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夏休みの思い出

人は社会に出たときに、初めて休みという概念を持つ。
それが例え幼稚園や保育園だとしても。




年中さんから幼稚園に通っていた僕にとっては人生2度目の夏休み。

年中さんから年長さんにかけての1年で一番大きな変化は、たった一人かもしれないけれど友だちができたこと。

そしてその友だちにその子が祖父と行く夏祭りに誘われたこと。



じぶんの住んでいる地域でも夏祭りみたいなものはあった。

でもそれは家族に手を引かれて歩く夏祭りで、友だちとの夏祭りは正真正銘一人で立ち、一人で歩く夏祭りだった。


見たいものを見て、行きたいところに行って、(親からもらったお小遣いだけど)したいことをする。


夏祭りの華やかな明かりに、どこか現実世界のかっちりしたそれとは違う妖艶さに、だからこそ感じる儚さに、当時の僕がそう感じていたかはわからないが、夏祭りのにおいや色彩、音、空気、それらは強烈に記憶に残っている。


それはこの日が僕の小さな小さな聖なる一歩であり、家族という世界の、幼稚園というくくりの外に初めて出た日でもあった。

そのことで感じるウキウキやワクワク、一人で立つ不安と恐怖、寂しさに心細さ。


だからこそ感じられるその瞬間の美しさと儚さと、かかる責任。


そういう複雑ないくつもの思いが、これからたくさん感じることになる多くの感情の原点だったから、忘れられない夏休みの思い出として、今もこの夏祭りの景色が強く残っているのかもしれません。


今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
自然に友だちができにくかったからこそ、初めての友だちのことは忘れられません。






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