ホテルすやすや

てっぺんからつま先までまるごとぜんぶ圧倒的に許して!

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最近の記事

ひつような小説

逢坂冬馬の小説『歌われなかった海賊へ』読みおわえてすぐナチス時代をとりあつかった映画しらべて、スティーヴン・スピルバーグ監督「シンドラーのリスト」見る。 ドイツ人実業家・シンドラーが金儲けのために賃金のやっすいユダヤ人を大量雇用した工場が、やがてユダヤ人のいのちを保護するための場になり、保護に力をそそいだために一文なしになる。シンドラーが「実業家」という進歩を捨てて「人間」へと回帰していく一連があざやか。 終戦どき、いのちを救われた工場勤務のひとびとはシンドラーに金歯でつ

    • 恋で死ぬのは映画の中だけよ

      あなたとの週末がとてもたのしいせいで平日は、次の週末までの虚しいがらんどう。がらんどうを埋めるひび。 あなたがロンドンに行く2年はとても長い、人が愛しあうにも、愛しあわなくなるにも充分すぎる。愛しあう時間が失われることと、愛しあわなくなる可能性が高くなることの関係の深さを、考えても仕方ないけど。仕方ないなら考えない方がいいけど。考えないとあなたへの愛が減りそうだから考えたいけど。 そうして、シェルブールの雨傘を見る。ふるいフランス映画は、普遍的で仕方ない愛よりも、いちどき

      • 枡野浩一と重ならない

        枡野浩一『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』よんだ。いまのわたしには重ならなかった。好きと言い切るには、多少なりとも、にんげん的な重なりがひつようなんだ。 生物学的性別って与えられたもの、強制的なものであって、バイもオネエもじぶんで望んでなった訳じゃない。バイって女も男も好きになれてラッキーじゃん、みたいなの、かるいっておもう。バイのは1997、わたしがうまれる以前の短歌だから、時代全体そういう空気があったのかもしれないけど。オネエのは、2006だ。

        • すぐだめになるからすぐあなたに会いたい

          気づくと布団内で泣いてら、はやめに入浴してミニワンピを着るところまでは素敵だったのに、すぐだめになるからすぐあなたに会いたい。のをあきらめたから大分まえ阿佐ヶ谷コンコ堂からむかえた金石範(キム・ソクボム)「死者は地上に」読み終える。すごい密度。 冬、すごい密度の本を積み上げて。人についての本を読んで。冬、気づいたら泣いてる、Amazonで丈夫そうなロープを探してる、23歳を閉じたい、じぶんの悲しみばかり背負いやがってね。 人の悲しみを載せるスペースがないじゃんつう話、ものご

        ひつような小説

          この現象にさえ医学的名称はついていますか?

          いまいますごいはげしいブローカ中枢!なりたいウェルニッケ中枢!それは脳髄の言葉を産みだす部分と受けとめる部分、そうわたし表情にくわえ仕草にくわえ身体にくわえ言葉なんや、言葉が欲しいのやゆよ! 言葉のためにわたしどんだけかけずり回りつうほどそんな烈しいことしとりませんがそれでも地上のもぐらとしてめくらのまんまもがいてみたりもしておりながら、どうして言葉がやってこないのでしょう、やってきたと思った先から逃げていくのでしょう。どうしてどうしてって言ってるからでしょう。満ち足りてない

          この現象にさえ医学的名称はついていますか?

          ちょっと泣いてそれはやさしい熱

          ここさいきんの業務の忙しさに、ちょっと泣いたあと、スーパーであすの朝めしを買いこみ、脳髄の草野マサムネは慣らされてく日々にだらしくなく笑う俺もいてと歌っとった。 なにかといえば草野マサムネが歌う歌いすぎてるとおもえば脳髄とスピッツのなかよしは10年になったんですて。13歳だった。こともあった。 きっとあしたも起きるでしょう。あさってもしあさっても起きるでしょう。じぶんと恋人の建てる喫茶店を夢みるも、今日はもう疲れてしまって、きっと明日も疲れてしまって、ずっと疲れてしまって

          ちょっと泣いてそれはやさしい熱

          文字列to視野

          昨日の読本、クリスマスの恋人にもらった池澤夏樹『スティル・ライフ』のち、積まれてあった中上健次『岬』。 岬、でてくるひとでてくるひと生命体をつくりだす穴としての女/生命をつくりだすもととなる精子としての男への憎悪を持っており、しんどい。わたしだって生まれさせることへの恐れを抱いてはいるがじぶんに向けたものだからなんてことないです、じぶんが死んだら終わること。増殖させず減退させず平行線上の死を待てばよいこと。 しかし憎しみは他人〈ヒト〉に向かっていて、自分〈おれ〉の平常心を

          犬よ

          福岡、ゆくたびパパと博多華丸・大吉の中間顔がむれる遺伝子都市。しかし今回ばかりは見ない顔とむれたんよ。 さくら、2歳、柴犬。 パパったら さくらを怠惰ちゃんの名で呼び、怠惰ちゃんをさくらと呼び、犬と人の区別て んなに難しいか? しかしおばあちゃんに無限にご飯とお菓子をすすめられ すべを喰らいつくす過食むすめ、恥ずかしながらかなり犬的。 犬よ、ぞんぶんに肥えてもかあいいたましいよ。 過食むすめだってあゆむたび むちり・むちり鳴るが、かあいいたましいで在りたいじゃん。つうか

