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新任マネージャーに必要なのは公正さと変革だと思う話

こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
エン転職という転職サイトで、14年間、超大手企業から郊外の町工場まであらゆる企業の採用を4000件以上成功させてきた私が、成長意欲のある中小企業の経営者・採用担当者に向けて採用力をUPさせる情報を発信していくnoteシリーズ。今回は、ちょっと軸を変えて、「新任マネージャーに必要なのは公正さと変革」についての話をしたいと思います。
 

しくじりマネージャーだった私の話

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前任者のいる組織のマネージャーを任されたことがあります。若かった私は、前任者のやってきたことの“粗”が目立ち、それを直していけば現状はより良くなると思っていました。だから、「変革していこう!」と唱えて、どんどん旧体制を破壊していくことに力を入れたのです。

結論からいうと、これは大失敗でした。

メンバーが付いてこなかったのです。

今にして思えばメンバーたちの気持ちがよく分かります。旧体制にはメンバーも関わっていたわけで、それを否定するということは、メンバーたちのこれまでを否定することになるわけです。そこに湧き起こる感情のことを、若い頃の私は考えられていなかったんですね。

とはいえ、前任者が抜けたということは組織や体制に問題があるわけで。新任マネージャーはそこを直すことが使命です。自分の目的と思いにコミットした新メンバーを入れて、旧体制の残党を減らしていきたい。そんなドラスティックな思いに駆られたこともあります(私が学生時代にバイトしていた居酒屋ではそんなことがありました)。

いろいろ考えた結果、こんな結論に至りました。

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いかがでしょうか。
 

旧体制を敵にしない

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「旧体制を敵にしない」ということが大事だなぁと思いました。

前述したとおり、「旧体制は良くない」と思っているのは自分と経営者側の感想でしかなく、旧体制にいた人たちは別の感想を持っている可能性が高いわけです。

若い女性スタッフと不倫をしていた幼稚園の園長先生にも、どんな子どもにもやさしいという一面があるように、どこからどう接していたかで、対象物の印象は変わるもの。印象には感情が紐づいています。そして、人は感情で判断し動く生き物です。それを無視して否定しては、人が付いてこないのは当たり前のことなんですね。

「仕事だろ」「社会人だろ」「プロだろ」。感情うんぬん言う前に、与えられた役割を果たせという意見もあります。

しかし、その役割をメンバーに与えるのがマネージャーの役割です。社会通念、常識というものに頼って自分でメンバーに役割を与えていないのは、マネージャーの怠慢でもあると思います。

では何から行なうべきなのでしょうか。

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私はこうしました。
 

敵を作らず、味方を増やす

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「旧体制の変革を、みんなの自分事にする」ために私が行なったのは、背景を洗いざらい話すということです。以下のようなことを話しました。

自分はこの旧体制を変えるためにやってきた。旧体制は今まではそれで良かった。しかし、これからは今のままでは良くない。なぜなら、〇〇〇という問題点があるから。経営層はここを問題視している。なので、〇〇〇を他の支社と同水準まで引き上げる必要がある。もし、同水準まで引き上げられなかった場合、旧体制がなくなる。私と君たちは働く場所を失ってしまう。私はやるべきことは分かっている。でも、旧体制に関する詳細は分からない。よく知っているのは君たちだ。だから、君たちの力を貸してほしい。

詳細な情報を隠すためにボンヤリとした文章になってしまっていて申し訳ないのですが、このコミュニケーションで行なったことは、

・自分の目的を明確にする
・旧体制を全否定しない
・旧体制を変える必要性とその根拠を伝える
・旧体制を変えないことで被るデメリットを伝える
・自分とみんなは一蓮托生であることを伝える
・みんなの長所を伝える
・みんなに役割(期待していること)を伝える

これによって、「旧体制の変革を、みんなの自分事にする」「敵を作らず、味方を作る」という状態を作ることに成功しました。

しかし、旧体制メンバーだけでは変革を行なうには人手不足だったため、新メンバーを数名入れることになったんですね。そこで私がすごく気を使ったのは、

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でした。
 

公正さは、スポーツの試合のように

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なぜ、公正さに気を使ったかというと、人は感情で動く生き物だからです。

「私は評価されていない」「アイツはえこひいきされている」といった印象をメンバーに持たれてしまうと、仕事のパフォーマンスが落ちます。「一生懸命やっても無駄だ」と思われている状態と、「頑張ったところはきちんと評価してくれる」と思われている状態では、チームとしてのパフォーマンスは全然違ってくるんですね。

