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本紹介『旅のラゴス』1200字で書いてみよう

今までより本格的に、(気が向いたときに)自分が読んでいる本や過去に読んでおもしろかった本の紹介をしていこうと思う。

初回はとりあえず1時間で1200字以内としたい。文字数は以下を参考に..(小学校高学年に求められる程度 笑 、まぁ最初はね!)

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自分がこの本を読んだのは7月頃だ。どこかで、人生について書かれた奇妙なSF作品というようなことが書かれていて、前々から気になっていた作品だった。

社会人になって長時間労働を経験するようになり、生きる意味とは?人生とは?などありきたり(だけど重要な)ことを考えることが増えたこと、部署異動があり、それらの疑問の声が自分の中で大きくなっていったこと、人生を旅に例えることが好きなことなどの背景があり、このタイミングで購入し読んでみた。

あらすじは、以下の通り。

ある目的のために南へと旅をしている男ラゴス。旅の途中で、放浪する牧畜民族の集団と出会うところから物語は始まる。彼らは、連れている牛馬を売るため「リゴンドラ」という北にある都市を目指していた。ある日連続的な大雪に出くわすことが分かり、大雪を回避するため一族はトリップまたは転移と呼ばれる”数人以上の者の精神力の集合で一瞬のうちに異空間を超え別の場所へ移動する”超能力のようなものを行うこととなった。そこで、転移が苦手なその一族のためにラゴスも協力するが..。そして上記の転移や壁抜け、予知夢などの超常現象を経験しながら、二度も奴隷にされてまでもいつまでもどこまでも旅を続けるラゴスの目的とは..。


構成はユニークな名前の12章から成る。上記の牧畜民族と出会うはじまりの章「集団転移」や、奇妙な能力を持つ男と出会う「顔」、まさかの再開を果たす「赤い蝶」などなど..いずれも初見では何のことやら分からないタイトルばかりだ。

この小説には特徴的なポイントがいくつかあるが、その中で特筆すべきなのが「作中での経過年月」だろう。

通常の小説だと、数か月や一年、長くて十年くらいの期間を描いているものが多い気がするが、旅のラゴスでは三十年もの歳月が経過する。

物語の当初は脂の乗った30歳ほどの色男だったラゴスが、だんだんと年を取り(それでも周りからは知性の感じられる老人と見なされる)老人になっていく様子は寂しくもあるが、旅を続ける中で、奇妙な体験や特異な能力を持つ人間と出逢う一人の人間の一生のおもしろさと言ったらない。


また、「人の心が現実世界に影響を与えるというSFらしさ」も大きな魅力の一つだ。自分は人間の想像力というものの強さを信じているため、作中で出てくるような読心術や予知夢のような超能力も、この現実世界にさえ、信じてみることを究めた先に実際にあってもおかしくないのでは?と思ってしまう。

ちなみに作中では、高度な文明を失った代償として、人々が超能力を獲得しだした世界が舞台だ。

我々の三次元世界は、高度な文明を持っている←イマココ ⇒崩壊⇒超能力を得だす といった状況だろうか?笑


そして何といっても「ラゴスの旅をする意思の強さ」だ。彼は旅の途中で安寧を得ても、自分を愛してくれる(数人の)女性と出逢っても、奴隷にされボロボロになりながらも、なお旅を続けることを辞めなかった。彼は故郷を出てから五十年もの歳月を旅に費やすことになる。狂気の沙汰だ。

しかし、我々三次元世界の人間もラゴスと何ら変わらない。終着地点がどこか、いつそこに辿り着くかも分からない。そんな中でひたすら旅を続けている。

よく、人生は旅に、心は宇宙にたとえられるが、ラゴスにとっては正に人生が文字通りの「旅」そのものだった。その道中では受け入れ難い現実もあり、人生の残酷さも教えられたが、一方で、いくら時が経とうが、年齢の壁があろうがそんなこととは無関係に愛はあふれるのだということを知れた。


自分もラゴスのように一つのところには留まれない性分だ(ラゴスはそのような性格のため旅を続けたのだと終盤で告げる)。興味の方向や友達関係、人生の進路もそう。ならばラゴスのように、どんな状況にあろうが自分の信じるものを信じて、時に甘いもので騙しながらこの険しくも美しい旅を全うしたいものだ。


さぁ、あなたも旅の道ずれにどうだろうか。


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1200字以内といいつつ、400字ほどオーバーしてしまったし二時間くらいかかってしまった..^^;

400字詰め原稿用紙が一枚増えたと考えたらとんでもないルール破りだ笑。

だんだん慣れていこう笑

※↑で我々の世界のことを”三次元世界”と書いたけど、正確には時間も含めて”四次元世界”かなぁ..

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