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綺麗な字と汚い字は、どういう基準で判断しているのだろう??

ずっと書道をやってるので「字が綺麗ですね!」と言われることがよくあるのですが、皆さんは何を基準に判断してるんだろうか?

学校でひらがなや漢字を学ぶときに、お手本を真似て書く、ということは日本人ならほとんどの人が経験していると思います。おそらく、その時の記憶が判断基準になっていると思うのですが、テキストに記載されているようなデジタルな字でなくても、綺麗な字はたくさんある。逆に、パソコンで打ち出されるような文字を真似て書いても、綺麗に見えない文字もある。

さて、この基準はどこから来るのか??
明確な基準がないのに、何で”綺麗な字”・”汚い字”と判断できるのだろう?

多分、この正体は、人それぞれが持つ”感性”なんだと思います。


書道の話から少し逸れるのですが、感性が鋭い人と、鈍い人では、ある事象を見た時に捉えられる情報量には大きな差があると思います。例えば、花を見て感動して涙を流せる人と、全く何も感じない人。前者は、もしかしたら花を見て過去の感動体験を思い出したから泣いたのかもしれないし、これまで見たこともないくらい美しかったから泣いたのかもしれないし。理由は人それぞれありますが、”見る”という行為を通して後者にはない、たくさんの情報が伝達されているはずです。


まあ、ぶっちゃけ感性が鈍かろうと、鋭かろうとどっちでもいいような気がしますが、個人的には鋭い方が良いかな〜と思います。なぜなら、感性が鋭い方が感動体験をたくさんできるからです。


私は花を見ても特に感動はしないので、その辺の感性は鈍いのですが、書道においてはそれなりに感性があると思います。

道を歩いている時に、視界に入ってくる看板の文字を見て「気持ち悪い」と感じることがある、という話を知人にしたら、「それ普通じゃないないね(笑)」と褒められました。

少し前にテレビで流れていたプレミアムモルツのCMの”夢”という文字を見た時に、鳥肌がたち「うおおおお、すげええええええ!!!!!」ってめちゃくちゃ感動したことを今でも覚えています。

どちらも、他の人があまり持ってない感覚だと思っています。


上記のようなことを感じることができるから、それが「すごい・すごくない」「良い・悪い」とかいう話ではなく、同じもの見た時に何も感じないよりは、”たくさん感じて感動できた方が、人生が楽しくなんじゃない?”っていう話です。


私は、たまたまずっと書道をやっていて、しかもそれがすごく好きになって、めちゃくちゃハマったので、文字の世界では、人よりは色んなことを感じられるようになりました。


ただ、ここで一つ重要だと思うのは、「好きだから感性が強い」ではないということです。


自分の話ばかりで大変恐縮なのですが、上の”夢”の文字を見て感動した後、私は「誰がそれを書いたのか」をすぐに調べました。調べた結果、武田双雲さんが書いていると知りました。(結構有名です。)

その後、武田双雲さんが、他にどんな文字を書いているのか調べました。

どの文字を見てもドンピシャ。自分が思い描いていた理想の文字を書いていました。

その後、「自分の書く文字」と「双雲さんの文字」は、どこが違うのか?
なぜ、双雲さんの字を綺麗だと感じるのか?ということを分析しました。


それを続けた結果、見つけた自分なりの答えはいくつかあるのですが、ここで重要なのはその答えではなく、文字を観察・分析する習慣が身についたということです。


それがきっかけとなって、身の回りにある文字と、理想の文字(双雲文字)とを比較する習慣が生まれ、上記の通り看板の汚い文字を見て気持ち悪いと感じるようになってしまいました。



すごく周りくどい説明になりましたが

綺麗な字・汚い文字を比較
→なぜ、そう感じたのか?ということを考える

→これを習慣化した結果、これまでになかった感性が身についた

→感性が良くなったことで、感動することが増えた(文字に関してのみ)

私の場合は、偏っているので書道のことにしか反映されたませんでしたが、多分、同じようなやり方で、他にも応用が利くはずです。


個人的には”書道というツールを通して感性を磨いていく”、ということを一つの手法として確立していきたいと考えています。


ちょうど、STEAM教育という考え方が、これからの日本の学校の教育指導要領に導入されるっぽいです。

Science(サイエンス)・・・科学
Technology(テクノロジー)・・・技術
Engineering(エンジニアリング)・・・工学
Art(アート)・・・芸術・教養
Mathematics(マスマッティクス)・・・数学

元々、アートの”A”がなかったみたいなのですが、アートが重要視されてきたようです。


時代背景的に、感性を磨くことが求められる時代になってきたので、その辺のことをうまく汲み取りながら、試行錯誤して、書道の面白さを発信していこうと考えています。


ワークショップとかやるので、また告知します!!!








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