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顔パスの終わり⁉

 マスク生活が長くなり、お会いする方のお顔全体を見たことがないということも多くなりました。マスクギャップなんて言葉もあり、脳の働きに関してもなるほどと思った次第です。

 マスクありでも顔認証ができるようになり、すごいなと感心してます。今後顔認証システムが広がり、入退室だけでなく、決済なんかも普通になるようです。

 顔認証のことを「顔パス」とも言うので、本来の意味の方が消えていくのかなと。本来は「その人の知名度・地位・権力または顔なじみで、入場料や手続きなどが必要な場所に顔を見せるだけで素通り、利用できること」という意味です。

もはや「俺、このイベント顔パスだからさ!」って得意げに言えません。
「って、みんな顔パスですよ」って返されるかもです。
 

さて、今回は中学入試問題頻出作家さんの作品から見つけた小学生が「何それ?」って思うことばの「顔に関することば」を紹介します。

まずは甲陽学院他多くの中学校に出題の「一瞬の風になれ(佐藤多佳子)」より

百面相をしながら、ろくに嚙まずに必死で飲み込み飲み込みする連を見ているのは面白かった。

出典「一瞬の風になれ」佐藤多佳子(講談社文庫)

「百面相」です。意味は「顔の表情をいろいろと変えること。またつけひげなどの小道具を用いて、様々な顔に変装してみせる芸のこと」です。
「あるときは〇〇、またあるときは〇〇、はたしてその正体は~」なんてフレーズも懐かしい感じですね。

グリコ・森永事件で「かい人21面相」と名乗った「キツネ目」の男も記憶にあります。

続いて渋谷教育学園渋谷中に出題の「なずな(堀江敏幸)」より

観客席から見下ろす視点が傍目八目になれても、大局観は競技者にしか許されない身体感覚なのだ。

出典「なずな」堀江敏幸(集英社文庫)

「傍目八目」です。第三者のほうが、物事を当事者以上に判断できることをあらわします。もともとは囲碁の対局を傍らで見ている人が、囲碁を打つ当人より冷静に八目先まで手が読めることからできた言葉だそうです。

僕は「五目並べ」くらいしか知りませんが、塾の教材で「立体四目パズル」というものがあって、子ども達は楽しくやってましたよ。

こちらは将棋です

それではその他【小学生が「何それ?」って思うことば】第32回「顔に関することば」を紹介させてください。

えびす顔

七福神の恵比須様のようににこにこした顔。


鼻白む

気おくれした顔つきをすること。興ざめすること。


金壺眼(かなつぼまなこ)

落ちくぼんだ丸い目のこと。怒った目つきや欲深い目つきを表す言葉としても用いられる。


耳年増(みみどしま)

聞きかじりの知識が豊富な若い女性のこと。特に性的な知識についていう。※「半可通」は、いいかげんな知識しかないのに知ったようにふるまうこと。男性にも用いる。


面の皮が厚い

恥知らずで厚かましいこと。※「面の皮が千枚張り」は、きわめて厚かましくて恥を知らないこと。


千里眼

遠くの出来事や将来のこと、また隠れているものなどを見通す能力。


今回は「顔に関することば」ということで、お正月に遊んだ「福笑い」を思い出しました。職場で開講している講座で、日本語を学んでいる外国人の皆さんに日本のお正月遊びとして紹介してやってみました。かなり楽しかったですよ!


最後まで読んでいただきありがとうございました。

子どもたちの読書量が豊かになり、家族の会話が増えますように。

次回は「決まり文句に関するすることば」を書こうと思います。「~風を吹かせる」「~がミソ」などなど…。

よろしければ前回の記事です。「虫に関することば」をどうぞ!


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