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【観劇レポ】初笑い&初キュン 「マイ・フェア・レディ」

2022年1発目の観劇レポ。「マイ・フェア・レディ」大阪公演初日です。

今回も良席で、1階席13列目でした。舞台が目の前。が、眼福・・・。そして開演前のオーケストラの音出し。徐々に暗くなる照明と収束する楽器の音。やっぱこれだね~♪、舞台の醍醐味♪(字余り)。


この記事をアップしている時点では大阪公演が上演中、福岡公演が上演前ですので、ネタバレNGの人は公演終了後にぜひまたいらしてください。


ちなみに…わざわざ書くことではないですが、こんなご時世であってもなくても、観劇中のマナーはお互い大事にしませんか?と思います。
一人のマナー違反が原因で、公演が台無しになることもあるのですから。お願いなので携帯スマホは電源を切ってほしいし、会話は控えてほしい…。

作品について

ミュージカルファンでなくても、タイトルは知っているという人も多いと思います。ミュージカルとして、日本ではもう50年以上前から繰り返し上演されてきた、ミュージカルの「老舗」です。

訛りが特徴的な下町育ちの花売り娘・イライザ、そのイライザを「6カ月で貴婦人にしてみせる」という言語学者のヒギンズ教授の物語。

今回は2チーム体制でのキャスティングで、大阪公演はチームA(朝夏まなと/別所哲也/寺西卓人)。

最初の方で、朝夏さんがちょっと声が出ずらそうで心配しましたが、一瞬だけでした。よかった。イライザはほぼ出ずっぱりですもんねえ。それにしても相変わらずお姿の美しいことこの上ない。お人形さんみたい。

初笑い

コメディ要素が多く、2022年の「初笑い」作品となりました。

何回練習しても「ひ」を「し」と発音してしまうイライザ。逆にセリフ言うの難しそう。よく噛まずにスラスラ言えますね…。
別所さんも早口言葉をいくつもスラスラと…ちょっと怪しいところもあったけど。大佐にツッコまれてたけど。

メイン二人とピッカリング大佐、ピアスさんの4人の場面が多いですが、その掛け合いは途中アドリブっぽいところもあって最高でした。

イライザのパパ・アルフレッドと町民たちのシーンは賑やかで、これぞミュージカルの醍醐味。コメディ的な「笑い」もありつつ、見てて楽しく「笑み」がこぼれるようなシーン。「請求書はバッキンガム宮殿に」て人生で1回でいいから本気で言ってみたい。

初キュン

キュン不足症と診断(※セルフチェック)されている20代独身男性なので、ちょっとしたキュン要素に過敏に反応してしまうのですが、どうしたものでしょうか。

イライザとヒギンズのお互い素直でないがゆえの言い争い。出ていったイライザが心配で心ざわつくヒギンズ。思いが伝わらず悶々とするイライザ。

強がってんと素直になれえ!

・・と叫びそうになりますねえ。ほんと。見てるこっちがもどかしいったらありゃしない。そんなん至近距離で魅せられたら・・・キュンキュンするじゃないですか。

メイン二人もさることながら、フレディがかわいいです。あのお花畑のボンボン感を含めて。現代だとストーカー扱い、もしくは通報されてもおかしくないくらい素直・・・ん?あれは素直というのか?まあかわいいからいいや。

アンサンブル

ミュージカルを観れば観るほど、アンサンブルキャストが好きになっていく現象に誰か名前を付けてください。

座席が舞台と近いからというのもあって、アンサンブルさんたちの細かい動きや表情も見れました。メインキャストはもちろん大事なんですが、アンサンブルさんたちでしか出せない空気感や世界観があるので、いつも感服しています。

セリフがないこともあるとはいえ、そもそも一人で何役も着替えて、演技して、踊って、歌って。下町の町民から上流貴族まで。すごくないですか。上流貴族の紳士淑女な振る舞いは、学校で習ったりしないと思うのですが、あの雰囲気はどこで習得されるんでしょう。教えてほしい。

言葉

この物語のカギとなる「言葉」の存在。

僕自身、小さい頃から言葉や文字が好きで、今もこうしてnoteをやってみたりしているわけですが、言葉って難しくて不思議な存在やなあと思います。

数ある言語を研究しているヒギンズですが、イライザへの想いを口にするのはすごく下手。言葉は相手に伝わってなんぼなのに、言語学者ができていないなんて皮肉。

かといってフレディみたいに手紙でつらつらと思いを書き連ねても、それはそれで違う。時には言葉じゃなくて振る舞いや態度で伝えてほしいこともある。女心は難しいですね、という一言で片付ければ簡単ですが、違う違う、そうじゃない。

ヒギンズは最終的にシンプルに一言、ぶっきらぼうですが「好き」と伝えます。相手に伝わる言葉は、いたってシンプルな時もある。
そして劇中締めくくりのセリフ「スリッパどこいった」のように、当事者以外にとっては何のこともない言葉でも、重要な意味を持つ言葉もある。イライザとヒギンズにとって「スリッパ探し」は、二人が過ごした時間を象徴する言葉だから。

言葉は確かに、辞書的な意味や正しい発音などで「伝える」ことができる。ですが、伝える方も伝えたい相手も人間なので、当事者間の関係性、状況、性格などなど、そうした「行間」みたいなものも重要なのですよね。

最近、「いや、行間読もうよ」と感じることが多かったもので、そんな小難しいこともふと、頭をよぎりました。

千穐楽を迎えられることを祈って

というわけで2022年観劇第1弾、「マイ・フェア・レディ」の観劇レポでした。

初日ということでカーテンコールで朝夏さんからのコメントもありました。そのコメントにあった通り、まだまだ落ち着かない世の中ですが、こうして素晴らしい作品、素晴らしい舞台を見ることができることに感謝しつつ、千穐楽まで無事に終えられますように祈っています。

そして公演期間中に急逝された、もう一人のイライザ役・神田沙也加さんのご冥福をお祈りいたします。またそのショックの中、公演に尽力されているカンパニーの皆様へ、感謝とエールを。

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