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気候危機を止め、生活を豊かにし、余暇を増やし、格差もなくなる、そんな社会が可能だとしたら。

昨年から、ソーシャルワーカー向けの実践ゼミで学んでいます。この数年は生まれた子どもと共にわちゃわちゃしていたのですが、最近、本格的にまた学ぼうと思い、参加しています。

そこで取り組む課題のために、数冊本を読んで、そのうちの1冊がこの本。
「人新世の資本論」 なかなかインパクトのある装丁・・

社会福祉やソーシャルワークの実践をするためには、社会構造などシステムの理解が必要、という文脈でこの本を選びました。
自分だけではおそらく手に取らなかった本ですが、amazonでも評価4.3!

さぞかし面白いだろうと心して読み始めましたが、2021年に読んだ本で最も難解で理解に時間がかかり、でも最も面白く、最も影響を受けた本になりました。(こんなにたくさんの人が読んで4.3スゴイ!)

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分からなさ過ぎてメモしながら読みましたが、読むにつれてどんどん整理しなければわからなくなり、ちゃんと左上から順にメモしていかなかったことを後悔・・・

以下本のネタバレ含みます。全人類が知らなければいけなくて、1人1人の行動変容が大切だと思ったので、情報発信として私なりに簡単に書いてみようと思います。さぁ書けるかな!
(分かりやすいニュアンスで書くため詳細は齟齬があるかもしれません。。ご承知おきを。)

この本が言っていることは、

「行き過ぎた資本主義(新自由主義)が人間をコントロールし、
主に先進国が世界中の資源を使いすぎていることで、
地球環境の破壊が進み、
その影響が先進国に住む人間にも及ぼし始めた。

このままでは資本主義が終わるより先に人間が終わってしまう。
私たちはこの暴走を止めることができる最後の世代」


ということです。

人間が社会構造にコントロールされている

大昔は、コミュニティの中で物々交換をしてお互い助け合って人は生きていた。けれど「労使」という持つ者持たない者、使う者使われる者が分かれることが資本主義のスタートし、資本主義が進むに従いすべてのモノが資本化されていき、そして、独占することでモノが希少化して、値段がつけられ、お金を払わないと使えなくなる。その資本を大きくするためにさらにまた希少なものを独占し、また値段がつき、お金を払わなければ使えなくなる・・・例えば、山にも川にも水は溢れているけれど、水道が整備され、水道料金を払うことができなくなると、水は止められる。

そういったことがこれまでは「先進国」「発展途上国」という分断で「労使」が現れていたけど、今はもう日本国内でも格差は目に見えるようになり、そういった人間活動の結果として超大型台風などの気候変動による災害が毎年起こるようになり、身近になっているという話です。

NHKスペシャルでも放映されました(まだアーカイブ見れるようです)。

こうなったのって、行き過ぎた資本主義のせいで、人ももう資本主義にコントロールされている。企業も四半期の短期業績で結果を出すことにコミットしていて、本質的に必要なモノやビジョンを追うことよりも大切なことになってしまっている例もたくさんある。

そうして労働者として働く多くの人たちが使われる側として疲弊している。格差も生まれ、マイノリティが生まれ、疎外されていく。現代の労働者は奴隷と同じ、という表現もありました。

感覚的にはそうだなぁ、っていつも感じていたことが、理論的に説明しつくされている本だと感じました。

成長を緩めてコミュニズムを重視する

ここまで生活や社会全体がこの仕組みに支配されていると、個人としては成す術がないように感じてしまう・・・。でも、このままじゃいけない、変えていこう!という人たちが全体のその活動に賛同する人の数がそのコミュニティの3.5%いれば、社会は変わっていく、という記述がありました。3.5ならいけるんじゃないか、とちょっと思いました。

具体的には、今のようにモノに溢れた状況を失くし、必要なモノを必要なだけ生産し、余った時間で地域や家庭のことに携わっていくような共同体を作っていくこと。長時間労働がなくなり、家族と過ごす時間が増える。

例えば、これまで深夜まで残業していた企業のサラリーマンも、必要以上に成果を出すことではなく、必要な使用価値のあるものを生産することだけに仕事をしぼり、定時で帰宅。子供を保育園からお迎えし家族と夜過ごす。保育園も、延長保育などの必要がなくなり、今不足と言われている保育士さんの長時間労働もなくなる・・・

エッセンシャルワークを重視し、福祉や社会事業は手厚く、共同運営していくことで孤独な人も減り、社会格差もなくなっていく。

そういった社会が、私たちの意思と行動で実現可能である、ということが書いてありました。

行動するのは、今この瞬間

私はこれまで、なんだか片付けても片付けても部屋がすっきりしないなという時期を長く過ごしてきました。
なぜか服もあるのに、気に入ったものがないとか、着る服は決まっているとか。これも、流行や資本が作り出したアパレル業界の在り方で、その末端の個人として、「必要と思って買ったのに」「ほしいと思えて買ったのに」と思っていましたが、もちろんその側面はあるにせよ、コントロールされていたんだな、ということをこの本を読んで自分のことを思い返しました。アパレル業界にいる方を非難するわけではありません。他業界もそうだし、利用している私も含めて、そういった社会構造を良い方向に進められなかったこれまでの人間の活動の結果なんだなと改めて知りました。

とはいっても、食品なら添加物、PCならレアメタル、、といったようにもう切っても切り離されないこともたくさん。福祉業界に携わりながら私生活ではこの社会に加担している(というのは言い過ぎでしょうか・・)こともたくさんあるんだなと認識しました。

あまりに多くのモノやことがこの構造に支配されすぎていて、これをひっくり返すのなんて、、と思ってしまうけど、私は自分が3.5%に入りたいと思います。小さくてもできることを着実に1つずつやることから。

これを読んでださったあなたも、3.5%の仲間になりませんか?





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かずみ|Mental Health Socialworker
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