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竹籠ランドセル

妄想商店は、頭の中に浮かんだ商品によって生まれる景色を、文章で少しでも共有したいという営みです。
実際商品にする可能性もあります。

30代のシンプルで質のいい服をきた女性が背負い籠を背負って歩いている。
隣にいる子供も同じような籠を背負っている。
子供の籠の中には小学校の教科書や体育着、女性のカゴには買い物した野菜が入っている。
女性の籠の中には、路肩で咲いている野の花が、カゴの外側につけたペットボトルホルダーから顔を覗かせている。

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僕は普段竹の小さな背負い籠をバックとして使っている。
沼津のリサイクルショップで見つけた小さな背負い籠。
A4のプリントやiPadも入るし、買い物した時に意外とたっぷり入ってとても助かる。

竹籠を背負っている人なんて田畑か山にしかいないので、市街部でこのスタイルを見て「かわいいですね〜!」と声をかけられることも多々。
僕はこの竹籠を、「サンカファッション(仮)」の1つのアイテムとして販売できないかと考えている。

サンカファッション

サンカとは〜
日本にかつて存在したとされる放浪民の集団である。本州の山地に住んでいたとされる。
その定義については後述のように激しく論争されてきた。呼称は日本の警察による便宜上のものであり、差別用語としても使われる。 ーウィキペディアより

ざっくりいうと土地を持たない、狩猟採集的な文化を持った世界観が世界各地にあって、弾圧され解体されてきた歴史がそこかしこに存在する。
日本にもサンカという名前で人々の頭の中、おそらく実在的にも存在してきた。
アイヌもそうだろう。
彼らは山にファッションがあり、宗教があり、知恵があった。
僕がサンカがもつ世界観に惹かれるのは

・自然からあらゆるものを見出す力
・環境に自分が溶け出していること

この二つの要素が大きいと思う。
僕はこの要素をあらゆる形を使って現したいと思っている。
ファッションはその中でもとても大事な要素の一つだと思っている。

竹籠のいいところ、課題

〜素材〜
竹はかつてとても便利だったので里に近い山に結構植えられて広がってきたけど、今使い道があんまりないので全国でめちゃくちゃ溢れている。
そしてどこにでもある。
軽いから山から下ろすことも容易だし、加工もしやすい。
とても丈夫でもある。

〜使ってみて〜
外仕事の相棒であるだけでなく、デスクワークの相棒としても心強い。
ものの出入りに関係なくしっかり保たれている形状は、中のものをしっかりと保護して、整理された状態を保つ。
上記のように書類やiPad、ノートPCなどがすっぽり入って上部が空いているので出し入れがスマート。
カスタマイズ性、DIY性も高いので、バッグ界のジムニーだ。

〜課題〜
覆いがないので、雨の時に中のものが濡れる。
歩いていて後ろからきたバイクや自転車から盗まれやしないかという不安がある。
細かいものをそのまま入れると、隙間から落ちる可能性あり。
ノーマルの肩紐がいかにも農作業的でちょっとダサい。

課題を考えると上に覆いをつける必要は絶対ある。
上の覆いのデザインを考えていると、明らかに何かと似ていることに気づく。
そう、ランドセルだ。

僕はここで、Amazonのランドセルの中に背負い籠が並んでいることを想像した。子供が竹の背負い籠を背負って登校する姿も。

最高だと思う。

ランドセル市場で販売するメリット

日本で竹籠を制作している人は少ない。
ショップを見つけたのでみていると、意外と安いことに驚く。
安いものは五千円、高くても二万円程度。
ホームセンターにある海外で作られた農作業用の背負い籠も5000円程度だ。

調理器具や農作業道具というジャンルでは、海外から輸入されたものなどを考えるとそれ以上高くできないのかもしれない。

ランドセルはどうだろうか。どんなに安くても15000円、高いところでは10万円するものもある。年々ランドセル商戦は激しくなっているようで、有名なものは1年前から予約しないと買えないものもあるらしい。

これはダメ元で売ってみるしかないだろう。
竹の背負い籠に革でカバーを作り、内側には小物を入れられるポケットを作る。
体操着や給食着などが引っ掛けられるようなフックを付けたりしてもいい。

何より、子供が背負い籠を背負っている日本って、最高じゃない?

もちろん、ランドセルとしてだけ売る必要もない。広告戦略としてのランドセルでもある。
背負い籠のある風景が市街部に生まれると最高だ。



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