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群衆

『赤い時点』
何が凄いかと問われれば
長針と短針をへし折り進む
あの情けない背中を見て見なよ
監獄からの脱走劇や
撃鉄が落ちる時の呼子を想起させる
あの情けない背中を見て見なよ
きっと今から世界が寝返りを打つんだ。
恐怖と回帰を織り交ぜて
一日の穏を解き拓くんだ。

『最たるもの』
行く末を案じてくれた者の最期は
路上映画でも観ているような錯覚を起こした。
高望みだったろうか
繰り返し振り返る過ぎた景色
握りしめても、掴めるものは変わらず
空白は確かな存在証明として
鼓動を鳴らす波の中、怯まず。
高望みだったろうか
とりあえず道はある
満ち足りた表情が花束なのだけど
太陽色が照らしてあれば
それだけでも至福と思える。

『2014 ライオン』
くしゃみしたら、前歯が抜けた
歳月は素晴らしい友情と一緒に
腑抜けた誇りを開花させていきやがった
そんなことは望んじゃいないし
臨むにしても離乳食用の牙しかないからな
ま、大多数の夢は叶えた
咆哮に耐えうる喉も、自尊も
歴史の淘汰で歪とも呼ばれる始末だ
やたらと太陽が見下してくるのも面白くない
酒肴を抱きながら
怠惰に師事するのも悪くない所以
寝ることにする。

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