          ほんで球体

          恋人が恋人に恋人の恋人は。んな毎日。ほかに言うべきことなどひとつもありません。 きみとならおいしくごはん食べようでないのと一日一食やめボーナス入るからと食費の紐ゆるみ食欲の加速線上ひたひた走る走れ誰かどうかここにとどめて!ほんで球体。 いまかなりんまそうな肉付きで歩いてら、かがみ見れば角煮まんやら食べたくもなります。ミニスカートはけしてやめません。

          山脈駆け昇りかけてやっぱ辞めて君んなかの朝焼けを視る

          羽もないのに羽散らして舞いあがってら、恋の始まりって青くさ! 言語化不可に楽しい楽しいとどこかしらに昇りつめようとしたのち、言語化のうまい詩人が現れてしずかに君んなかの朝焼けもま昼も夕暮れも真夜中も視たいんよとつむぎだすのがさいきんの常だからたのしい不安定、不安定がたのしい。 以下、恋の始まりにおけるiPhoneのメモ機能の活用

          山脈駆け昇りかけてやっぱ辞めて君んなかの朝焼けを視る

          よくある植物は名乗らんわ

          中上健次の十九歳の地図に「名前を知らない街路樹の枯れた葉っぱが鳥の死骸のように落ちて濡れ」というぶぶんがあり、うんわたし街路樹の名前を知らないとはげしめにうなずく日没。 多くの物語で"よくある風景のよくある植物"としてぞくぞくと正式名称植物がでてきたりする、言葉で花束をつくろうとしているのだろうかあれは、それならそれでいいのだけどでもよくある風景のよくある植物は名乗らんわ。 いったん名乗られてしまった以上その名前と姿を一致させないといけないような気がしてあわててスマホをひ

          よくある植物は名乗らんわ

          静謐な暴力

          飲み会に行っとる恋人を待っとる。綿矢りさの本を白米、恋人がダンボールごと買ってくれたみかんをおかずにして待っとる。 はじめましての綿矢りさ、蹴りたい背中。文体は素朴、主人公の潜在的暴力性が徐々にむきだしになっていって、怠惰ちゃんには暴力性がいまのところいっさいなくって、知らない現象は知りたいでしょ。 潜在的暴力性って湿度が高いの、なんてったって。顕在的暴力性つまり、完全なるイメージでお送りしますけれどサングラスかけて妙に光沢するジャンバー着て噛んでたガムを道端におおげさに

          だれもがじぶんに興味があると思えるきみそのままで

          きのうはラヴの話をしたからこんどはヘイトの話をね。 ヘイト。だれもがじぶんに興味があると思い込めている人がにがてだ。SNSで例をあげると、今度載せるのでたのしみに待っててね、とかって言えちゃう人。待っている人がいるという自信がないと出てこないことば。 怠惰ちゃんはそんな自信はないし、じっさいみじんも興味を抱かれていないと思うので、これ以上ないくらいれっきとした嫉妬。待っててねって言いきれちゃう人がうらやましい!ふんぬ! 嫉妬およびふんぬ!は広げてもなんにも良いことがない

          だれもがじぶんに興味があると思えるきみそのままで

          素敵な街街にゆく怠惰ちゃんだけが邪魔。

          ラヴのはなしをします。怠惰ちゃんのからだにはありあまるラヴ。からだからはみ出しそう!だからたまには放り投げてみる。 ラヴ。笹井宏之の、気のふれたひとの笑顔がこの世界最後の島であるということ、という短歌。 いまはまともというか理性があるので、気のふれたひとって意思疎通ができなくてぶきみだしおそろしいとも思うけど、そして、じっさいにおそろしい血まみれ事件を起こしてしまっているのだけど、そういった恐怖をぬきにすれば、かれらは「生まれもっての自我がなくなったもしくは変化した人」と

          素敵な街街にゆく怠惰ちゃんだけが邪魔。

          ケーキを完成させて!

          自分にインタビューするのがラヴ。よく「好みのひと」について脳内座談会をくりひろげている。 そこでよく出てくるワード、知的。 知的なひとというと、「頭がよいひと」と思われてしまいがち。ちとちがう。 あいまいを避けるためにはもちろんぐたいです。ぐたい、つまり、脳みその容量はどうでもいいの、あらゆる世界と価値観を知っていながら、それでもまだ知り足りないと他者をうけいれつづけるひとであれば、と言えば、なんとなくわかってもらえる? 他者をうけいれつづけるって、ものすごいこと。職人の

          ケーキを完成させて!

          わたあめびより

          わたあめびよりですよ。しろくてまるい犬が強風になびいている。わたあめでみちみちの道。 怠惰ちゃんの理性に取材したところ、ほんとうなら卒論びよりにしなくちゃいけなかったらしい。無理よりの無理。 序論すら書き進められん提出期限に間に合わんたいへんもうしわけありませんて、メールしたの。あんまりよく考えてないけど、よく考えるとするなら、なににもうしわけがないのかわからんね。ぶじに卒論をしあげて卒業したところで先生のお給料は一円もかわらないんだもんざんねん。しいていうなら怠惰ちゃん

          わたあめびより