった意味がありますが、キネティック・アートのように、金属でできた異世界の植物がうごめくような音像形象によって、歯車を回すことで花弁や葉、茎などが一斉に動くメカニズムを現したく。形象の変化は、部分から全体、クローズアップから全景へと視点を移動させることで、ネガを合成するような造形を形作っていき、徐々に、ひとつの花の姿になっていく。そんなメタモルフォーゼというか。下は、2017年07月09日に書いたこの曲のメモ書きです。

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メモには、はじめ「意識体」と書いてあって、あとで「アイカ」に直している。「Aica」は人の名前のような、あるいは「哀歌」のような。ホログラフィーのように背景と前景がある立体物は、斜め前や後ろからでも見て取ることができて、花が開いたり、閉じたりしている。それは繁茂する植物群。楽曲は「F#」と「C」を基にした複調的なコードと、「Eb」などの混合によって出来ていて、さらに準セリーや、自由拍子なども。テンポは♩=100。途中、ボカロによる無調の短い歌が…。

陽溜りに揺れる Aica
花びらが歌う
人工の種子についた傷

この曲は、アルバムの中間にあって、前半と後半のどれにも似ていない不均衡な姿をさらしている。


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