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国内19文化財のデジタルアーカイブコンテンツ

今回は、以前noteでも紹介した「フォトグラメトリ」の技術を使って、(株)ハコスコが中心となり弊社も参画している「メタバースマスターズ」が制作した、国内文化財のデジタルアーカイブをご紹介いたします。

▶ 国内19文化財のデジタルアーカイブ

文化財のデジタルアーカイブは、多くの人に文化財への理解と関心を深めてもらえるように、ウェブVR技術を用いてブラウザで再生することができるコンテンツです。また、訪日外国人の理解度向上と来訪機会の創出のため、多言語でのナレーション解説も合わせて制作しております。

今回は「令和3年度 文化庁文化財多言語解説整備事業」採択の下記6事業が、ハコスコ社のホームページにて公開されました。アーカイブコンテンツだけではなく、各所の見どころや360°バーチャルツアーなども掲載されていますので、ぜひご覧ください。

・須磨寺VR:https://hacosco.com/suma/
・針尾送信所VR:http://hacosco.com/hario/
・竹田城と城下町VR:http://hacosco.com/takeda/
・熊本県の明治日本の産業革命遺産VR:http://hacosco.com/kumamoto-heritage/
・世界遺産姫路城VR:http://hacosco.com/himeji-castle/
・兵庫区近代化遺産VR:http://hacosco.com/hyogoku/

いくつかの事案のYouTubeリンクを以下にて紹介いたします。

<須磨寺VR>

正式名は上野山福祥寺ですが、古くから「須磨寺」の通称で親しまれてきました。
平敦盛遺愛の青葉の笛や弁慶の鐘、さらに敦盛首塚や義経腰掛の松など、多数の重宝や史跡があり「源平ゆかりの古刹」として全国的に知られています。

<竹田城と城下町VR>

竹田城跡は、全国でもまれな完存する山城遺跡であり、虎が臥せているように見えることから「虎臥城(とらふすじょう)」とも呼ばれています。
晩秋のよく晴れた早朝に朝霧が発生することがあり、但馬地方の風物詩となっています。この雲海に包まれた姿は、まさに天空に浮かぶ城を思わせ、「天空の城」・「日本のマチュピチュ」という異名で知られています。

<世界遺産 姫路城VR>

姫路城は1333年、赤松則村が姫山の地に初めて砦を築いて以降、羽柴秀吉、池田輝政、本多忠政らが城に夢を託して拡張し、1618年、現在の姿に全容が整いました。青空に映えるその姿は、水から飛び立つ白鷺に例えられ、別名「白鷺城」とも呼ばれています。
1993年に日本で初めての世界文化遺産に登録されました。

▶︎ 制作方法

このデジタルアーカイブはどのように制作されているのでしょうか?
冒頭でも触れた通り、デジタルアーカイブは「フォトグラメトリ」という技術を駆使して制作されており、弊社ではその「フォトグラメトリ」技術を活用し本コンテンツの3DCGモデル制作を担っています。「フォトグラメトリ」とは、被写体をさまざまなアングルからドローン・スチールカメラ及びレーザースキャナーで撮影してデータを取得し、それらの素材の解析・統合・仕上げを行い3DCGモデルを作成する手法です。「フォトグラメトリ」技術に関しての詳細は、以前にまとめた以下の記事をご参照ください。

<フォトグラメトリ 制作過程>

ドローン・スチール撮影/レーザースキャナー計測
撮影データの解析・統合・仕上げ (世界遺産 姫路城VR)

何千枚という撮影データから3DCGモデルが作成されるのですが、天候や太陽の光がどのように影響するのか?空や背景は後から合成するのか?など、気になったいくつかの点を担当者に聞いてみました。

Q:撮影は数日にわたって行われると思いますが、天候が与える影響、またその対処法はどうされていますか?
撮影日数は被写体の大きさ等により変わるのですが、最短で1日、姫路城では2週間ほどかかり、ケースバイケースです。フォトグラメトリの撮影には曇天・無風状態がベストなコンディションなのですが、晴天で影が強く出てしまう場合では画像処理ソフト等で補正修正しています。

Q:1被写体に対して、どれくらいの枚数を撮影するのですか?
スチールカメラ、ドローンでの撮影では数千~数万枚の画像を撮影します。姫路城の場合では約2万枚程度の画像を撮影しました。画像に加え、レーザースキャナーで計測した点群データ使用して3DCGモデル化しています。

Q:撮影したデータを解析・統合・仕上げるのに、どれくらいの時間を要するのですか?
これも対象物の大きさ等により異なるのですが、姫路城のような巨大なものですとトータルで2ヵ月ほどかかります。

Q:空や背景などは、後から合成しているのですか?合成素材も実際に撮影したものですか?
フォトグラメトリで表現できる範囲には空間的に限りがあるので、空などは既存のCG素材を活用しております。

▶ メタバースマスターズ

「フォトグラメトリ」技術で作成された3DCGモデルは、高精度の現実空間をデジタルで再現でき、メタバースなどへの展開も可能です。今回公開された文化財デジタルアーカイブを制作した「メタバースマスターズ」は、ハコスコ社、VoxelKei氏、スタジオダックビル合同会社と弊社で構成される国内トップクラスのデジタルアーカイブ制作チームで、文化財や観光地などの現実空間の再現を目的としたデジタルアーカイブやハイエンドなメタバースワールドを制作し、新しい価値を提供しています。
デジタルアーカイブ関連助成金の企画・申請についてのご相談やサポートも対応しておりますので、文化財や空間の高精細なCGモデル化・オンライン上の再現化に興味がありましたら、以下のサイトよりお問い合わせいただければと思います。

https://hacosco.com/meta/

コロナ禍を経てリモートワークも浸透し、メタバースなどの仮想空間への参入・転換が今後は加速していくのではないかと思っております。そんな中で今回ご紹介した文化財のデジタルアーカイブコンテンツが何かのヒントに繋がれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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