王者の敗北、新時代の幕開け(LCK編)

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LOLの歴史の中で最強の地域はどこだと聞かれれば多くの人が口をそろえて「韓国」と答えるだろう。

シーズン3からWCSで負け知らずの韓国。5年連続でサモナーズカップは韓国のチームが持ち帰っている。

毎年WCSに出てくるチームは違えど、層の厚さから今年も素晴らしい結果を残してくれる。そう信じていた…


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韓国を代表するチームといえばSKTを挙げる人が多いだろう。そのSKTと双璧をなすといっても過言ではないチームが今年の韓国1位のKT Rolsterだ。

KT RolsterはLCKでもトップレベルの名門チームでありながら、毎年国内2位に甘んじてきた。彼らの前にいつも立ちはだかるのはSKT。SKTが不調の時でも、ほかのチームによって優勝まであと一歩届かないでいた。

そんな彼らも去年大きなメンバー改革を行った。LCKオールスターといっても過言ではないほどの素晴らしいメンバーをそろえてきたのだ。
topには2016年のベストトップレーナーといわれたSmeb。Rox Tigers時代にWCS2016でのケネンでの大逆転はファンの記憶にも残っているだろう。jgにはKT Rolster結成時からチームを支えるScore。adcからjgに転向しても素晴らしい安定感でチームを支えてきた。midにはシーズン4にSSWで世界王者となり、中国の名門EDGを経て韓国に凱旋したベテランのPawN。そして今年デビューした17歳のスーパールーキーUcal。botにはシーズン4優勝したSSWの姉妹チームSSBのadcからPawNと同様に中国の名門EDGを経て凱旋したDeft。supportにはシーズン4のWCSでMVPを獲得したMata

いくらお金を出せば集められるんだというほどのスーパーチームとなって帰ってきた。しかし、このメンバーを集めた2017年は結果を残せなかった。春も夏もSKTによって阻まれてしまったのだ…
続くWCS出場をかけたRegional FinalもSSGに敗北。ドリームチームといわれたこのメンバーでもWCSの出場はかなわなかった。

1年かけてこのメンバーで結果を残せなかったのであればこのドリームチームは解散かと思われたが、すべてのメンバーが契約を更新し2018年も同じメンバーで再スタートした。

そして2018年。ついに彼らの努力は報われた。

midのPawNが不調の時期もあったが、そこにUcalを投入することによりチームとしての強さはさらに上がった。春はAFsに負けてしまうも、夏はシーズンを1位で突破すると、決勝で夏の台風の目となったGriffinを撃破し、チーム結成初のLCK優勝を果たした。

そしてその勢いそのままに優勝候補最有力としてWCS2018に乗り込んできた。

彼らは前評判通りの活躍を見せてくれた。グループステージ1週目は全勝。2週目は惜しくもEDGに敗れるも5-1という素晴らしい結果でグループ1位抜けを決めた。

続く準々決勝。この試合は今年のWCSで一番熱い試合ともいえるだろう。今年の王者となったiGとの戦い。最初の2戦はiGがとり追いつめられるKT Rolster。しかし、ここからが彼らの意地。3戦目のベースレースで勝利すると、勢いそのままに4戦目も勝利。このまま逆転するかと思われた。

しかし、iGは強かった。あと一歩のところで彼らは負けてしまった。

韓国ドリームチームといわれた彼らを倒したのだ。iGの優勝も納得できるだろう。ノックアウトステージを見てみると、iGに黒星を付けたのはこのKT Rolsterだけなのだ。それほどまでに彼らは強かったのだ。

もしiGがグループを1位で抜けていれば。KT Rolsterのくじ運が良ければ。こんなことを考え始めたらきりがない。彼らは間違いなく優勝できるだけの実力は持っていた。しかし優勝できなかった。現実は非情なものだ…

WCSが終わり、すでにMataがFA宣言をしている。全く同じメンバーで戦う姿はもう見られないかもしれない。しかし無冠といわれたKT RolsterはLCKのタイトルを獲得した。彼らが次に目指すものはサモナーズカップただひとつだ。


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LCKは世界最高峰のリーグといっても過言ではない。LCKで優勝することはWCSで優勝するよりも難しいといわれることもある。

そんな最高峰のリーグLCKで結果を残すことは十分すごいことなのだが、降格せずにそのリーグで戦い続けるだけでも十分誇るべきことなのだ。

そんなLCKのチームで今年念願のWCS出場を果たしたのがAfreeca Freecsというチームだ。

一言で言ってしまうと中堅のチーム。2016年からLCKに参戦し、シーズンはいつも5位前後で終える。ギリギリでプレイオフ出場できるかどうかというところだ。毎年、プレイオフには進めるもそこで勝ち切ることができず、WCSに出場することはかなわなかった。しかし、今年の彼らは中堅というジンクスを破ってWCS出場を果たした。

