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【TCA第3講/言葉】コピーライティングがもつ4つの価値について

「コピーって…面白!!…」。
先日のTCA第3講を受講して、改めてそう思いました。

そして、80分間五月雨の如く降りかかってきた学びを血肉にすべく、備忘録という形でその内容をまとめます。

今回の講師は㈱ひろろの鶴見さんでした。言わずもがな、鶴見さんは業界の一丁目一番地で活躍されてる方です。こういうプロの方と接する度に、その思考レベルの高さに、まだコピーライター養成講座にも通っていない業界目指したての僕は、「プロとして食っていくということは、こういう人たちと闘うということか・・・」と正直畏怖の念が湧きます。ですがそれ以上に、「自分も早くそのステージにいき、超えていきたい」と燃えるのです。

テーマは待ち望んでいた「言葉」。そして、その言葉の中でも「コピーライティングの価値」について深くその本質の部分を学ぶことができました。
コピーという「概念」がこの資本主義社会で価値を持つこと、すなわちお金になることのポイントは大きく以下の4つです。

①企業と社会の変革点になること
②社会を動かす隠れた真実に焦点を当てること
③見えずにいた企業や商品の魅力を提示できること
④あたらしい行動指針を生み出せること

そんなコピーをデザインするコピーライターですが、その仕事は「コピーを書くことではなく、書いたコピーの全てに説明責任をもつこと」だとも学びました。それはつまり、「言語の言語化」を常に意識して仕事をするということです。
もう少し具体的に言うと、「なぜ、そのコピーは優れているのか?」と「なぜ、他の言葉ではないのか?」を自問自答し続けることです。前者を考えるということは、コピーを戦略的側面から考えることであり、表現の奥の設計を見ること。また、後者を考えるということは、コピーを表現的側面から考えるということであり、表現自体の設計を見ること。それらを複合的に考えて、言葉の解像度を上げていき、その両方についてきっちりと説明することがコピーライターの仕事ということになります。
#とにかく考えよう

ここからは、上記の4つのポイントについて各論でみていきます。

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①企業と社会の変革点になること

コピーライティングの1つ目の価値は、「企業と社会の変革点になること」です。いくつか挙げられた例のうち、個人的に最も分かりやすいと思ったApple社の例を見てみます。

Appleには、かの有名は「Think different.」のコピーの他に、社内で用いられている「Tools for creative mind.」というものがあります。
この短いコピーにより、Appleを「ただ会社で使うPC用品を作る会社」から「あらゆる人のクリエイティブな気持ちを刺激する道具をつくる会社」へと変革しました。
そして、企業が変わることによって社員のマインドも変化し、その先の結果として「人間とITの間にあるものすべての関係性を変えてしまう」という社会の変革までやってのけました。

上記のようなコピーをデザインするには、とにかく「コアアイデア」(=すべてを変える点)を探す必要があります。これは「ブレイクスルーポイントを探す」と言い換えることもできそうです。
ちなみに、コアアイデアとは、対象となるものの「あるべき理想の姿」は何か?を考え、その姿に向かうためのものであり、それを現実に着地させるためのアクションが「企画」であると第1講で学びました。

では、なぜコアアイデアを探す必要があるのか。それは、言葉がブレイクスルーの起点となるからです。
これはどういうことかと言うと、コピーには「企業・ブランド・企画を導くベクトルを決めることができる」というイケてる性質があります。100本のコピーを書くことは、100の方向性を示しているということになります。
これは「言葉」だからできることであり、ビジュアルでは中々できません。

また、言葉で企業のバリューチェーン・競争戦略に変革を起こすコピーライターは、一流のマーケターである必要もあります。故に、マーケット周りの情報をインプットし続けることがとっても大事です。
そして、このインプットですがスマホで悠々と集めるだけじゃなくて、自分の足を動かして、色んな人と膝を突き合わせながら、生きた情報を集めるのが大切だなぁと感じました。
そうした泥臭い情報収集を通して、本質的な問題は何か?ということを肌感覚のレベルで知っていきたいです。

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②社会を動かす隠れた真実に焦点を当てること

コピーライティングの2つ目の価値は、「社会を動かす隠れた真実に焦点を当てること」です。これについては、ゼクシィの例を参考にします。
そのコピーは、「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というものです。彼女のいない哀しきモンスターである僕でも、なんだか心をグッと掴まれて揺さぶられる、そんな素晴らしいコピーであると思います。

このコピーの優れている点は、「対象に今までにない角度からスポットライトを当てていること」です。このスポットライトを当てる「角度」は、コピーを書く「切り口」という言い換えもできますね。

