最強の挑戦者。頂へ…(LPL編)

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NALCS編
EULCS編
LMS編

2016年にLOLの日本サーバーが開設された。開設から2年。現在の日本サーバーのランク人口はおよそ10万人前後といわれている。また、シーズン8終了時点で14万人となっている。(OPGG調べ)
もちろんサブ垢や振り分け戦だけ終えてランクを回していない人もいる。
参考までに韓国サーバーは約340万人。NAサーバーは約170万人となっている。

では人口世界一の国、中国はどうなのか。

公式のデータは見つからなかったが、1000万人は軽く超えているだろう。それほどまでに中国という国では多くのプレイヤーがLOLをプレイしている。人口が多いせいもあり、中国国内でLOLのサーバーが27個も存在しているほどだ。(うち一つはダイアモンド以上限定のサーバー)
またそれ以外に大学やesportsを学ぶ学校のための教育機関限定のサーバーもあるらしい。

そんな圧倒的人口を誇る中国も、世界では韓国という大きな壁の存在によって最後の一歩が届かなかった。

しかし2018年。彼らは世界の頂に立つことができた。


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中国の国内リーグ。通称LPLは、NALCSと同じく今年からフランチャイズ化によって既存チーム、新規参入チーム合わせて計14チームによって構成される大きなリーグになった。

この14チームをさらに二つのグループに分けてシーズンを行う。そんな巨大な中国リーグにおいて最初期から安定した強さをもち、活躍し続けるチームといえばRoyal Never Give Upといえよう。

過去に多くのスタープレイヤーが在籍していたこのチーム。Lee sinの使い手で有名なinSecや今もなお韓国で活躍し続けるsupportのMata。そんな彼らは毎年WCSで優勝候補と期待されながらもサモナーズカップと掲げることはできなかった。

また、彼らはことごとく「優勝」という二文字に縁がなかった。国内リーグも圧倒的な強さを見せるが必ず決勝で負けてしまう。WCSも素晴らしい成績で勝ち進むも準決勝、もしくは決勝で負けてしまう。人々はこれを「Uziの呪い」とまで呼んだ。

しかし、昨年のAll Starから光が見え始めた。All Star2017でLPL地域が優勝すると続くMSIでも宿敵である韓国であるを倒して優勝。その後のアジア競技大会でも韓国を倒し優勝をした。

風向きは確実にRoyal Never Give Upに追い風である。今年こそはと最強のメンバーを引き下げてWCSへ乗り込んできた。

topにLetme、jgにはアグレッシブなガンクの得意なMlxgとマクロな視界管理の得意なKarsaのバランスのよい二人体制。midには中国国内でもトップレベルの実力を誇るXiaohu。そしてbotにはもはや世界最強と言っても過言ではないであろうスーパーadcのUzi。そのsupportとしてこちらも若手ながら素晴らしい実力を持つMing

jgをタイプの違う二人体制にしたことにより、ゲームメイクの幅が広がり昨年以上の強さとなったRoyal Never Give Up。今年こそは悲願のWCS優勝に向けて走り出した。

国内では春夏ともに優勝し、チームとの完成度は申し分ない。圧倒的な力でWCSの決勝まで駆け上がる。はずだった…

グループステージは1週目を3-0で終え、素晴らしい力を見せつけてくれた。しかし、続く2週目はC9とVIT相手に1ゲーム落とし、最終的にはC9とグループ1位をかけたタイブレークまでもつれ込んだ。タイブレークでは何とか勝利し、グループを1位抜け。しかし2週目の成績だけを見ると2-2。優勝候補最有力とまで言われたRoyal Never Give Upに暗雲が立ち込めてきた…

そんな中で進んだ準決勝。相手はEUのG2。多くのファンがここは突破して準決勝のiGかKTとの試合が山場となると思っていた。しかしまさかのシーソーゲーム。5戦目までもつれ込んだ。そしてG2が勝利した。

おそらく試合を見ていた多くのファンはこの結果を受け止めきれずにいただろう。私もその一人だった。2018年に入って3度Uziが優勝する姿を見てきた。しかし、まさかここで負けるとは。信じられなかった。

これが本当の「Uziの呪い」なのか。彼はWCSでは優勝できない運命なのか。

しかし、涙で目を赤らめたUziが見ていたのは来年のWCSなのだろう。彼はこんなところでは止まらない。世界最強のadcがさらに強くなってまたこの舞台に帰ってくることだろう。


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どうしても国際的な目で見ると今年はUziの年。RNGの年という印象を受けてしまう。しかし、そんなRNGも国内リーグでは常に上位の成績を残し続けるが圧倒的な成績を残せているわけではない。

そのRNGを超えて国内で圧倒的な実力を見せたのがこのInvictus Gamingというチームだ。彼らはLPLの中でも最古参のチームの一つだ。

チームとしての活動はシーズン1にさかのぼる。そのころはまだLPLは存在していなかったが、当時から中国国内の大会では素晴らしい成績を残していた。しかし、毎年国内で素晴らしい成績を残すもWCSまであと一歩が届かないという苦い思いをしていた。しかし、今年のInvictus Gamingは違った。

topにもともとTeam WEに所属していたストリーマーのTheShyを獲得した。彼の存在はWCSを勝ち抜くうえで大きな力となった。topのサブにはシーズン6にWCSを制した元SKTのDukeを置き、ベテランとルーキーの二人体制とした。jgには今年一年で素晴らしい成長を見せてくれたNing。midにはシーズン5からInvictus Gamingで活動しているRookie。当時から素晴らしい実力を見せてくれていたが、ほかのチームメンバーに恵まれなかったせいか結果を残せずにいた。botには今年から加入したルーキーのJackeyLove。supportには安定したプレイでチームを支えるBaolan

midとtopがレーン戦で有利を確実なものにしてくれるのでjgとしてもtopサイドでとても動きやすく、安定してゲームメイクできるようになった。adcのJackeyLoveが時々やらかすが、それを除けば隙のない素晴らしいチームといえよう。

