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TRPG制作日記(290) アマテラスカードと妖怪(ルールブック第五章)

前回に続き、ルールブック第五章「アマテラスカード」の続きを制作していきます。

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは、妖怪カードの収集と対戦をテーマにしたゲームです。

仮想世界アマテラスワールドに接続した高校生達は、そこで妖怪のカードを集めながら探索を行います。

カードには心がり、主人公達の相棒です。


ルールブック第五章『

アマテラスカードと妖怪

 アマテラスカードとはアマテラスワールドに存在している神仏や妖怪、陰陽師や巫女が封印されたカード群である。アマテラスカードの保有者は、妖怪を召喚することにより不思議な力を発揮したり、アマテラスカードの本来の使用方法である対戦で相手に要求を呑ませたりすることができる。アマテラスカードに封印されている神仏と妖怪は、仮想世界アマテラスワールドで生活している神仏や妖怪、人間、すなわち原住民と呼ばれる汎用人工知能ではない。カードに封じられている神仏や妖怪は簡易汎用人工知能であり、言語能力が制限されているため高校生達と会話することはできない。しかし、理性と感情、意識がある汎用人工知能の仲間ではあり、自分達の意思を持っている。アマテラスワールドに接続した宇宙都市の高校生達は、必ずアマテラスカードを保有している。彼ら仮想世界への接続者がカードプレイヤーと呼ばれているのは、彼等がアマテラスカードを保有しているアマテラスカードの使用者だからである。カードプレイヤーは仮想世界でアマテラスカードを集めて、神仏や妖怪を召喚して、原住民を助けたり対戦で勝利してランクを獲得することができる。
 アマテラスカードの神仏や妖怪達は心を持っている。そのため、正確には同じアマテラスカードは二枚は存在しない。一枚のカードに一体の妖怪が封じられており、彼等は一個の独立した情報生命体なのだ。アマテラスカードの神仏や妖怪達は、カードプレイヤーと事件を解決したり対戦の経験を積んだりすることで持ち主との絆を深めていく。彼等には様々な感情があり、必ずしも従順ではない。対戦時を除いて、機嫌が悪い時にはカードプレイヤーの命令に逆らうことがあるかもしれない。しかし、カードに封じられた妖怪達の使命は主人であるカードプレイヤーを守ることであり探索を助けることだ。カードの妖怪達は主人であるカードプレイヤーを裏切ることはなく、彼等の感情の中心にあるのは常に主人への忠誠である。探索時、カードの神仏や妖怪達は自由に召喚できて、困難からカードプレイヤーを守ってくれるだろう。対戦時には、カードの神仏や妖怪達はルールを守りながら相手妖怪と戦いを繰り広げる。アマテラスカードに封じられた神仏や妖怪は探索の共であり、仲間であり、カードプレイヤーが危機的状況に陥っても絶対に見捨てることのない護衛なのだ。
 アマテラスカードには天狗や河童などの妖怪だけではなくて、八百万の神々や仏教の菩薩などの神仏、陰陽師や巫女などの人間を模した人工知能が封じられている。他にも朱雀や青龍などの四神や、天叢雲剣などの神器が封じられていることもある。しかし、何が封じられていても彼等はカードの妖怪と呼ばれるのが普通である。妖怪達は空を飛んだり火を操ったり、他の人間に化けたり相手を怖がらせたりと、様々な能力を持ちその能力には優劣があるだろう。しかし、何の役にも立たない妖怪などいない。また、強力な妖怪が必ずしも弱い妖怪よりも探索で活躍できる訳ではない。カードの妖怪達にはそれぞれ得意な分野があり、得意な分野では他の妖怪を凌ぐ活躍をしてくれるはずだ。また、カードプレイヤーは探索中に新しいアマテラスカードを手に入れることがある。アマテラスカードを所有した瞬間に、そのカードに封じられている妖怪は所有者の妖怪になる。新しい妖怪との出会いはアマテラスワールドを冒険する楽しみの一つだ。カードプレイヤーは新しい妖怪と出会い、新しい妖怪との付き合いを学ぶことで成長していく。カードプレイヤーの能力はカードプレイヤー本人の能力値だけではなく、どのような妖怪のアマテラスカードを保有しているか、そして妖怪を的確に使いこなせるのかで決まる。彼等はカードプレイヤーなのである。
 アマテラスカードは譲渡することが可能だが、賭けの対象にはできない。カードの所有権はアマテラスカードに内蔵されている人工知能に記録されているので、奪うことも盗むこともできない。仮に他者に奪われても自然と手元に帰ってくるし、盗んだカードから妖怪を召喚することはできない。カード自体が所有権を記録しているということは、所有権の管理はアマテラスワールドの管理者から離れていることを意味している。そのため、例え最高管理者である七福神でもカードプレイヤーからアマテラスカードの所有権を剥奪することはできない。アマテラスカードは演算装置内蔵のカードに印刷して宇宙都市に持ち出すことも可能であり、カードプレイヤーにはお気に入りの妖怪を現実世界や他の仮想世界に持ち込む者もいるようだ。アマテラスカードはアマテラスワールドから独立した人工知能なのである。

』ルールブック第五章

今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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