結婚に関するサービスであるゼクシィのコピーを「結婚しなくても幸せになれるこの時代に」で始めるところがとんでもなくスゲェわけですが、そこがポイントのようです。

上述した、スポットライトを当てる「角度」はそれ次第で、対象の価値をいくらでも変えることができます。なので、色々工夫して言いたくなるわけですが、大げさすぎたり、ウソを言っちゃあいけません。
そんな中で、「みんなが言いたかったけど、言葉にならなかった言葉」を見つけて世に送り出して、社会に「気づき」や「共感」をプレゼントすることが、コピーライターという仕事の醍醐味であり、その性質を孕んでいるものが「いいコピー」というわけです。

そういったコピーを書くには、「書き分けるのではなく、演じ分ける」と学びました。日頃から、誰かになり切って、その人に想いを馳せてみたり、相手の関心に関心をもって人と接するという習慣を持つことにより、客観的かつ多面的な視点が手に入り、上記のような「いいコピー」に近づけるのだと思います。

また、「社会を動かす」とありますが、その社会を構成する90%の人は弱者です。そして、そういった人が共感するのは、つまり社会の大部分が共感するのは、強さではなく弱さです。
故に、マイノリティの気持ちで、マジョリティを動かすメッセージをつくるという姿勢を大切にしていきたいと思いました。

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③見えずにいた企業や商品の魅力を提示できること

コピーライティングの3つ目の価値は、「見えずにいた企業や商品の魅力を提示できること」です。これについては、大成建設の「地図に残る仕事」が分かりやすいです。
従来は「きつい・汚い・危険」の3Kイメージが強烈だった建設の仕事も、「地図に残る仕事」というたった7文字の言葉によって、今まで確かにそこにあったんだけど見えずにいた、本質的な価値を社会に提示し、そのイメージを劇的に変えました。実際に、建設業界を志す就活生がめっちゃ増えたらしいです。

この例から、「コピーは生み出すものではなく、見つけるものである」とも学びました。目に見えていないだけで、既にそこにある姿を、言葉によって知覚のレベルに回復させるイメージ。
このことについて、昔読んだ何かの雑誌で漫画家の浦沢直樹さんが、表現は違えど同じようなことをおっしゃっていました。「白紙の原稿に漫画のキャラクターは既に存在している。漫画家はその姿をペンでなぞり、この世界に出現させるのだ」と。

こういった、「見えずにいた価値」を見つけるためには、極端にポジティブになってみることが有効なようです。
パッと思いついた例でいうと、「紫外線で肌がやける」というファクトも、ただ「やけて嫌だ」と捉えるよりも、「やったぁぁ!身体が宇宙のエネルギーを吸収したぞ!宇宙と一つになれた気がするっっ…!」と捉えてみると何だか違う世界が見えてきそうです。
#例えが絶妙にキモいな

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④あたらしい行動指針を生み出せること

そして、コピーライティングの4つ目の価値は、「あたらしい行動指針を生み出せること」です。これについては鶴見さんがつくった、大鵬薬品の企業コピーである、「いつもを、いつまでも」ができたプロセスを参考にして考えます。

大鵬薬品と言えば、チオビタドリンクが有名ですが、実は利益の大部分は抗ガン剤によって生み出しているそうです。なので、そこを切り口に「何が良い薬か?」と聞くと、社内からは「生存率が高い薬」という答えが返ってきました。薬の売り先は医者ですから、生存率が高い薬は医者の成績を上げるので、医者に喜ばれる薬が良い薬というロジックです。
その医者ファーストな企業の思考はどうなんだろう?真に向き合うべきは患者の生活では?という鶴見さんの考えをコピーに反映した結果、「いつもを、いつまでも」というコピーは生まれます。
そのコピーの理念が社員にインストールされることによって、社員のマインドが変わり、マインドが変わると行動が変わり、その結果として企業が変わるというわけです。

たった10文字の言葉で企業が変わるわけですから、コピーというのはとんでもない力を持っているなとつくづく感じます。

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というわけで、コピーがもつ4つの価値と、そんな価値あるコピーをデザインするには、常に言語の言語化を意識し、自らのコピーの全てに説明責任を持つことが重要だと学びました。
また、その4つの価値に向き合う姿勢として通底しているのが、「知識に対して貪欲になること」「物事を肯定的かつ批判的にみること」であるように感じました。

なので今回学んだことを、ただ知識として愛でるのではなく、現場でフル活用し、自らの血肉にしていきます。そして、そのためにはまず現場に身を置かなくてはならないので、何とか広告業界への転職を成功させます。
#そっからかよ
#雇ってください

最後までお読みいただきありがとうございました!

#毎日note #日記 #広告 #コピーライティング


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