チームのエースともいえるtopのMaRinの穴を埋めたのは新人のKiinだった。MaRinの代役は務まるとの声があったが、ふたを開けてみれば素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。今まで通りtopからゲームを作るスタイルを崩さずにチームを作ることができたのだ。jgとmidには2017年からチームを支えるSpiritKuro。botにはこちらも2017年からコンビを混んでいるKramerTusiN。スーパープレイヤーはいないものの、チームとしての安定感でLCKを戦ってきた。

また、AFreeca Freecsは10人体制のチームとしても有名である。各ロール二人ずつの10人体制をとることで、ほかのチームに情報を漏らさずにscrimできるという利点がある。また、同じチーム同士なので特定の状況を想定した練習ができる。この10人体制の強みを生かして、チームとしての完成度を挙げてきたチームだ。

そのかいあってか、2018年は春が2位、夏が3位という素晴らしい結果を残した。そしてchampionship pointでWCS出場を決めた。

WCSではさすが韓国チームといったとこだろう。KTほど圧倒的な試合は見せなかったものの、何とかグループステージを4-2で1位通過。ノックアウトステージ進出を決めた。

準々決勝の相手はNAの名門Cloud9。実力で言えば拮抗しているといったところだろう。

しかしWCSの神は韓国を見放した。結果は0-3。惨敗である。そしてこの結果、世界最強と言われたLCKのチームがベスト8で消えた。この結果をだれが予想しただろうか。世界と韓国の差は詰まっているといわれていたが、こんなに目に見えて韓国が負けたWCSは初めてだった。

しかしこれで堕ちるような地域ではない。この敗北を糧に彼らはまた来年王者奪還に向けて走り出すだろう。


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世界大会で優勝したチームは次のシーズンに不調に陥るというジンクスがある。今年のGen.Gもそうだった。

Gen.Gは昨年度王者Sumung Galaxyが買収されて名前を変えたチームである。正式名称はGeneration Gaming。しかしこちらの名称が使われることはほとんどないのでここではGen.Gと呼ぶことにする。

チームが買収されたものの、ロースターは変わらず昨年度に世界を制した時と同じメンバーで今年もLCKを戦ってきた。

topにタンクからブルーザーまで何でもこなせるオールラウンダーのCuvee。jgには今年のWCSのテーマソング「Rise」にも主人公的立ち位置で描かれているAmbition。そしてHaru。midにはビクターの名手として知られているCrown。botにはここ二年で一気に安定度が増した信頼できるキャリーRulersupportのCoreJJ。また、夏からは不調のCrownに代わってNAからmidにFlyを獲得し、見事なパフォーマンスを見せてくれた。

LCK国内でも圧倒的ではないにしろしっかりと上位に食い込んで今年のWCS出場を決めた。しかし、今年1年を通してAmbitionとCrownのパフォーマンスが良くなかった。そのためメインのjgにHaruを起用し、LCKを戦ってきた。夏に獲得したFlyもしっかりとしたプレイでCrownの代役をつとめ、夏のシーズン後半の躍進に大きく貢献した。

しかし、WCSは連れていける選手がサブ含め6人。2jg体制で戦い続けてきたGen.GとしてはHaruとAmbitionは連れていきたいところ。不調だがベテランのCrownか国際大会の経験はないがシリーズ後半を支えたFlyか…
結果的にシーズンの終わりに少し調子を取り戻しつつあったCrownを連れていく選択をとった。

しかし連覇をかけて挑んだWCSは悲惨なものとなった。グループステージを1-5で終えまさかの最下位。前評判としてはRNGとGen.Gがグループ突破だろうと思われていただけに多くのファンが驚いただろう。

同じメンバーでもずっと強さを維持できるわけではない。LOLというゲームで勝ち続けることの難しさを彼らは身をもって体験した。

お世辞にも、彼らのゲームが良い内容とは言えなかった。小さなミスや、よくわからないマクロの動きなどがあり昨年SKTを3-0で破ったSSGの姿はそこにはなかった…


つい先日、Crown、Ambition、Ruler、HaruがGen.Gを脱退することが発表された。Gen.Gが来年、どのようなチームとなって帰ってくるのか楽しみだ。主要メンバーの変更は最初はチームとして苦しむことが多いが、再びサモナーズカップを掲げるために彼らは新たな道を歩み始めるだろう。


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これで一通りのWCSの感想が書き終わった。

ほかにも書きたいことはたくさんあるのでこれからも細く長く書いていければと思う。



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