「メンバーのモチベーションを上げるのはマネージャーの仕事ではない」という意見もあると思います。しかし、「メンバーのモチベーションを下げるマネージャーは論外」ではないでしょうか。

また、今回のように、旧体制時代のメンバーと新加入メンバーが混合編成の場合、どうしても他のカテゴリーを意識してしまい、場合によっては敵視するといつた対立構造が生まれる場合もあります。意識はやるべきことにすべて向けてほしいのがマネージャーの本音。公平さは、メンバーのカテゴリーは関係なく、やるべきことをやった人をやった分だけ評価することの何よりのメッセージになります。

公平さで遂行する上で大切なのは、

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です。

スポーツの試合に似ています。決められたルールの中で、決められた役割をどれだけ遂行したか、決められたルールで評価する。評価理由を尋ねられた時、即答することができ、その内容にみんなが納得することが大事だと思います。

革新を進めていくチームマネジメントで、もう1つ大切なことがあります。それはフィードバックです。
 

フィードバックは説教にあらず

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フィードバックとは、もともとは制御工学で使用する言葉で、出力された結果を入力側に戻してより良い出力のために調整することです。人のマネジメントでは、本来目指すべき目標に対して、メンバーの行動がどうなのか。目標からズレているのか。目標に届いてないのか。どうすれば目標に届くのかを調整する場になります。

私は自身の経験から、チームのパフォーマンスを上げるためにはこのフィードバックにおけるコミュニケーションがポイントになると感じています。

というのも、私自身、若い頃、上司からきちんとしたフィードバックを受けたことがなくて、フィードバックによってモチベーションを落としていたからです。どんなフィードバックだったかというと説教タイムでした。説教が悪いとは思いませんが、たぶん、説教の仕方が悪かったのだと思うのですが、ひたすら自分の悪いところを認識させて、それがいかに悪いことなのかを怒鳴られるというもので。最初の5分くらいは「おっしゃる通りです!」と聞いていたのですが、全然終わらないのでそのうち「早く終わらないかなー」と思うようになり、「この時間は意味がないなー、もったいないなー」と生意気にも思ってました。

私がメンバーのフイードバックで大切にしているのは、以下の3点です。

(1)良いところが、どれくらい良いのかを伝える(5割)
(2)直すべきところを伝える(3割)
(3)期待している未来像を伝える(2割)

(1)について。良いところを伝える理由は、メンバー自身に長所を自覚してほしいからです。どれくらい良いかという“程度”を伝える理由は、天狗になるのを防ぐためと、まだ伸ばす先があることを伝えて成長意欲を湧かせるためです。

(2)について。本題はここになりますが、そのことはたぶん本人も分かっています。(2)だけを伝えてしまうと直さなければならないことと重くネガティブに捉えてしまいますが、(1)を先に伝えることでもったいないポイントという印象を与えます。

(3)について。端的にいうと「君には〇〇〇な風になって欲しいと思っているし、私はそれができると思っている」という内容です。成長イメージを明確に持ってもらうことが目的です。

なぜ、この順番なのか。それは、

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どういうことかというと、人間は基本的に傷つく思い出を思い出したいとは思いません。本能的にシャットアウトします。失敗体験や恥ずかしい思い出に「うわああっ」となって忘れようとしますよね。そういう働きがあるのです。ところが、いい思い出は何度も思い出そうとします。

勘のいい方は何が言いたいのかお分かりいただけたと思いますが、

(1)~(3)の順番でフィードバックする理由は、このフィードバック内容をメンバーの脳に“いい思い出”と認識してもらい、くり返しリピートしてもらいたいからです。

くり返し思い出してもらうことで、直すべきところへの意識が高まるのは当然ですが、(1)を思い出してもらうことで、長所を意識して伸ばすことにも繋がるのです。長所は得意なことであることが多いですが、人間は得意なことは飛躍的に伸ばせる特長があります。

小学生に速読術を教えて、得意な子と苦手な子がいました。2人の一定時間内に認識できる単語は、最初の測定時にすでに差がありましたが、その差はわずかだったそう。しかし、1時間訓練してもう一度測定すると、認識できる単語数は10倍以上の差が生まれてしまったとか。

何が言いたいかというと、旧体制を変えていくといった革新を行なうためにはメンバーの弱点を補うことと同時に長所を伸ばしていくことも必要だということです。

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今回はそんなお話でした。
 

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