見出し画像

【読書記録#20】桐蔭学園ラグビー部勝利のミーティング

ラグビー界の名門 桐蔭学園 が スポーツ心理学博士の 布施努さん を招いて起こした改革が描かれています。この一冊からスポーツ界に心理学×選手主導ミーティングが広まってくる気がします。僕もチームサポートをしている観点から非常に参考にさせていただきました。

ミーティングと聞くと、指導者やチームリーダーの発言を聴く時間とされてきましたが、キーポイントは「選手主導」。そもそも答えのないスポーツにおいて、指導者がああせいこうせい言うのは簡単です。しかし、選手自ら最適解を探り続けることが彼らの力になり、試合での本番発揮力が変わります。

選手主導でするには、
❶適切な物事の考え方・捉え方❷コミュニケーション環境❸繰り返し
が重要になります。

❶適切な物事の考え方・捉え方では、
①横型比較思考と縦型比較思考
②最高目標と最低目標
 
が印象に残っています。

①は、スポーツをしているとよく陥る考え方。他のチームやライバル選手と比べてしまう横型比較。どちらが強いかどちらが上手いかで考えてしまう思考です。この思考しか持ち合わせていないと、メンタルコントロールに苦しみます。ですが、自分の未来と比べる縦型比較思考があると足りないものを補うために自分と向き合った考えができるようになります。

②は、試合時のパフォーマンスに影響する考え方。理想のパフォーマンスを最高目標、絶不調であっても可能なパフォーマンスを最低目標。この二つがあると自分のすべきことがハッキリされます。

この①横型比較思考と縦型比較思考②最高目標と最低目標はミーティングをする上で重要な考え方で、話すことで自己理解も深まっていきます。またチームメイトからの指摘も貰って考えが磨かれます。

 ❷コミュニケーション環境では、
③反対意見が出たらチャンス
が重要に感じます。

ミーティングは全員がもとから同じ意見をもっていないため、どこかで対立が起こります。そこで仲間のことを敵とみなすのは容易いです。ですが、「もしかしたら違う考え方もできるかも」と状況を成長のチャンスと捉えれば話し合いの精度が上がります。この捉え方があるおかげで選手たちはそれぞれの立場で意見が言いやすくなってコミュニケーション力も高まっていきます。

最後に❸繰り返しとは自分が感じたことです。

桐蔭学園は学業も優秀な学校です。故に皆自分の考えを持っていると思っていましたがそうではなさそうです。どこにでもいる普通の高校生だと書いてます。そもそもミーティングは最初からうまくいくはずはありません。何度も繰り返してできてくるものです。ミーティングも一種のトレーニング。社会で活躍する時も欠かせない力となる時間です。

実は関東大学ラグビー5チームのチームキャプテンに桐蔭学園出身の選手が選ばれています。出身チームから5人もです。ミーティングの積み重ねがリーダーシップやコミュニケーション力を育み、将来に活躍できる幅を膨らませた要因であると感じます。

画像1





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?