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日本刀Labの目指す場所

皆さんこんにちは!
日本刀Labの中川です。

僕は銀座の刀屋で働きながら、社会福祉法人白秋会特別養護老人ホーム泰山の運営に携わっています。
日本刀を愛してやまない方、それから日本刀は愛していたけどやんでしまった方、興味はあるけどよく分からない、興味もないけど迷い込んでしまった…方…。

このページに立ち寄ってくださりありがとうございます。
僕がnoteを始めた理由はいたってシンプルです。

日本刀を通して、皆さんの今日を少しでもより良い一日に変えたい

綺麗ごとに聞こえますが僕の素直な気持ちです。

この志のもと日本刀の魅力をお伝えしていきたいと思います。

ですが、いきなり日本刀の話に触れるよりも、僕がどうして日本刀に興味を持ったのか、そして今の日本刀業界はどんな状況にあるのかをお伝えしたいと思います。

1.いたくてこわい日本刀

僕の祖母は昔から刀屋さんをやっていて、僕は幼い頃から刀に囲まれて育ちました。

人生で初めて刀に触れたのは6歳でした。

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その時、好奇心に負けて祖母の言葉に一切耳を傾けずに指を切ってしまいました。たいした傷ではありませんが、


『いたくてこわい』

それが日本刀に対しての最初の気持ちでした。

それ以来少しだけトラウマになり、祖母の横に並んで刀を見ても自分から触れようとは思いませんでした。すると、ある時いつものように祖母の横に並び、小さな豆電球の下で刀を見ていると、祖母が…

「刀を怖がってはだめよ、そうすると、刀もね、ひろくんを怖がってしまうから」

と言い、僕が「どうして?」
と訪ねると祖母は…

「刀は心だから」

と言いました。
僕は「そうなんだね」と頷きました。

正直、全くピンときませんでした。

今思えば祖母は典型的な長島監督タイプで、感性で生きているタイプの人なので、教えるのに向いていなかったのだと思います。

2.日本刀の気づき

以来、ピンとこないまま、ピン待ちをして、ピン待つこと13年経ちまして…

僕の身長もいつの間にか祖母を追い越していて、気付いたら高校まで卒業していて、大学に入学し学業のあいまに両親の福祉施設を手伝っていました。

少し話がズレていくように思われるかもしれませんが、福祉の仕事は常に生と死の問題が付きまとい、未熟だった僕は自分の心をコントロールする術を探していました。

そんな時、久しぶりに祖母の刀屋で来国俊をぼやーと眺めていると、

体から”スッ”と嫌なものが抜けて、美しさに体がゾワっとしたんです。

刀の魅力ってこれなんだって、

何にも囚われない没入感や無目的な歓び、そこからスッと抜けた後にやってくる、刀を通して文化や歴史なのか世界なのか、分からないですけど大きな何かと繋がった気がして、その気づきみたいなモノが刀の魅力だと思うのです。

また、刀屋をやっていると、よくお客さんから「見ているだけで気が休まる」、「見ていると刀からパワーをもらえる」という言葉を頂きます。

刀は美術品として美しいだけではなくて見るものの心を美しくします。

嫌なことがあったり悲しいことがあったり、人生には自分だけの力じゃ制御できない問題ばかりですが、自分の見えている景色が自分の心なのです。

自分の心が刀に映し出され、刀を見ているようで刀は時に自分を見つめさせてくれるのです。

祖母の言っていた「刀は心だから」という言葉の意味がその時になって理解出来た気がします。

ふと、振り返ると祖母が僕を見てニヤリとしていました。

僕は、「僕がやっと刀の魅力に気づいたこと、そういうのが後ろ姿だけで全部伝わったのかなって、だとしたらおばあちゃんって」…って思いましたが、

「ひろ君は昔っから福耳だよねー」と祖母は喜んでいました。

そういうのは漫画だけの世界ですね、手軽に祖母を喜ばせる事が出来て耳に感謝します。

そんな流れで学生時代から同じ刀屋の叔父のもとで修行をし、現在に至ります。

3.刀剣ブームなのに刀が売れない

「刀剣乱舞」の影響もあり、刀剣女子が増え、日本刀に関する書籍が売れています。今、刀剣界では、「刀剣ブームが起こっている」というのが日本刀に関わる方の共通認識だと思います。しかし、多くの刀屋さんは首を傾げているかと思います。

なぜ、刀自体は売れないのだろう

一つには、日本刀には高価なイメージがあり敷居が高い印象があり、若者に興味を持ってもらっても、手が出しづらいという理由です。(実際は正しい見方で買えば良い刀も安く購入する事が出来ます)

しかし、根本的な原因はそこではありません。

日本人の古くからある独特の宗教観と現代社会のバランスにこそ原因があります。(その事につきましては長くなるので別の記事で書きます。)

現在、日本刀業界は衰退の一途を辿っています。
これは紛れもない事実です。

目減りし、購入者層の高齢化が進み、何よりも深刻なのが職人さん、特に金工師の減少。

当然、購入者が減ることで、日本刀は売れなくなり、職人さんの仕事も減ることになるという負のスパイラル。

日本刀に関わる多くの方が納得しているならそれでいいですが、誰もが納得なんてしていない。

ただ今はそういう状況だから、そういう状況になっているという反復同語の世界。

沈黙の中で声を上げるのは物凄い勇気とエネルギーがいる。

だから誰もが黙っている。

ですが、僕は祖母が守ってきた刀業界を、刀が好きだって笑うお客さんの笑顔を守りたい。

今、コロナで世界が変化を求められている時期だと思います。

刀業界も、この状態は人任せにしても何も変わりません。

僕は変わりたいし、変えたい。

それだけの価値が日本刀にはあります。

人生はオセロです。

最後の最後に大どんでん返しは起こります。

僕は全てをひっくり返すつもりです。


えー、最後、気持ちが入りすぎて勢い余って大きなことを言ってしまいましたが笑
若輩者の大きな志として受け取っていただけると幸いです。

今後は、刀の楽しみ方、日本刀の買い方、日本刀業界再興プログラムなど
様々な楽しい企画を考えております。

近日中の主な記事は、

・「刀を買う事がビジネスになる?」

・「刀剣ブームなのに刀が売れない本当の理由」

・「デジタル社会における日本刀の新しい価値〜ベンヤミンと日本刀」

・「刀の正しい買い方」

などを買いていこうかと考えております。

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