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劇団ノーミーツの忘年会を見て、これからのイベントと演劇を考える

オンラインで演劇をやっている「劇団ノーミーツ」のオンライン大忘年会が面白そうだったので、YouTubeで見てみました!

僕はアーカイブで追っかけながら、これまでとこれからの演劇や、オンラインイベントに思いを馳せていました。
ちなみにこの記事は、12月29日にアップしましたが、翌30日に再編集しています。2回参加できて、忘れなくて済む忘年会……!

マニアックに愛を注ぐ

三部構成の大忘年会で、登壇者の皆さんの口から様々な話がされるのですが、度々「共通しているな」と思ったことがあります。
マニアックな愛です。

自分が作った作品や、そこに関わるスタッフ、見に来てくださるお客様に惜しみなく愛情を向けられるかどうか。(第2部)
「この役者さんの、この仕草が好き!」ってお客さん同士でつながって盛り上がること。(第3部)
「自分はこれが面白い!」と思ったものを、周りが振り向かなくても作り続ける意志。(第1部・第2部)
好きなものを極端に応援したり、誰かに伝えたり、身の周りに置くことで、生きてる実感を得る時代。(第1部)

以上が、各セクションで挙がった「マニアックな愛」に関する話題です。
クリエイターの熱意、作り手とお客さんとの繋がり、観客同士のコミュニケーション……
シーンや伝え方こそ違うものの「マニアックで、強く深い愛情をどれだけ注げるか」を、皆さん各々が考えているんだなと思いました。
僕も「ロボット演劇」という"マニアックな愛の最たるもの"を作っているので、こういう話が出て、背中を押してもらった気分です。

なんでもは、やらない

もうひとつ、三部構成の中で何度か出てきて、共感した部分。
「なんでもやればいいってモンじゃない」という、"やらない選択"について。
特に「へえー!」と思ったのが、「私の作品では、多数決の分岐モノはやらない」と説明していた、きださおりさん。

「お客様に払っていただいた金額で、100%を見せたい」
「選んで見られるならいいけれど、多数決で残念な思いをさせたくない」

そんな趣旨の発言をされていて、思わず膝を打ちました。
「体験型」「参加型」というと、お客様とやりとりできる方法をとりあえずいろいろ組み込んでみたくなるけれど、そうじゃない。
よりベストな状況で作品を楽しんでもらえるように、仕組みを整理したり、ここには自分は手を出さない!と決めておくって、確かに大切ですよね。

僕の作品でも、ロボットや技術的なチャレンジをすることがあります。
でも「新しい仕組みを使って、珍しいものを作ってみました!」だけだと粗悪な体験になってしまう。ああ、気をつけなければ……

コロナ後のエンターテイメントに悩む

三部構成で共通していたのが、MCの小御門さん・広屋さんから登壇者へ向けての、こんな相談。
「これから、あるいはコロナが終息した後、劇団ノーミーツはどうするといいんでしょうか?」

もとに戻すか、そのまま続けるか、共存させるか、形を全く変えるか。
エンターテイメント以外にも、この時勢に伴って生まれたすべては、"終息後"の在り方を考えることになるのは明らかですが、ノーミーツさんでさえ、そこに悩みを感じているのがちょっと意外でした。

登壇者の方々も口々にアドバイスされていましたが、個人的にも昔ながらの演劇とオンライン演劇は別物として共存し続けると思っています。
そのうえで、ノーミーツさんは「オンライン演劇に特化している」というマニアックさをあえて貫いてほしいなと感じました。
せっかくオンライン演劇に特化したプラットフォームもできたことですし。
所属されるメンバーが別の場所(例えばオフラインの舞台)で並行して活動をされたとしても、ファンはついていくんじゃないかなあ。
……なんて、エラソウにすみません。

この時期、そして"コロナ後"のことは、私も当然他人事ではありません。
ロボットとオンラインの相性は決して良いとはいえず、この時代ならではの答え、形を作らねばと思っています。
ノーミーツ主宰のお二人の相談事も、「自分ならどうする?」と常に自問しながら、視聴していました。


以上、劇団ノーミーツ主催 オンライン大忘年会の超個人的な感想でした!

4時間の大忘年会、同じ演劇やエンターテイメントの作り手として勇気をいただきましたし、考えさせられました。
この勢いを保って、自分の企画書をさらに練ってきます。
それから明日、劇団ノーミーツのオンライン演劇を見てこようと思います。

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