【菅原道仁】そのお金のムダづかい、やめられます【読書感想文】
この本は「お金のムダ使いを生む脳のクセを知ることができる本」です。
ムダ使いはドーパミンの影響
お店で飾られている洋服など見ているときにその商品にときめく商品をついつい買ってしまったことはないでしょうか?
そのときは「最高の商品と出会った」とワクワクしたものの、家に帰ると値札を外すどころか包装もそのままで部屋に置きっぱなしなんてことも。
じつはその「ときめき」の正体は脳の中に分泌されたドーパミンという物質によってもたらされた一時的な興奮に過ぎません。
ほかにも、買い物をしたり勝負に勝ったり、お酒やタバコをたしなむときなど
「気持ちいい体験」をしているときにドーパミンは分泌されます。
ある商品に対して、「ひとめぼれ」したとき脳内ではドーパミンが分泌されています。
そしてその時感じた一時的な高揚感によって商品を買わされてしまいます。
だが、ドーパミンの効果は長続きしない、家に帰ってくる頃には興奮は冷めています。
気づけは商品を方t事を後悔してしまいます。
脳の高揚感にとらわれていると感じたら数日数時間置いて考え直すといいわけです。
高揚感が消え他状態で、もういちど「本当にほしいのか」を考えることです。
みんなと一緒という気持ちがムダ使いを生む
これは「バンドワゴン効果」と呼ばれるものです。
バンドワゴン効果とは、私たちは普段自分のことは自分で判断していると思っているが実はそうではないのです。
知らず知らずのうちに他人に合わせた行動を選んでしまっているわけです。
たとえば大人数の◯❌クイズで少し自信のない問題が出たとき、みんなが○で自分だけが❌を選んだとき、まだ答えは出ていなが「自分が間違っているかも?」とおもっているようなことです。
このように脳が「大人数の人が選んでいるから良いものだ」と認識してしまうことを「バンドワゴン効果」といいます。
ランキング1位に惑わされるな
○○ランキング1位と書いてあると、その商品が良いものに見えてつい買っていませんか?
他人が「良い」といっても、自分にとてもいいものとは限りません。
これは「ハロー効果」といいます。
「この洋服、タレントの○○さんが着ていたものですよ!」と言われると「自分に似合う」とか「自分の持っている他の服と合わせられるか」など肝心な部分への意識が薄れてその商品の価値を正確に分析できなくなってしまっています。
その結果、家に帰って着てみると「あれ?思ったより似合わない」「なんでこんなものを買ったんだろ」と後悔するわけです。
さらに、もうひとつ「誰から買うか」ということも私達に影響しています。
プロの美容師から勧められたシャンプーは品質はどうであれ「いいものだろう」と考えてします。
保険のプロからアドバイスされた「オススメ保険」は、本当は自分に合うものではなくても「自分はこれを選ぶべきだ」と考えてしまう。
それもこれも「その分野のプロからおすすめされている」というハロー効果によって引き起こされています。
店の配置はたくさん買わせるように設計されている
コンビニで買い物をするときには要注意です
コンビニのレイアウトは「たくさん買わせる仕掛け」になっています。
レジはどこのコンビニも出入り口にあり、買い物をスムーズに外に出られるように、という意味もあるが、それ以上に訪れたお客さんがなるべくたくさんの商品を見てくれるようにという設計にもなっています。
私たちは心理的に最初にレジを横切るということをあまりしない。
レジを避けて歩くと、最初に雑誌コーナーがあり、奥にお菓子とデザート、ドリンク、そしてお弁当サンドイッチなどを目にすることになります。
つまり、レジに向かう前に無意識のうちにグルっと大きくお店の中を一周しているいることになります。
そんなことで無駄な買い物をしないように、しっかり「買い物リスト」を作ったり、余計なお金を持っていかない。ようにしましょう。
「自分だけは大丈夫」がムダ使いを生む
ここでは「正常性バイアス」がムダ使いを生んでいる話です。
私たちは普段、、危険の兆候が見つかっても「どうせ大丈夫だろう」と考えてしまいます。これを「正常性バイアス」といいます。
お金に対してもこの正常性バイアスは働いています。
例えば家計簿をつけて「出費を減らそう」と意気込んでも、気づけば思った以上に出費している。赤字の場合でも、どうせまだ生活はできる!大丈夫だろう。と判断しがちです。
もし、家計簿で出費を減らしたいと考えているのなら、ただ収支を記録するだけではなく
「交際費はいくらまで」
「趣味に使うお金はいくらまで」
と具体的に上限の金額を決めてしまった方がいいわけです。
予算を決めたら「予算をオーバーしている」とすぐに気づくことができます。
目標は具体的に。これが正常性バイアスを打ち破るコツです。
自己顕示欲がムダ使いを生む
次の長期休暇にみんなが、旅行に行くと聞いて行きたくなった。
友達がSNSで「おいしい焼肉を食べた」という投稿で自分も食べたくなった。
このように他人の行動に影響を受けて「あれがほしい」「これがしたい」と考えているのならそこには自己顕示欲が働いている可能性があります。
そしてこの自己顕示欲というのは、私たちに必要以上に散財をさせる原因となってしまいます。
SNSは「自己顕示欲を気軽にアピールすることができる場」となっています。
SNSの登場により、私たちは「誰かに認められたい」「すごいと思われたい」という気持ちを満たすことができるようになりました。
今日何食べた?どこに行ったなど。
何気ない投稿に見えてこれも自己顕示欲の現れです。
私たちの脳はなにかの価値を判断するときに「他のものと比べてどうか」という基準で測ってしまいます。
「自分のほうが充実している」ということを示すために、周りよりもいいものを食べたり、いい場所に出かけたりして無駄な出費をしてしまうわけです。
あとに引けない気持ちがムダ使いを生む
ムダ使いを生んでしまう心理効果に「コンコルド効果」があります。
コンコルド効果とは簡単に言えば、すでにつぎ込んでしまったお金や時間を惜しむがゆえに、途中で止めることが出来ず、さらに損失が広がってしまうことです。
例えば、マンガを集めていて「このマンガ最近つまらなくなってきたな」と思っても「ここまで読んでしまった」
「ここまで買い揃えてしてしまった」という気持ちから、面白いと思っていないのについつい買い続けてしまう。
そんな経験はないでしょうか?
ときには「勇気ある撤退」も必要だということを覚えておきましょう。
返品無料に注意する
返品可能のうたい文句は、人間の心理効果をうまくついた「買わせるための戦略」です。
人間というのは一度何かを手に入れたらそれを手放したくなるようにできています。
これを保有効果といいます。
そして、「返品可能」のうたい文句はこの保有効果をうまく使った戦略だといえます。
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