その結果もあってか、春はシーズンを18-1という圧倒的な成績で突破した。プレイオフで惜しくもRWに負けてしまったが、チームとしての完成度で言えばRNGをも凌駕する素晴らしいものだった。続く夏のシーズンも勢い衰えぬまま18-1で突破。プレイオフも決勝まで駒を進めた。しかし、惜しくもRNG相手に2-3で惜敗。しかし、春夏の素晴らしい結果も相まってchampionship pointでWCSへの出場を決めた。

どうしてもRNGが大きく取り上げられたせいで、Invictus Gamingというチームが陰に隠れてしまっていたが、彼らの実力は本物だった。グループステージをでは惜しくもFnaticにタイブレークで敗れ2位通過となってしまった。

続く準々決勝。相手は韓国1位のKT。しかし、そのKT相手にも1試合目と2試合目では大きな有利を渡すことなく勝利した。そして運命の3試合目。多くのファンが手に汗握ったあの試合だ。WCSの歴史の中であれほどまでに白熱したベースレースを見たことがあっただろうか。ほんのわずかな差。AA1回分の差でKTがネクサスを破壊した。しかし、そこで勢いを持ってかれなかったのはさすがといえよう。4試合目を落とし5試合目までもつれ込んだがなんとかInvictus Gamingが勝利した。

この後の彼らは、正直圧倒的だった。準決勝も危なげなく勝利し、念願の決勝。グループステージで敗北したFnaticとの再戦だ。しかし、そこにあったのは圧倒的なワンサイドゲームだった。Fnaticにゲームのテンポを渡すことなく、Invictus GamingがWCS2018の優勝を決めた。

シーズン3から五年間、韓国以外のチームが優勝することはなかった。いつも2位に甘んじていた中国がついに念願のサモナーズカップを掲げたのだ。準々決勝で韓国1位のKTとあんなに素晴らしい試合を繰り広げたんだ。この結果にはみな納得だろう。

シーズン5からInvictus Gamingで戦い続けたRookie。優勝後の涙には、いったいどんな思いが込められていたのだろう。

心の底から彼らにおめでとうと言いたい。そして、実力はありながらいつも2位に甘んじていた中国がついに優勝したのだ。来年以降、今度は彼らがチャンピオンとしてほかの地域を待ち構えることになるのだ…


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今年はRNGにスポットが当てられ、iGが優勝を持っていった。これだけでもLPLを語るうえでは十分なのだがどうしても忘れていけないチームが存在する。EDward Gamingだ。

昨年までRNGは国内で優勝することができなかった。そのRNGの優勝を阻んでいたのがこのEDward Gamingというチームだ。2014年からLPLに参戦し、いつも優勝をもぎ取っていた。

そして彼らは、LPLの歴史の中で唯一世界の頂点を見たことがあるチームだった。2015年のMSI。あのSKT相手に3-2で勝利したのだ。世界の頂を見たことがあるからこそ、彼らは再びそこに立ちたいと願った。そしてそのために度重なるロースターの変更を重ねながらの持ち前のチーム力で今年のWCSに乗り込んできた。

topにはC9から獲得した韓国人選手のRay。jgには中国No.1との呼び声も高いClearloveと若くも安定した実力を持つHaro。midにはもともとSKTのサブでもあったScout。adcにはこちらも若いプレイヤーであるが素晴らしいポテンシャルを持つiBoy。そしてsupportにはチームリーダーのMeiko

彼らはRegional Finalを勝ち進んで中国3枠目としてWCSに出場した。プレイインステージからの出場だが、正直彼らはプレイインにいていい実力ではない。実際、INF相手に1試合落としてしまったもののその後は負けなしで本選への出場を決めた。DFMも圧倒的な実力差の前に何もできなかったのは記憶に残っているだろう。

グループステージもKT相手の試合はきついものの、そのほかの試合を危なげなく勝利し、準々決勝進出を決めた。

準々決勝の相手はFnatic。実力で言えば5:5であっただろう。しかし、勢いに乗っているのはFnaticのほうだった。1試合は勝利したものの、その後Fnaticが勝利し、EDward Gamingは準々決勝敗退となった。

しかし、世界ベスト8に入る実力は確実に兼ね備えている。国内でも高いレベルのチームでしのぎを削りあっているので、今後も彼らはさらに強くなってこの舞台に戻ってくることだろう。


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今年のWCSの地域ごとの成績を見ると圧倒的に中国が結果を残している。今まで、韓国が最強と言われ続けてきた。一方で地域間の実力差は確実に埋まってきているともいわれていた。いつか中国が韓国を抜かすといわれ続けていたが、まさかこんなにも早くやってくるとは…

WCSに出場できなかったものの、LPLにはこの三チームと同等以上に戦えるチームがほかにも存在する。今後、中国がどこまで成長していくのか楽しみだ。


急ぎ足になったが、今回はここまで。

次回はいよいよ最後のLCK編。 



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